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しばらくして、刀助が謝りに来た。
「俺は、花様の体調不良にも気づかず、無理をさせてしまいました。本当にすみませんでした」
平謝りする刀助だった。
「ええっと……刀助は、私を愛していないんでしょう?」
「いいえ、愛しています」
「私が、体調を崩したのに気が付かなかったのに?」
「俺は、気が利かないので……」
刀助は、ふつふつと汗が浮いて来ている。
(これは、隠しているな)
「それなら、何か証拠を持って来て下さい」
「証拠ですか?」
「はい、私達が婚約した時に贈った物でも持っていらして、そうしたら認めてあげても良いですよ」
「それは……」
少し目が泳いだ。花は思った。五年も前の物を取っておくわけがないのだ。
(これで、私の勝ちね)
「一応、城に戻って探してきます。ただし、あったら、俺の想いが、本物の愛だと認めてくださいよ」
「はい」
(どうせないわよ)
花は、心の中で、余裕を感じていた。
乙の所へ向かい、刀助との約束を話したところ。
「それは、してはいけない約束でしたね」
「なぜ?」
「さすがに贈り物は、無いでしょうけど、婚約した時に書いた文はきっと残っていると思いますよ」
「えっ? 何で?」
「文は、管理している国もあるのです。何かの証拠や、大事な事が書かれている場合保管
の義務があるのです」
「それじゃあ、刀助は、婚約証明書で私を揺すれるのね」
「そうです。浅はかでしたね」
乙が残念そうにそう言った。
「どうしたらいいの? 私、刀助と結婚しなくちゃいけなくなるの?」
「内容的には、愛している証拠として持って来て欲しいと言ったのですよね? それなら、すぐに結婚なんて事はございません、ただ、こちらは、少しばかり不利になります」
「何で?」
「わざわざ、持ってこさせたと言うところが大きな痛手ですね」
往復、二時間かかる隣国へ戻らせたのだ。相手にそれ相応の意思があると認めざる終えなくなるのだ。
花は、焦り出した。
(どうしよう、どうしよう)
その時、あざが光った。
「何これ?」
少しだけ考えた。花が光るのはなぜなのかと。
(う~ん、……蝶を使えって事?)
「乙、蝶に手伝ってもらいましょう」
「そうですわ、人出は多い方がいいですからね」




