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悪役転生??

来週に予約していたつもりが14日投稿になっていて慌てて更新してます。

ストックの校閲がまだできてないので後から訂正はいるかも……

 痛さで目を覚ます。

 見慣れぬ天井。寝たことのないふかふかのベッド。綺麗な部屋。嗅ぎ慣れぬ匂い。


「……ここ、どこだ?」


 意識がはっきりすると代わりに頭痛が存在感を発揮する。


「頭痛い……」


 痛さで目を閉じると暗い視界に見たことのない光景の記憶が映し出された。

 見慣れぬ格好の親子に動く箱に飛ぶ箱。音が鳴り、喋る箱。

 光景から遅れて記憶にも影響がある。

 着物に車に電車に飛行機。スマホにパソコン。

 見たことがなくても、本能が知っている。


「俺、知ってる。六華(むつのはな)の軌跡、だ」


 記憶をたどっていくと、俺は所謂、転生者とか記憶持ちと言われる人間ということがわかった。

 六華の軌跡はスマホやパソコンでできる恋愛シミュレーショゲームだ。アニメ化もするほどの人気っぷりで、幼馴染が四六時中やってたゲーム。その幼馴染はゲームのしすぎで、ゲーム機やらパソコンやらを没収されたとかで俺のでずっとやっていた。だから俺もちょくちょく見ていたし、熱心に布教してくるものだからアニメは全部見た。

 巫女に選ばれた少女が主人公で、その少女と攻略対象らが同じパーティで冒険する。厄災での魔物との闘いの最中、人間側に裏切り者が現れる。それがリヒト。最凶最悪の魔道士。

 まさかその世界に自身が悪役として転生するとは思ってなかったが。

 前世の記憶があっても自分の名前も幼馴染の名前も思い出せない。自身の感情や経験、情報はわかっても、個人に帰結しようとすると何も掴めない。


「はぁ、頭痛い」

「お兄ちゃん、入るね」


 頭を押さえると同時に妹が入室した。頭に手を当てたままディアの方を見やると、今にも持っているものを落としそうなくらいに驚いている。


「お兄ちゃん! 目が覚めたんだね。おはよう」


 見慣れない綺麗な服を着ている。紺色のワンピースの丈は膝が隠れるほど長く、上から白いエプロンを着ている。これはメイド服なのか。


「体調は大丈夫? 怪我はないはずなんだけど……」

「大丈夫だ。問題ない」


 頭が痛いこと以外に別段不調はないと思って、それを口にしようとするとそう変換された。自分では「大丈夫だよ。怪我はないが頭が痛いんだ」くらいの口調だったのだが、淡々と無表情に発された。


「そう。ならよかったよ。まだ本調子じゃないだろうし、安静にしてて。私はお嬢様に報告してくるから」


 妹はそれでも気にしていないようで、安堵の笑みを浮かべると退出していった。

 そうして一人になると俺はまさかと考えを巡らせる。これは悪役補正なのかと。


「そういえば、リヒトに妹なんていなかったような……?」


 一人きりだと口調や声音、表情も微力ながら豊かにできるようだ。ということは、この悪役補正は対人専用にしかでない。

厄介なことになってしまった。勘違いされて結局、本編と同じ末路とか俺嫌なんだけど。

巫女らが厄災を治めるのに成功しようが失敗しようが死ぬのは同じなのだ。成功すればリヒトはお縄について死刑。失敗すれば厄災もろとも。


「……今はそれよりも」


 妹についてだ。

 ディアナという少女は本編で一度も見聞きしていない。この世界が所謂、続編的なものであったらわからないが、六華の軌跡は何度もゲーム化されたものの、攻略対象が多少増えただけで登場するキャラクターにはそこまで差はなかったはずだ。

 一つ可能性があるとすれば、リヒトが次作で攻略対象に追加され、その悪逆非道さに愛嬌を付けるために追加された存在ということ。

 妹の死か何かで、世界を憎悪し始めたということなら合点がいく。

 俺自身、過去の感情を思い返す限り、リヒトは他人も家族も平等だが、冷淡に接していた。ツンデレ要素もなく、内心も見た感じと相違なかった。だから、俺は彼が妹の死で何か変わるとは思えない。だが、それ以外に核心のある答えはない。

 扉をノックされる音が俺を思考から追い出す。外も少しうるさくなったようだ。


「何だ」

「失礼します」


 「どうぞ」と言おうとすると不機嫌さマックスの低温ボイスが出た。不機嫌というより、頭の痛さが無くならなくて顔を顰めていただけというのに。

 自己嫌悪するも彼女はそのまま入室した。


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