表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

漫才の台本

漫才「電気コード」

作者: 沢山書世

漫才・コント36作目になります。よろしくお願いいたします。

 電気屋が友達の家に呼ばれてやって来た。

 電気屋「テレビの調子が悪いんだって?」

 友 達「そうなんだよ。買ったばかりなのに、もうお手上げでさ」

 電気屋「どれ、ちょっと見せてみろ」

 友 達「画面が真っ赤になっちゃうんだよね」

    友達がスイッチを入れる。

 電気屋「ほんとだ」

 友 達「直るかなあ」

 電気屋「こういうのは、たいがいコードに原因があるんだよね。断線しかけてないか、見てみるよ」

 友 達「頼んます」

    電気屋がコードに触れる。

 電気屋「なんだこの太いコードは。テレビのじゃないだろ」

 友 達「うん、違う」

 電気屋「元のコードはどこやったんだ?」

 友 達「最初からついてなかったんだよ。訳アリ品専門店の投げ売りコーナーで、なおかつ値切って買ったテレビだからなあ」

 電気屋「じゃあ今つながってるこのコードは、どこから持ってきたんだ?」

 友 達「こたつのコードを引っこ抜いてきたんだよ。今は夏だから使わないんでね」

 電気屋「それだよ、原因は。ちょっと画面を触ってみろ」

    友達が触る。

 友 達「熱っ」

 電気屋「だろ、発熱してるからな。画面が熱いのも、赤く光ってるのも、こたつのコードを使っているからさ」

 友 達「なるほど」

 電気屋「専用のコードにはちゃんとした理由があるんだから、勝手につなげ変えたりしないように」

 友 達「すまん。でも、テレビ用のコードがないからなあ、持ちあわせある?」

 電気屋「あるよ、電気屋だからな」

 友 達「交換してもらえるとありがたいな」

 電気屋「その前に、まずはテレビを冷やさなきゃ」

 友 達「なるほど」

 電気屋「冷蔵庫のコードを引っこ抜いてこい」

 友 達「わかった」

    冷蔵庫のコードをテレビにつなげて、リモコンを手にする電気屋。

 電気屋「青色のボタンを押しながら、音量をマイナスしていけばいい」

 友 達「うんうん」

 電気屋「しばらく放っておいて、元の温度まで下がるのを待つんだ」

 友 達「待ってる間に質問していいかい?」

 電気屋「なんだ?」

 友 達「ステレオのコードにつなげ変えたら、テレビの音質よくなるかな?」

 電気屋「音だけの、画像無しテレビになっちゃうけど、それでもよければな」

 友 達「だったらやめとこ」

 電気屋「くれぐれも、素人判断でやらないように」

 友 達「了解。他にも調子のよくないものがあるんだよね。ついでに見てもらえないかな?」

 電気屋「ものは?」

 友 達「ドライヤー」

 電気屋「どんな具合なんだ?」

 友 達「風は来るんだけど、ぬるいし、首を振るから使いづらいんだよね」

 電気屋「それは扇風機のコードの特徴だな。扇風機はどんな様子なんだ?」

 友 達「なぜか熱風がでてきちゃうんだよね。だから、冬の暖房として使ってるんだ」

 電気屋「コードをドライヤーと逆にしちゃったんだな。チェンジすればどっちも元通りになるよ」

 友 達「ありがとう。やっぱりプロは頼りになるなあ」

 電気屋「いろいろありすぎだな。まともに動いてる電気製品はないんじゃないのか?」

 友 達「ついでついでで申し訳ないんだけど、ジューサーから湯気が出てきて困ってるんだ」

 電気屋「やっぱり。まだあったんだな」

 友 達「面目ない」

 電気屋「そのうち掃除機のホースから、洗濯水が出てきたりしてな、ははは」

 友 達「・・・」

 電気屋「おいおい、なんで笑わないんだ?」

 友 達「すまん、そいつもついでに直していってくれ」




読んでいただき、ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ