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その日の夜、奏太が訪ねてきた。
「奏太」
「花、最近、蝶とは、どうなんだ?」
「うまくいっているわ、でも、まだ一番が決まらない」
「そうか」
奏太は、悔しそうに言う。
「奏太こそ、好きな女の子とかいないの? 街の方の寺子屋では、女の子も勉強しているのでしょう」
「一応、好きな子は、いるんだ。その女の子は婚約者がいるから……」
「そっか、奏太も大変だね」
奏太は、ギュッと花を抱きしめた。
「何?」
「俺の好きな女の子の代わり」
「私で、満足なら少しだけ、こうしていても良いよ。奏太もその子の事を忘れたくて必死なのでしょう?」
「ああ」
「小さい頃は、良くギュッとしていたものね」
花は笑顔でそう言った。
「花様!」
乙が慌てている。
(?)
奏太は、乙に手をはたかれていた。
「乙さん、すいません」
「奏太! これだから、男は……、花様は、姫様なのですよ、気安く触れて良い方ではないのですよ!」
「でも、奏太は……」
「奏太だって男なのです。もう近寄らせませんわ」
「そっか、もう昔みたいには、いかないのね」
少し悔しくなった。みんなが変わって言っている事に。
小さなころと今では、すべてが変わってしまっていた。自由は元からなかったが、奏太の話を聞くのが好きだった。でも、奏太は、好きな女の子もいる男になった。奏太が女だったら、もっと一緒にいれたのかもしれない。しかし、いくら、乳兄弟と言えど、男なのだ。
(人間って難しい)
改めて、人間関係の難しさを思った。
(でも、奏太に好きな子が出来たって事は、私だって、きちんと人を好きになる年頃なのかもしれないわね)




