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ストレスカプセル

作者: N(えぬ)
掲載日:2020/06/01

 BARのカウンター席に座る二人。

 冴子は翔平と交際して1年になる。だが翔平はちょっと浮気者。彼に近づく女も多い。

「昨日、あの女とまた会ってたでしょ!」

「ああ、ヒロシと飲みに行った店に偶然、あのコがいたんだよ」

「ウソばっかり。待ち合わせたんでしょ!」

 こんな会話が延々続き、それでも翔平を好きな自分がいる。いたたまれなくなった彼女は泣きたい気分に。彼女は席を立った。

 化粧室に飛び込んだ冴子は鏡の前に立つと後ろ髪を分けて首のボタンを押しストレスカプセルを取り出した。このカプセルには自分が受けたストレスが液化されて溜まる仕組みだ。強いストレスを受けるほど液の色は赤く、量も多い。彼女はカプセルを指先でつまみ睨みつけた。

「すごい真っ赤じゃない。量も一杯だし。本当、爆発寸前てとこね。危なかった」

 そう言うと水道の蛇口をひねり、カプセルを開いて溜まったストレスをすべて水に流した。

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