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花守りの蝶  作者: 花言葉
決闘の約束
23/33

7

 そして、しばらく日数が過ぎ、決闘の日まで、日はほとんどなくなった。

「才我、がんばってね」

「はい」

 才我は、最終調整に入っていた。

「こうより、こうの方が」

 槍の持ち方もほとんど決まっていた。

「花様~」

 類が珍しく取り乱して、入ってくる。

「ここは、稽古場よ」

「わかっています。でも、風のうわさで聞いたのですが、花様は、才我を選ぶと約束してしまったとか」

「……なぜ、それを?」

「私の情報網をなめないでください。女官達が話を聞いていたらしいじゃないですか、どうなのです」

「あの、その、うん」

「えっ、本当なのですか?」

 類は、唖然とした顔で立っていた。

「花様、あなたは、筋肉質な男性がお好みでしたのですね」

「えっ?」

(そういうわけでもないけど……)


 ● 〇 ●


 その頃、花の父は、占い師と話していた。

「蝶制度には、花と蝶の相性があることをなぜ言わなかったのですか?」

「まあ、呪いって言うのは、完全ではない。ある程度好きには出来るが、花と蝶が呪いだけに流されることは、ないのですよ」

「花は、誰を選ぶ」

「それを言ったら、つまらないではありませんか」


 ● 〇 ●


「それじゃあ、花様は、なぜか才我にとても惹かれたのですね」

「ええ、でも、恋って理由が必要?」

「そうですね、蝶であると思い、意識し続けていて、急に恋になる可能性だって、無いわけではございません」

「だから、いいの」

(どうせ、類と陽太は、忘れるのだから)

 目の前の明るい類を失うのは、少しばかり悲しかった。

(でも、仕方がないのね)

 花は、少しばかりやるせない気持ちだった。

「でも、決闘は、全力で協力しますから、もしかして、気が変わってくれるかもしれませんしね」

 類は、明るくそう言い、いなくなった。


 ● 〇 ●


「才我、一つ忘れていたわ、決闘って、命を落とす可能性もあるって事」

「ああ」

「才我は、生きて、私の真名を聞くって約束を破ったりしないよね」

「はい」

 才我は、優しく笑った。

「ずっと、ずっと、一緒にいようね」

「うん」

 才我の目の色が変わった。


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