転生人子(てんせいじんご)~エピローグ~
~エピローグ~
「・・・大丈夫?」
地面に仰向けに横たわる、体が痛い、動かない。
頭に枕のような感触、人のぬくもりがする、甘い香り、温かい。
うっすら目を開けると、心配そうにのぞき込む女の子の顔が浮かんできた。
~転生人子~
「(プルプルプル)」
2020年10月 日曜日の夜 東京
スマホの音に気づき電話に出る。
「もしもし、父さん?」
実家からの電話だ。
「また帰省の話?2人で?」
もうすぐ40歳、男バツ1。
嫁とは上手くいかず、今は離婚協議中・・。
「うん、聞いてはみるけど、多分行かないって言うと思うよ・・」
実家から電話、いつもの親父のおせっかい。
子供が小さい頃は、よく家族3人で帰省してた、今では良い思い出。
帰省する度に親父は子供にべったり、幸せだったな・・あの頃は・・。
「(電話うるさい!仕事探して、仕事!!)」
隣の部屋から声が聞こえる、今日も機嫌が悪いらしい。
先週仕事をクビになり、子供に言い返す事もできない、無様なものだ。
「悪い父さん、もう遅いから切るね」
実家との電話を終える。おもむろに冷蔵庫へ、扉を開ける。
「あっ、無い・・」
毎朝子供が飲んでる牛乳、昼間スーパー行ったのに買い忘れてた。
思春期と反抗期の同時到来、他に選択肢は無い。机の上にある財布をポケットに入れる。3千円くらい入ってたかな、明日の朝食べるパンでもついでに買ってこよう。
「行ってきま~す」
子供の部屋から返事は無い。
自宅のマンションから一番近いコンビニを目指す。
エレベーターで1階へ、エントランスを抜けマンションの外へ出る。
振り返ると、夜中に光り輝く我が城。
ローンはあと20年近く残ってる、払い終わるまでに、きっと宝くじが当たってローンを完済しているに違いない。
交差点で信号待ち、横断歩道の向こう側にあるコンビニを目指す。コンビニの看板は今日も緑色に輝いている。
「危なーい!!」
「逃げてーー!!!」
(キキィィィィィーーーーー!!!)
え?




