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お兄ちゃんのちょっと変わった趣味

「お兄ちゃんただいま~♪」


「琴音、お帰り」


 私の名前は小池琴音。運動がと~っても大好きな中学2年生の女の子です。部活はテニス部に入っていて、毎日楽しく取り組んでいます。


「ねぇお兄ちゃん。今日のお弁当どうだった?」


「あぁ、とってもうまかったぜ!」


 この人は小池智也。高校1年生で、私のお兄ちゃんなの。お兄ちゃんはとても優しくて、運動は私よりちょっぴり苦手だけど、勉強が出来て格好いい所や可愛い所がある素敵な人で、私はそんなお兄ちゃんがとても大好きなの♪


「やった~♪ 今日もお兄ちゃんに褒められた~♪ すっごく幸せ~♪」


「もう~、琴音は大袈裟だな」


 ちなみに両親は海外の方でお仕事をしていて、家では私とお兄ちゃんの2人暮らしで、家事全般は私が全てこなしているの♪


「え~、だってだって、お兄ちゃんに褒められるのは私にとって、世界で一番幸せなんだもん♪」


「えっ、そうなのか!? 琴音にそう言われて、兄ちゃんも嬉しいもんだぜ!」


「よかった♪ お兄ちゃんもそう思ってくれて♪ あっ、お兄ちゃん、今日の晩御飯はハンバーグだよ♪ 楽しみに待っててね~♪」


「本当か!? それは楽しみだぜ!」


 とまあこんな感じで、私とお兄ちゃんは家でとても楽しく過ごしているの。でも、お兄ちゃんにはちょっと変わった趣味を持っていて、私はその趣味をどうしても楽しく思えないの……。


「琴音。そろそろバターからの運命時間が始まるよ」


「本当!? 付けて付けて~♪」


「ほーい」


 お兄ちゃんは私の大好きな番組をしっかり覚えいる上に、声をかけてくれる優しさに、私は幸せで胸がいっぱいだったの。でも……。


(そろそろ来るね……)


『この番組は……の提供でお送りします』


「やっぱりこの提供クレジットは、キュンキュンするな~」


(はぁ~……。ま~たお兄ちゃんの変わった趣味が始まったよ~……)


 お兄ちゃんのちょっと変わった趣味、それは提供クレジットを見ることなの……。提供を見て、こんなにリアクションの取れるお兄ちゃんに対して、私にはどうも理解が出来ないの。


 お兄ちゃんは高校で、提供クレジット同好会という訳の分からない部を立ち上げ、現在顧問の先生とその同好会に入ったクラスメイトの計3人で活動しているみたいなの。正直、どんな活動をしているのかよく分からないけど。


「ねぇお兄ちゃん。そんなに提供クレジットって見てて楽しいの?」


 私は素朴な疑問をお兄ちゃんに聞いたの。


「うん。もちろん楽しいよ。色んな会社の組み合わせを見れるのがとても魅力的で、この会社を読み上げてくれたり、この会社が読み上げてくれなかったりするのもとても気になるし、どんな提供になるのか毎日が楽しみで仕方ないよ」


「ふ~ん、そうなんだ~……」


 私からお兄ちゃんに質問したのに、私は途中からお兄ちゃんの話に興味が無くなり、ほとんど聞き流していたの。(お兄ちゃんは趣味に対する熱量が凄すぎだよ~……)


「そういえば、提供ってそんなに変わったりするものなの?」


 私は再び、お兄ちゃんに質問をしたの。


「基本はあまり変わらないけど、番組の改編期とかクールごととかには変わったりするよ。ただ、一部のアニメとかは毎週変わったりするけど」


「へぇ~、そうなんだ」


 この話も途中からお兄ちゃんの話を私は聞き流していたの。とりあえず、提供が変わることがあるということは私には分かったの。


「ねぇお兄ちゃん。高校の学校生活は楽しい?」


 私はお兄ちゃんが高校の学校生活が楽しいのかどうか聞いたの。正直、お兄ちゃんが楽しい学校生活を送れているのか、心配でたまらなかったの。


「あぁ。とっても楽しいぜ! 特に部活とかはめちゃくちゃ楽しいぜ!」


「そっか♪ 良かった♪」


 私はお兄ちゃんが楽しい高校生活を送れていることが分かって、少しホッとしたの。部活も楽しいって言ってるみたいだし、良かった良かった♪


「ところでお兄ちゃん。そんなに部活楽しいの?」


 私はお兄ちゃんの作った部活が楽しいと聞いて、気になって再びお兄ちゃんに聞いたの。


「そりゃあもう楽しいよ。みんなで色んな提供を語り合えて共感したり、意見を出したりしてもう毎日が楽しくて幸せだぜ!」


「はは……。そうなんだ~……」


 お兄ちゃんのこの趣味に付いていける他の人たちの感覚が私には到底理解出来なかったの……。



「お兄ちゃん、ハンバーグが出来たよ~♪」


「おぉ、やったぜ!」


 無事にハンバーグが完成し、私とお兄ちゃんは一緒に食卓でご飯を食べたの。


「うん! うまい! やっぱり琴音の作る料理はいつもおいしいぜ!」


「本当!? お兄ちゃんありがとう♪」


 私はまたお兄ちゃんに褒められて、とても嬉しかったの♪(お兄ちゃんのそういうところ、私は大好きだよ♪)


「ねぇねぇ、お兄ちゃんの一番好きなものってなぁ~に?」


 私はドキドキしながら、お兄ちゃんに一番好きなものは何か、聞いてみたの。


「一番好きなものは、もちろん提供だぜ!」


「……」


 まあ何となくは予想はしてたけど、お兄ちゃんにとって、私なんか所詮提供以下なんだね! お兄ちゃんなんかふーんだ!


「あれ? 琴音、ひょっとして怒ってる?」


「怒ってないよ。フン!」


「おぉ……、そうか……」


(いや、怒ってるじゃん……。何で怒ってるの?)


 私はお兄ちゃんのことがとっても大好きだけど、お兄ちゃんのこの趣味だけはどうしても好きにはなれません。

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