174.第7章 最終話 引き裂かれる家族
オルレアンに朝がやってきた。
天気は今日もあいにくの曇り。
オーシャンビューのオルレアン海を一望できる『ギルド会館第二タワー』10階から、遠く『ベネチア』の『グレートバリアリーフ』の上空まで黒い雲で覆われている。
『風のクリスタル』の加護があるこのオルレアンにおいて、天気の悪い日は不吉な事が怒る。
オルレアンでは、そんな迷信まがいな話が街中でささやかれる。
リビングのソファに横になり眠る1人の男。
地面には昨日と同じく、無数の報告書が散らばっていた。
テレビが設置され、コーヒーテーブルとソファが置かれるリビング。
顔の両ほほに、温かく柔らかな感触がしたと思った次の瞬間、かなりの重量を感じる塊が2つ体にのしかかる。
「ぱぱ!!(がばぁ!)」
「ぐはぁ!?」
「(2人)ぱぱ~」
「(グサッ!)痛い!『ユニ』!角、刺さってる刺さってる!薬草・・(もぐもぐ・・ごくん)はぁ!は~は~」
「『ユニコーン』ちゃん、お父様を頭の角で刺してはダメなのです」
「『ペガサス』ちゃん、ママのところに戻りなさい」
「(2人)まま~」
「マスター、ご無事ですか?」
「重体ですよ、重体」
早朝から擬人化した『ユニコーン』と『ペガサス』の『聖獣』2体に襲撃される。
特に攻撃力の高いのが『ユニ』の角をつく攻撃。
日に日に大きさと共に攻撃力が向上していく角によって体を貫かれるお父さん。
毎日がボス戦。
朝から夜寝る間でが戦いの日々。
『マドリード』産の薬草はかかせない。
このオルレアンに独占禁止法など無用。
この後すぐにギルドの自動販売機で補充しに行こう。
「大丈夫ですかスズキ様?」
「ルナお母様。『ユニ』の面倒、ちゃんとお願いしますよ・・空が曇ってても、光を浴びれば擬人化できるみたいですね・・『ユニ』はかなり女の子っぽくなりましたね。小学校の高学年くらいかな、髪も肩まで伸びてきましたし。『ペガ』は髪がショートカットで、ボーイッシュな子供って感じで可愛いですね。しかも2人とも、その服・・」
「ねえお父様、『ユニ』の服可愛い?」
「パパ、『ペガ』の服可愛い?」
「さすが聖女様、『裁縫』スキルが素晴らしい熟練度ですね。2人とも制服、お母様に作ってもらったのか?凄く似合ってて可愛いぞ」
「えへへ~(2人)」
「ルナ様とジャンヌ様がお作りになったんですか?」
「スズキ様。『ユニ』ちゃんと『ペガ』ちゃんの『小学校』の制服は、ジャンヌが昨日『裁縫』スキルで作ってくれたのです。わたくしよりジャンヌの方が、『裁縫』スキルの熟練度が高いのです」
「そうだよ一郎。少しは私の事見直したでしょ?」
「へ~意外ですね美馬さん。ファッションセンターむらしまとか、クロユニであの子の服買いあさってた美馬さんとは思えない出来栄えですよ。パリコレですよ、パリコレ」
「あんたそれ、私の事、馬鹿にしてるでしょ?」
「そんな事ありませんって美馬さん。褒めてるんですよ。『ユニ』と『ペガ』が成長したら、一緒にエルミタージュ学院通わせましょうよ。お母様と一緒に4人で登校とか、アイリスとお2人が登校するくらい素敵な日常になりそうですよ」
「まあ」
「それは・・いいかもね」
「ねえお母様。『ユニ』もルナお母様と同じ学校通えるの?」
「はいなのです。でももう少し大きくなって、ちゃんとお勉強をたくさんしないとダメなのです」
「わ~い。じゃあ『ユニ』、たくさんたくさんお勉強して、お父様とルナお母様と一緒の学校行くの」
「ねえママ。『ペガ』もパパとママと一緒に学校行けるの?」
「『ペガ』ちゃん。今日も『小学校』でたくさんお勉強して、早くママと一緒の学校行こうね」
「ちょっと美馬さん、パパはどこへ行ったんですか?」
「パパはいらないし」
「え~ジャンヌママ~『ペガ』はパパとも一緒に学校行きたいよ~」
「ええ?う~ん・・じゃあ、いいかも」
「ちょっと美馬さん。なんです、その妥協の仕方は」
朝から騒がしいリビング。
かりそめの家族5人と過ごす日常が過ぎていく。
今朝の朝ご飯は『ピザ風トースト』とスープ。
特に和食のこだわりも無く、その日食べたい物を作って食べるのが我が家の流儀。
曇り空の外に比べて、家のダイニングキッチンのテーブルでは、親子の笑顔の花が咲き乱れる。
朝食を終わらせて、お着替えの部屋で制服に着替える二聖女。
自分も台所の後片付けを終わらせて、『インフィニティ』の法衣を身に纏う。
制服に着替え終わったジャンヌ様が近づいてくる。
「ちょっと一郎、法衣ズレてる。ほら、直してあげるから」
「ああ、すいませんジャンヌ様」
「あんたね、いい加減、そのジャンヌ様の様付けるのやめてもらえないかしら?」
「え?なんでです?」
「他人じゃ無いって言ってんのよ、私とあんたは」
「え~だっていつもいつも噛みついてくるじゃないですか美馬さん?僕らもう生まれ変わった赤の他人だって、そう言ってたの美馬さんじゃないですか?」
「赤の他人が、なんでこんなとこ泊まりにくるわけよ」
「王宮家出した、家出少女だからでしょお2人が?」
「その身も蓋も無い言い方やめてよね。ほら、直ったわよ」
「はい、ありがとうございます・・どうしました美馬さん?」
「1回だけ・・」
「えっ?」
「1回だけ・・キスしても良いよ」
「ええ!?・・誰に?『ペガ』に?」
「あんた馬鹿でしょ!このシチュエーションで、なんでそうなるのよ?」
「だって、ハート様いるでしょあなた?」
「今は・・ハート様も、お姉ちゃんも見てないし・・」
「いや、ちょっと・・」
「この意気地なし!」
「すいません。無理ですよ、僕、そんな度胸無いんです(チュ)うっ・・」
「ルナお姉様とハート様には・・内緒なんだからね」
「・・はい」
「(だっだっだ)お父様~。ドモフルンリンクルってなに~?『ユニ』に教えてよ~」
「(だっだっだ)パパ~。桜を見る会って、毎日やってるの~?『ペガ』に教えてよ~」
「『ユニ』、『ペガ』、それはだな」
「ちょっと一郎、あんたの作った『小学校』。ちょっとおかしいんじゃないの!」
「僕の部下が作った立派な『小学校』ですって。年齢基礎化粧品なんて、社会の常識じゃ無いですか美馬さん。『ユニ』も『ペガ』も、もう自分のお名前だって書けるもんな?」
「はいお父様。『ユニ』のお名前、『鈴木ユニコーン』だよね?もうちゃんと鈴木って字も書けるようになったよ、偉いでしょ?」
「パパ、パパ~。『ペガ』のお名前、『鈴木ペガサス』だよね?『ペガ』もちゃんと鈴木って書けるんだよ。偉いでしょ?」
「偉いぞ『ユニ』、『ペガ』。昨日は名前だけ覚えたのかと思ってたけど、ちゃんと名字も書けるようになってたんだな、良い子だ。鈴木の木の字が特に重要だから全集中、天馬の呼吸で、木の字の4画目を魂を込めてはらうんだぞ、良いな2人とも?」
「(2人)はいお父様」
「ちょっとスズキ様。『ユニコーン』ちゃんはダルク家の子供なのです。勝手に鈴木を名乗らせないで欲しいのです!」
「馬鹿でしょ一郎!『ペガサス』ちゃんの親権は私のものなんだからね!勝手に鈴木家の子にするんじゃないわよ!」
「ダメですってお2人とも。『ユニ』と『ペガ』の親権は、もう僕のものですって」
「何を言っておられるのですかスズキ様。この前まで、わたくしとジャンヌに『ユニコーン』ちゃんの子守を押し付けようとされていたのは、どなたですか!」
「『ユニ』の立派な角を見て気が変わったんです。こんな立派な角、毎日さすりたいじゃないですか~(さすさす)」
「きゃん!お父様・・優しく触って・・」
「何をお触りしているのですかスズキ様。『ユニコーン』ちゃんの角を触って良いのは、お母さんだけなのです!」
「なんでお母様は良くて、お父さんはダメなんですか~。じゃあ『ペガ』のお尻を(さわさわ)」
「きゃ!パパのエッチ~」
「この変態が!『ペガサス』ちゃんのぷりぷりのお尻を触って良いのは、ママだけなんだから触んないでよ!」
「だからなんでママは良くて、パパはダメなんですか」
「(二聖女)良いわけないでしょ!」
その後ルナお母様とジャンヌお母様にお説教をくらい、朝からオルレアン二聖女直々に『西洋教会』の倫理憲章を復唱させられる異教徒のお父さん。
天から遣わされた、神の世界の『聖獣』へ犯した変態容疑を通告される。
『ギルド本館第一タワー』の『小学校』へ向かうまで、『ユニ』と『ペガ』に触れる事を禁止される。
パパだっておてて繋いで学校に行きたいのに。
自宅マンションを出るや、『サンド』のお弁当を二聖女お母さんと子供たち4人に持たせたと同時に、エレベーターホールへ先に消えて行ってしまった。
「ああ!ちょっと待って。僕もエレベーター乗りますって」
「(二聖女)あなたは後で来なさい(ビュ・・)」
エレベーター 先に行かれて パパピエン。
副ギルド長、心の一句。
エレベーターで1人寂しく1階に降りる。
すでに4人の姿は、『ギルド本館第一タワー』の方へ小さくなるほど先へ行ってしまう。
走って後を追う。
空は厚く黒い雲に覆われている。円形の広場、噴水前を横切り、『ギルド本館第一タワー』の1階へ到着。
1階の自動販売機で、いつも通り『アイテムボックス』を『マドリード産』の薬草で満たす。
4人はきっと、10階のギルド長室に向かったはず。
サンダースパパと、娘姉妹に孫2人と感動の対面を果たしているに違いない。
自分は副ギルド長の仕事のため、一度1番窓口の方へ向かう。
4エルフの部下と、朝のミーティングを行って仕事の指示を出し、急ぎのクエストの決裁を行う。
その後ギルド長室へ向かうと、サンダース様が『ユニ』と『ペガ』を両手に抱えて抱っこして遊んでいた。
『小学校』へは、今日はじいじのサンダース様が連れて行ってくれるようだ。
制服姿の、今朝はちょっとご立腹中の二聖女様を、妖精『カーバンクル』の『転移』魔法のゲートで、エルミタージュ学院までお連れする。
今日は『オルレアンネバーランドリゾート』のプレオープンを予定していた日。
ここ2日ほど忙しかったので、ほぼすべての準備作業を、もっとも任せてはいけないはずのマリーゴールドさんに託してしまった。
もはや遊園地や宿泊施設、果ては女子寮『イブ』や男子寮『アダム』がどうなっているのかも分からない。
そういえば昨日、新王国『イングランド』の『ウェストミンスター寺院』での『戴冠式』と結婚式が行われていた際に、同時中継されていた結晶石の大型ビジョンやパブリックビューイングに気になるものが投影されていた。
時折オルレアンの『ネバーランド』が明日開園されるとのCMまで飛び出していたのは、何らかの悪意ある者の仕業であろうと、見て見ぬふりをしてしまっていたのだが・・。
『カーバンクル』の『転移』ゲートが、エルミタージュ学院の西門の前に開く。
「うわ!?なんだこの人だかり・・」
「スズキ様・・この状況は一体どうなっているのですか!」
「そうだよ一郎!全部あんたのせいでしょ、この訳分かんないくらい集まってる行列!」
「僕の・・せいです。『ネバーランド』の遊園地、今日プレオープンなんですよ」
「(二聖女)プレオープン!?」
「あら副長。万時準備は整っております。『四国同盟』の4大陸から、王族や貴族のみなさんを中心に『転移結晶』を通ってこんなにたくさんの人が集まっちゃいました」
「マリーゴールドさん」
「あら副長、また聖女様のお2人と・・ふふ。仲がよろしいのですね。ねえ副長、どちらか1人で結構ですので、聖女様の叫ぶ声が私、一度で良いので聞いてみたくて(ビシッ!)」
「ああ~!!」
「あんたの下品な叫び声じゃ無いのよ!(ビシッ!)」
「ああ~!!」
「キャ!スズキ様、怖いのです!(ササッ)」
「一郎、この人おかしいよ!ムチ持ってるよ!(ササッ)」
「お2人とも、僕の後ろに隠れてて下さい。ちょっとマリーゴールドさん、ムチの使用は最低限でお願いしますよ。それに女の子は絶対ダメですからね」
「あら・・ふふ、かしこまりました副長」
「ちゃんとスズキ様の言う事は聞いているのです・・」
「ちょっと一郎。なんであのエルフ、あんたの言う事は素直に聞いてんのよ?」
「まあまあ美馬さん、部下なんですから、上司の命令は絶対ですって」
「なんであんな部下がいるのかが分かんないのよ!おかしいよ!」
「まあまあ。ところでマリーゴールドさん、列がオルレアン市場まで伸びてますんで、開園時間早めます?たしか昨日の報告書では、今日は9時開園予定でしたよね?」
「はい副長。クエストを発注しておいて正解でした。あと15分で8時になりますので、8時に開園でいかがでしょうか?」
「それで行きましょう。それでは、『ファストパス』に関しては、金貨1枚からお願いします」
「かしこまりました。わたくしのしもべ達に指示しておきます」
「しもべ・・スズキ様、後でお話があるのです」
「一郎、私もたくさん聞きたい事があるんですけど」
「あら副長。尋問でしたら、わたくしがお手伝い致しますよ(ビシッ!)」
「ああ~!!姐さん、何でもお話致します」
「あんたに聞いてんじゃ無いわよ!(ビシッ!)」
「ああ~!!」
「・・それではマリーゴールドさん。初日の収支報告書は、完了次第ギルドへ提出しておいて下さい。初日の売り上げで、今後の各省庁への予算配分を決めたいと思いますので。『ネバーランド』には期待してます、事故が無いように今日1日運営をお願いします」
「はい副長。万事準備は整っておりますので・・さあ、副長の指示が出たわよ。あんたたち、さっさと歩きな!(ビシシッ!!)」
「(しもべの皆さん)ああ~!!」
マリーゴールドさんを恐れる二聖女の手を引き連れて、エルミタージュ学院の正門から講堂へと避難する。
8時の時計が鳴ると同時に、西門の『オルレアンネバーランドリゾート』のある方向から花火が打ちあがる。
あいにくの曇り空にもかかわらず、王族や貴族を中心にヒューマンたちがたくさん集まっている。
遊園地という体験した事が無い遊具や食堂の施設の数々に夢を膨らませて、開園した園内は盛り上がりを見せているに違いない。
並んで歩くジャンヌ様から鋭いツッコミが入る。
「一郎・・前々から気になってたんだけど、このネバーランドって名前・・どうせあんたの事だから、アメリカのマイケルが作ったヤバい方のネバーランドって言いたいんでしょ?」
「さすが美馬さん、分かってる。マイケルは僕ら世代のヒーローですからね」
「世代言うな、世代。そんな古い遊園地、私の故郷に造らないでもらえます?」
「何言ってるんですか美馬さん。ちゃんと今度お誘いしますから」
「本当?嬉しい!」
エルミタージュの講堂前の掲示板周辺では、今日から開園となった『オルレアンネバーランドリゾート』の日々更新されるアルバイトクエストがたくさん貼り付けられていた。
1時間で終わるポップコーン売り場や、夜のパレードクエスト、花火を作成する技術系スキルが参加要件のクエストなど、『ネバーランド』関連のクエストがたくさん掲示板に出される。
ギルドカードを持った、冒険者でもある学院生たちが、ギルドカードにバーコードのような読み取り機能がある事から、自分の好みのクエストを次々と受注している様子。
この分だと、『ギルド本館第一タワー』でも、『ネバーランド』関連のクエストが大量に出ている事だろう。
昨日のマリーゴールドさんの報告書の通り、今日はギルドも大忙しの一日だろう。
1時間目はサラ先生の授業をチョイス。
参加するだけで単位がもらえる、ステータスオール1の私に必須の授業。
ルナ様とジャンヌ様も同じ授業に参加、エリスも合流し、3人の女子は大教室の1列目へ。自分は一番後ろのジョン大臣の待つ席へいつも通り座り授業を受ける。
1時間目が終了し、単位を無事にゲット。
1時間目の授業が終了し、そのままこの大教室では、2時間目にミューラ先生の授業が行われる。休憩時間中に、二聖女とエリスの3人が近寄ってくる。
「やっほ~イチロウ君。次のミューラ先生の授業のテスト、準備大丈夫でしょうね?」
「えっ?なにそれ?」
「あちゃ~ほらルナ様、私の言った通りでしょ?イチロウ君、テストの存在すら忘れてますよ」
「スズキ様・・本当にわたくしと一緒に卒業する気があるのですかあなたは?」
「一郎、ギルドカード早く出して。メモ、チェックしといてあげる」
「ええ~テスト今日でしたっけ?前回立たされて、足が痛かった記憶しか残ってないんですけど」
「(ピコッ)馬鹿でしょあんた!今日のテストは2問出るのに、水の国『ベネチア』の世界遺産『グレートバリアリーフ』しかメモして無いじゃないのよあんた!しかも何、この2つ目の『大田胃散』って!わたしにしか伝わらない胃薬の名前なんてメモして、一体なんの役に立つのよ馬鹿!」
「あれ、おかしいな・・ジョン君、2問目の解答は?」
「馬鹿だろ銀等級。雷の国『イングランド』の『世界遺産』、『ウェストミンスター寺院』だよ。昨日聖女アイリス様が結婚式やった場所だろ?」
「凄いなジョン君、さすが『ベネチア』の大臣」
「別に大臣じゃ無くても楽勝だぜこんな問題。ほら、もうテスト始まるから、さっさとメモしとけって」
「助かったよジョン君」
「ちょっとイチロウ君。ルナ様は大丈夫っておっしゃられて、あなたの事信用してたけど。私が絶対忘れてるって進言したからここに来たんです。良かったでしょ、私が教えてあげて?」
「本当助かったよエリス。危うく単位落とすとこだったよ、今度何かおごるから」
「はいはい、期待しておきましゅう。よろしいですかルナ様、イチロウ君のプレゼント、私が受け取っても?」
「どうしてわたくしの許可が必要なのですかエリスは・・1つだけ許可するのです。たくさんはダメなのです」
「だそうよ、イチロウ君」
「分かったよエリス。今度『ネバーランド』でなんかおごるから」
「スズキ様・・遊園地は・・わたくしは誘ってはくれないのですか?」
「そうだよ一郎。私とルナ姉より先に、何でエリスさん誘おうとしてんのよあんたは。おかしいよ」
「えっ?だって(ムググッ)うぐっ!?」
「あはは、本当イチロウ君は馬鹿なんだから。あらいけない、もうすぐミューラ先生来ちゃいますよ。さあルナ様、ジャンヌ様。お早く席にお戻りにならないと」
「・・なんだかエリスは怪しいのです」
「一郎に気安く触ってるし、なんだかおかしいよ!」
(キ~ンコ~ンカ~ンコ~ン)
「あっ」
「ジャンヌ、早く席に戻るのです」
「分かったよルナお姉様。一郎、あんた、後で覚えときなさいよ」
「はいみんな、おはよう」
「(教室の生徒)先生、おはようございます」
「それでは今日はテストを行います。それじゃあ、このテスト用紙を、前の人から順番に後ろに配っていってね」
ミューラ先生がテスト用紙を、たばにして一番前の席の人に渡す。
一番前の席の人は、自分の後ろの人に順番に紙を次々と渡していく。
一番後ろの席に座る自分にも、テスト用紙が配布されてくる。
良かった。
ついに手書きだったかつての問題用紙から、『輪転機』のコピー機で刷られた紙に問題が印字されている。
ミューラ先生は、これからテストをするたびに、手書きでテストを作らなくても良くなり、安心する。
いつも通り、テスト問題が前方の黒板に表示される。
第一問は『ベネチア』の『世界遺産』の名前。
第二問は、『イングランド』で昨日結婚式が行われた『世界遺産』の名前。
自分のギルドカードのメモ機能を起動。
メモには、『グレートバリアリーフ』と『大田胃散』、そして最後に『ウェストミンスター寺院』がメモされていた。
危うく『大田胃散』を間違ってメモから転記しかけたが、直前に間違いに気づき、ちゃんと『ウェストミンスター寺院』を筆記する。
落ち着いて対処すればできる子スズキイチロウ。
『ユニ』の角と『ペガ』のお尻を毎日触るため、父親としての威厳は欠かせない。
ここでしくじって、単位を逃す事など許されない。
お母様からこっぴどく叱られるのは必然、全集中だ、スズキ。
ゆっくり慎重にテスト用紙に記入。
すぐにテストは終了し、テストの解答用紙を前方の前の席へ戻していく。
一番前の席の人に集まった、その列のテスト用紙をミューラ先生が横に移動しながらすべて回収。
しばらく目視ですべての解答用紙を教壇の席で確認している。
ちょっとドキドキ、間違って記入はしていない・・はず。
「・・はい、全員オッケー!安心したわ」
安心?
「それでは、今日は『水のクリスタル』が浄化された話から講義を始めます。先日闇に染まりつつあった『水のクリスタル』ですが・・」
ミューラ先生が、先日の『水のクリスタル』浄化の一件を教室内の生徒に講義している。
自分たちが昨日行った行動。
こうして教壇で学院生に歴史のように説明する姿を客観的に見ていると、自分の今やっている事は、このオルレアンの歴史の1ページになっているんだと率直に感じる。
ミューラ先生の2時間目の授業が終了。
3時間目は、ジョンは国家統率についてという座学へ向かう。
ルナ様、ジャンヌ様、エリスは、なにやら行先を隠したまま、そそくさと消えてしまった。
自分は毎度同じく、ガイア師匠のお笑いの授業へ向かう。
ガイア師匠のいる、エルミタージュ学院内の煙突小屋へ向かう。
3時間目は非番というミューラと合流。
そのままガイア師匠の小屋へ入り、3名でお昼から行われる予定の『火のクリスタル』浄化作戦について打ち合わせを行う。
ガイア師匠も朝、『ギルド本館』の10階ギルド長室に寄られたらしい。
すでに今日の13時より『マドリード』で、『火のクリスタル』浄化作戦のクエストが、セバスさんによって立案されている事を聞く。
やり方は、やはり『水のクリスタル』を浄化したやり方と同じようだ。
3時間目が終了。
エリスと別れた二聖女と、講堂前で合流。
妖精『カーバンクル』の『転移』魔法で、『ギルド本館』10階ギルド長室に直行する。
『火のクリスタル』浄化クエストの打ち合わせを行い、6階の『小学校』フロアで『ユニコーン』と『ペガサス』のお迎えを済ませる。
続いて4階『産婦人科』フロアにいる、『光のクリスタルの使徒』アイリスと、『雷のクリスタルの使徒』ハルトのいる場所へ向かう。
今回の『火のクリスタル』浄化クエストには、シャルル女王陛下は帯同しないとの事。
よほどギルドを信用しての行動とみられる。
必ず成功するクエスト、誰もが信じて疑わない。
妖精『カーバンクル』の『転移』魔法で、一同が『マドリード』の『火のクリスタル』がある、火力動力炉『テムジン』へと移動を開始する。
『マドリード』にある火力動力炉『テムジン』前に到着。
一度、諸刃との死闘を繰り広げた場所、『転移』魔法のゲートが有効に発動した。
今回この場に集まったのは、『クリスタルの使徒』である聖女アイリス、ライン=ハルト、ルナ様、『ユニコーン』、ジャンヌ様、『ペガサス』、ガイア師匠、ミューラと自分。そしてセバスさんも帯同してくれる。
すでに『テムジン』の前に集まっていたのが、『マドリード』のサム国王。
そして『ベネチア』側からアクア王女、キグナス将軍、ジョン大臣、サラ先生がいる。
すでに『火のクリスタル』が、火力動力炉『テムジン』と分断されているのだろう。
クリスタルは外に出された状態で台座に浮いていた。
火力動力炉『テムジン』の動力源でもある『火のクリスタル』。
先日の神化したルナ様とミューラの合体技『竜聖斬』によって、闇の浸食が食い止められてはいたが、やはり『水のクリスタル』同様、闇にむしばまれつつある様子。
その証拠に、クリスタルの結晶石は、上から下にかけて、その3分の2の上部が黒くすさんでいるようだった。
『火のクリスタル』浄化クエストが急がれる状況だったのは、想像にかたくない。
今回のクエストでは、ある実験も兼ねる予定がある。
それは、『三種の神器』のみで『クリスタル』を浄化出来るかといったもの。
『上位昇進』無しにクリスタルを闇から浄化するほどの力を発する事が出来れば、今後の『ヘルヘイム』帝国との戦いで、軍師セバスさんの作戦の幅が大きく広がる事は間違いない。
もっとも、身重のアイリスに負担はかけられない。
さっそく『火のクリスタル』浄化クエストを開始する一行。
まず聖女ルナが、天に向けて聖杖『デュランダル』を掲げる。
聖女ジャンヌも同じく、天に向けて聖剣『エクスカリバー』を掲げる。
最後に、両脇に双子姉妹が天に神器をかかげるのを見届けた母、聖女アイリスも、聖杯『カリス』を天にかかげる。
(ピカァァァーー!!)
「うわ!」
「『三種の神器』が光ってる!」
「みんなのクリスタルのかけらが輝いてる!」
『三種の神器』が光輝くと同時に、『クリスタルの使徒』たちの首から下げる『クリスタルのかけら』が虹色に輝き、虹色の光が『三種の神器』に集まる。
どうやら『クリスタルの使徒』が揃い、『三種の神器』が揃っていれば、先日の虹色の奇跡を三聖女が起こす事は可能なようだ。
三聖女が魔法の言葉を叫ぶ。
「虹色の螺旋!!」
(ピカァァァーー!!)
火・水・風・土・雷・光、そして無のクリスタルのかけらから光が集まると同時に、三聖女が『虹色の螺旋』と呼ばれる魔法の言葉を唱えると、『三種の神器』が共鳴し、虹色の光が『火のクリスタル』に降り注ぐ。
先日の『水のクリスタル』浄化の際は、ルナ様とジャンヌ様が神化し、大天使である女神アルテミスと女神アテナになっていた影響だろうか、今回は先日ほどの大きな光には達していないように見える。
それでも『三種の神器』から放たれる虹色の光は、黒く染まるクリスタルの結晶石の周りから『クリスタル』を包み込むと、次第に黒い闇の浸食が徐々に、ワインレッドの光の波紋へと変わっていく。
『水の神殿』の周りに集まっていた『マドリード』の兵士たちからも大歓声が起こる。
「(兵士たち)『火のクリスタル』様の闇が取り払われていくぞーー!」
「(兵士たち)オルレアンの三聖女様が、我々の『火のクリスタル』をお救いしてくれたぞ!!」
歓声が沸き起こる中、虹色の光は、『火のクリスタル』を侵食する闇を浄化しながら、ついにはその中心部まで浄化しきる。
結晶石の最深部まで染めていた闇が無くなると同時に、『火のクリスタル』が激しく赤い光を発光する。
(ピカァ!)
「まぶしい!」
『火のクリスタル』が浄化された。その結果に誰もが歓声を上げ、闇に勝利したと思った次の瞬間・・朝からどんよりとしていた曇り空がさらに黒くなり、地面に突然、紫色の魔法陣が描かれる。 黒い何かが、いくつも魔法陣から出現する。
「(兵士たち)なにやつ!!」
「(兵士たち)構えーー!!」
紫色の魔法陣から、こちら側の最も前面に1人の大人のヒューマンと思われる美女が飛び出してくる。
辺りは太陽の光が無く、厚い雲が太陽の光をさえぎる。
『火のクリスタル』を背中に、『マドリード』の兵士たちと共に、『クリスタルの使徒』たちも構える。
その女が、何やら口元で口ずさんでいる。
「『魅惑のシャドウ』・・」
「霧が・・」
紫色の魔法陣から飛び出してきた絶世の美女が、『魅惑のシャドウ』と唱えると、あたりに白い霧が発生する。
自分の背中から、誰かが近づいてくる音がする。
「・・か~っかっか・・死ねい小僧!(ビュ!)」
「危ないスズキ君(カチン!)」
「うわ!ミューラが僕を守って・・ガイア師匠、どうされたんですか!?」
「スズキ君、ガイア様の様子がおかしいわ。これは・・『幻惑』に取りつかれてる」
「『幻惑』?あの女のせいなのか・・」
おかしい。
周りにいた、男の兵士たちが同士討ちを始めている。
『ベネチア』のキグナス将軍まで、事もあろうにアクア王女に切りかかるや、アクア王女の傍で警護していたサラ先生が防御に入る。
男性のキグナス将軍は、焦点の定まらない目で、明らかに様子がおかしい。
「あら坊や・・男の子のあなたが、私の『魅惑のシャドウ』に取りつかれないなんて・・変ね・・」
「『魅惑のシャドウ』・・やっぱりお前がみんなを!」
「さあ『メデューサ』、仲間割れしてる間に、さっさとやっておしまい」
「(シュン!)私に命令しないでもらえるかしら『セイレーン』?さあ坊や、この『メデューサ』の『石化の目』からは、あなたは逃れられないわよ(ピカァ!)」
「スズキ様!」
「一郎、あいつの目を見ちゃダメ!」
「え?」
「『石化の目』・・(キラン!)」
「(二聖女)キャーー!!」
「ルナ様、ジャンヌ様!?足が・・石になってく・・」
『メデューサ』と呼ばれる敵の女が『石化の目』と唱えてこちらを見てくる。
目が合いそうになったその瞬間、ルナ様とジャンヌ様が自分の前面に立って視線を塞いでくれる。
その瞬間、2人の足が・・徐々に下から上へと石になっていく。石化の進行が止まらない。
「『光属性』の二聖女が石になってく・・そんな、そんな!?なんでだよ2人とも、僕なんかどうだって良かっただろ!」
「スズキ様・・(ピキキキ)」
「ルナ様!?僕はあなたの親衛隊なのに、なんであなたに守られないといけないんですか!?どうすれば、どうすれば・・」
「(ピキキキ)スズキ様・・もう石化は止められそうにございません・・わたくしも・・ジャック様と同じ天国へ・・『ユニコーン』ちゃんの事、お願い致します・・」
「そんな、嫌だ、ルナ!」
ルナの体の下半身が完全に石になってしまった。
石化の進行はなお上半身へと進行を止めない。
石化していくルナ様とジャンヌ様は動けない。
二聖女が手に持っていたそれぞれの神器と武器を地面に手放す。
二聖女の背中にいた自分は、2人の前に出て向かい合う。
2人とも・・泣いている・・。
「(ピキキキ)スズキ様・・最後に・・お伝えしたい事が・・」
「ああ、ルナ・・どうしよう、どうすれば・・」
「わたくし・・『フレンド登録』・・エリスにお願いして・・どうしても・・わたくしもスズキ様と一緒に・・なりたくて・・」
「ルナ様・・どうして、どうして・・」
「あなたの事が・・す・・(ピキキキキ・・)」
「ルナ様ーー!!」
ルナ様の全身が・・完全に・・何も語らない・・石像になってしまった。
石像になったルナ様の両肩を、両手で触ると・・冷たい・・ただの、石像になってしまっていた。
すぐ近くにいたジャンヌ様も、こちらへかすれるような声で話しかけてくる。
「一郎・・わたし・・もうダメかも・・『ペガサス』ちゃんの事・・お願い・・(ピキキキ)」
「マミ!僕を置いて、また消えないでくれよ!嫌なんだよ、もうマミを失うのが。ルナ様もマミも2人いっぺんに消えたら、これから・・どうやって生きていけば・・」
「あのね・・一郎」
「マミ・・」
「わたしね(ピキキキ)」
「うん・・」
「一郎にもう一度会えて・・嬉しかったよ(ピキキキキ・・・)」
「マミーー!!」
「(2人)お母様ーー!!」
二聖女が石化する直前に、ようやく駆けつけた『ユニ』と『ペガ』。
無情にも会話をする時間も無く、2人の子供の目の前で、二聖女の母は石像となってしまった。
「(シュン!)この瞬間を待っておりました」
「え?」
紫色の魔法陣が、ルナ様とジャンヌ様の近くにいた自分と『ユニ』、『ペガ』の目の前に出現する。
魔法陣から、背中に黒い羽根の生えたコウモリのような魔物の男が出現する。
見覚えのある・・魔族とか言っていたやつだ。
「トットバット!?」
「『闇暴風』!!」
「(3人)うわーー!!」
「キャーー!!」
自分と『ユニ』、『ペガ』。
そして自分を『魅惑のシャドウ』に取りつかれたガイア師匠の攻撃から守ってくれていたミューラの4名が、『トットバット』の魔法によって弾き飛ばされる。
そのすぐ後、突然『トットバット』の近くで、もう1つの影が地面に浮かび上がる紫色の魔法陣から飛び出してくる。
「(シュン!)回収~回収~」
「『フックバック』、『ツインタワー』の動力源が確保できましたな」
「うう・・動力源?・・お前たち、ルナ様とジャンヌ様に触るな!」
「おやおや、『無のクリスタルの使徒』様。こちらの二聖女様は、『ツインタワー』の『パワードタワー』と『マジックタワー』の動力源として、その魔力をタワーに供給していただきます。永遠に」
「永遠にって・・ふざけるな!!」
「それでは二聖女様を『ツインタワー』の動力装置へ。行きますよ『フックバック』」
「お持ち帰り~お持ち帰り~・・うわ!『三種の神器』!?『クリスタルのかけら』!!怖いよ怖いよ~(ポイッ!・・カラン カラン)帰る~帰る~(シュン!)」
「ルナ様とジャンヌ様が・・待ちなさい!『炎の矢』!!」
「おっと、怖い怖い(シュン!)」
「私の『魅惑のシャドウ』が効かないなんて・・このドワーフのおじさんだけ連れて帰りましょう・・あら、『土のクリスタルのかけら』、こんな危険な物、持って帰れないじゃない(ポイッ カラン カラン・・)『メデューサ』、後は任せます(シュン!)」
「『セイレーン』、私に勝手に押し付けないでよ(シュン!)」
最悪の事態が起こってしまった。
『火のクリスタル』の浄化は成功。
完全に浄化され、『火のクリスタル』の加護が強まったはず・・。
この『マドリード』において、突然の魔族4体の襲撃。
大事な二聖女、ルナ様とジャンヌ様が石化され、魔法陣によってどこかへ連れ去られてしまった。
どんよりとした雲から、1粒1粒と、雨が地面に落ちてくる。
二聖女が連れ去られ、呆然と立ち尽くす残された『クリスタルの使徒』たち。
無情の雨が、光の戦士たちに打ち付ける。
第7章 <空駆ける天馬> ~完~
【第7章 登場人物】
《主人公 スズキイチロウ》オルレアン連合ギルド所属銀等級冒険者にしてオルレアン連合ギルド副ギルド長に就任。オリジナルスキルで異世界を駆け抜ける。
《マミフレナ=アイリス=ダルク》
『光属性』を持つ聖女の1人。『光のクリスタル』の使徒。石化から復活。エルミタージュ85期生にして、主人公の同級生。ライン=ハルトと再会、『ウェストミンスター寺院』にて夫婦となる。現在ゆえあって妊娠中。
《マミフレナ=ルナ=ダルク》
『光属性』『水属性』を持つ聖女の1人。『水のクリスタル』の使徒。性格は母似、草食系、思春期。主人公の嫁にそっくり。双子姉妹の長女。
《ユニコーン》
聖女ルナの抱くタマゴちゃんから孵化した『聖獣』。聖女ルナをお母様と呼ぶ。両性の女性寄り、草食系。主人公であるお父様大好き。
《マミフレナ=ジャンヌ=ダルク》
『光属性』『風属性』を持つ聖女の1人。性格は父似、肉食系、パパ大好き。主人公の嫁にそっくり。双子姉妹の次女。前世は主人公の妻、旧姓『美馬真美』。
《ペガサス》
聖女ジャンヌの抱くタマゴちゃんから孵化した『聖獣』。聖女ジャンヌをママと呼ぶ。両性の男性寄り、肉食系。主人公であるパパ大好き。
《ライン=ハルト》
16年前から聖女アイリスの許嫁。元闇の黒装束、刹那を名乗る。主人公と兄弟の絆で結ばれる。新王国『イングランド』の『アーサー王7世』に就任。真の『雷のクリスタル』の使徒。
《アンドロメダ》
元闇の黒装束、円華の生まれ変わり。ライン=ハルトを天国から見守る、生まれ変わった光の天使。
《ジャック=ハート》
『雷属性』の騎士。『トロント』王国、ケンブリッジ王立学院からの留学生にしてハート家伯爵。聖女ルナの許嫁。ライン=ハートの兄。主人公と兄弟の絆で結ばれる。アーサー王6世こと奈落の策略により、現在は石像にされてしまう。
《ライン=ハート》
『雷属性の騎士』『トロント』王国、ケンブリッジ王立学院からの留学生にしてハート家伯爵。聖女ジャンヌの許嫁。ジャック=ハートの弟。主人公と兄弟の絆で結ばれる。新王国『イングランド』の大将軍に就任。
《シャルル=ドゴール女王陛下》
オルレアン王国女王にして、シャルル7世襲名。絶対的な権力を持ちながら卓越した統治により、オルレアン全国民・兵士より絶大な信用を得ている。
《シャトレーゼ》
シャルル=ドゴール女王陛下の1人娘。普段は王宮内の部屋に閉じこもる。聖女ルナと親しい間柄。
《ジェフ=ジョン》
『水属性』のブロンズ冒険者にしてエルミタージュ学院100期生。ルナ様親衛隊『月の雫』のメンバー。『ベネチア』の大将軍、キグナス将軍の一人娘にみそめられ、『ベネチア』の大臣に就任。
《クラウド=エリス》
『水属性』のブロンズ冒険者にしてエルミタージュ学院100期生。ルナ様親衛隊『月の雫』のメンバーにして、85期生クラウドの実娘。
《クラウド》
『火属性』の戦士。『炎の鎧』『炎の盾』を持つ。エルミタージュ学院85期の卒業生にして、主人公の同級生。エリスのパパ。
《ミューラ》
『火属性』のエルフ。『火のクリスタル』の使徒。王立学院エルミタージュの教師にして、オルレアン連合ギルド所属の銀等級冒険者。主人公の第1村人。心優しきエルフ。『火炎竜』を操る。
《セントルイス》
王立学院エルミタージュ学院長。ミューラ先生を寵愛する謎の人物。
《ガイア》
『土属性』のドワーフ。『土のクリスタル』の使徒。銀等級冒険者。主人公の師匠。スキル『高等精錬』の使い手。
《ガイアの妻》
不思議なスキルを操る霊長類最強女子。
《サンダース》
『雷属性』オルレアン連合ギルド長にして、金等級冒険者の武闘家。通称「セガール」、双子姉妹のパパ。
《セバス》
『火属性』のエルフ。オルレアン連合副ギルド長にして、ミューラの実兄。独特の話し方が特徴。
《アクア=マリン王女》
死別した両親の第一王女にして王位継承権第一順位の立場。『ベネチア』のトップ。
《サム国王》
『マドリード』王国国王。サム7世を襲名。『ベネチア』とは長年の同盟関係。アクア王女に頭が上がらない。
《キグナス将軍》
『ベネチア』王宮兵士団の将軍。アクア王女の両親にも仕えていた老兵。ダルク家の過去を知る人物。
《キグナス=メイ》
ジェフ=ジョンに一目ぼれ、はれて夫婦となる。同じ名前のキグナス将軍の1人娘。
《サラ》
『水属性』のエルフ。ミューラとは姉妹の妹以外に情報が無い、謎の女性。『水青竜』を操る。
《ボルテッカー》
『トロント』ギルド長。ハート家兄弟と親しい関係。
《サリー》
オルレアン連合ギルド1番窓口受付嬢のエルフ。農林水産省を担当、オルレアンの食料問題改善に取り組む。副ギルド長の主人公の部下5エルフの1名
《リンダ》
オルレアン連合ギルド2番窓口受付嬢のエルフ。サバサバした口調のお姉さん肌。大蔵省を担当、連合ギルドの金庫番。副ギルド長の主人公の部下5エルフの1名
《エミリー》
オルレアン連合ギルド3番窓口受付嬢のエルフ。淡々とした口調。文部省を担当、謎の小学校を開校、その成否はいかに・・。副ギルド長の主人公の部下5エルフの1名
《ダリア》
元『ベネチア』ギルドの窓口受付担当のエルフ。厚生省を担当。聖女アイリスの突然の妊娠に対応、仕事の出来る頼れるエルフ。副ギルド長の主人公の部下5エルフの1名。
《グランブルー》
エルフ、ダリアの1人娘。『ユニコーン』と『ペガサス』の遊び友達。
《マリーゴールド》
『ラスベガス』カジノの『カジノディーラー』。16年前のアーサー王6世の素顔を知るエルフ。現在は副ギルド長である主人公の部下5エルフの1名。
《マーガレット》
エルフ、マリーゴールドの1人娘。『ユニコーン』と『ペガサス』の遊び友達。その出生は謎に包まれている。
《邪神 タルタロス》
元奈落。策略により皇帝陛下『ハーデス』を吸収後、自身を邪神タルタロスと名乗る。
《トットバット》
コウモリ姿の魔族。闇の力を操る。
《フックバック》
ゴブリン姿の魔族。トットバットと常に行動を共にする。
《セイレーン》
ヒューマンの姿をした絶世の美女の魔族。男を惑わす不思議な闇の力を使う。
《メデューサ》
ヒューマンの姿をした絶世の美女の魔族。相手を石化させる不思議な目を持つ。




