5~空を駆ける美女~
まだ一週間たってないどころか3日しか経ってないし、こんな時間に投稿しても誰も読んでくれないかもだけど一章は速く完結させたいからもう投稿しますッ!
是非、感想・レビューくださいませッ!
「うふふっ……見つけちゃった。」
頭上からの声に3人が見上げる。
「うーん……これって、私一人でこいつら殺したら、私だけ先に開放とかあるのかな…?」
頭上の女性はなにやらブツブツとつぶやいている。英語だ。…いやまあ、容姿もピンクで長い髪、マンガかよっ!って突っ込みたくなる豊富な胸、綺麗なくびれ、整った顔|(この時点ではほぼ見えなかったが)、という日本人ではありえないスタイルだったけど。
「ねえ、おばさん!……何言ってんの?」
僕は女性に話しかける。
「ッ!?…おっ、おばさん!?……」
女性は体をプルプルと震わせる。
「……ふぅ、考えてる暇はない。…このガキ、殺す……!」
女性は改めてこちらを睨みなおすと、腰から広げた機械の翼のような兵器を展開する。
ジェット機が発射するかのような轟音とともに、翼から炎が噴き出し、それをまさに“ジェットエンジン”のように使いこちらへ飛んでくる。
「……ッぶねっ!」
僕はけんじさんを反対方向に押し飛ばすと、みゆの肩と腰を抱え、近くの物陰へ高速移動で避難した。
「くっそッ!」
女性は物凄い形相でこちらをまたもや睨みなおす。……しかし、僕はこの隙を見逃さなかった。彼女の種族は分からないが、種族のそれぞれの力はそれほど本人に影響されていない気もする。いや、ていうかされてない。……つまりあの翼はアイテムか特性。
……そしてあの翼の有効的な使用法は、エアーファイト。つまり空中戦だ。
怒りに身を任せ、地に降り立ったのは彼女にとって愚策と言える。
僕はすぐさま、高速で彼女に接近し、背中に飛び乗る。身体能力には自信がある、もしかしたら元の世界でのデータを元に種族を分けてるのかもな。
「お、おいっ!」
自分が不利な状況に置かれていることに気が付いたのか、彼女が声を出す。
僕を捕まえようと、振り落とそうと回転を繰り返す彼女だったが、そう簡単に落ちるわけにはいかない。……何て言ったって今は圧倒的有利、しかも飛び上がったこの高さから落ちたら致命傷だ。
「へぇ~、こんな感じになってるんだ。……男のロマンって感じでカッコイイな…。」
彼女の腰から“生える”翼は完全にロボットって感じでSFチックだ。どうやらサーボ―グみたいな種族……いや種族によって特性が変わるのか?……があるのか背骨と腰の一部、翼以外は普通の人間の身体だ。
「かっけぇ…」
黒く薄いシャツ越しに少し腰に触れる。やっぱり機械と人間の身体で分かれてるな。
ピクッ…!
「ふぁっ…」
不意に彼女が身体を震わし、声を漏らす。
「あっ、いや、ごめっ!」
攻略のための分析に集中しすぎてしまった……僕は慌てて手を放してしまう。
「…ッ…しまっ……!?」
身体が空に投げ出される。空中において高速の能力は活用できない。
女性が回転し、振り返る。
「…んぐっ…!」
地面に背中が打ち付けられ、ズキッという痛みが背中から体中に響く。
さらに上空から撃ち落とされる数個の小型ミサイル。彼女の翼から射出されたものだろう。
僕は態勢を立て直すと、青い稲妻を残しながらみゆと同じ物陰に再度避難する。
………くそっ、圧倒的有利な状況から圧倒的不利な状況へ一転してしまった。
打開策……最善の策…いや、もうない。僕の頭にはもう策は思い浮かばない……。
その時、僕とみゆとは一本の道路を挟み、別の建物の物陰から重くゆったりとした銃声が響いた。
それは確実にけんじさんがもつM60の銃声であり、道路の上空に浮く女性に向けたものであった。
「けんじ…!?」
みゆが声を上げる。そう、戦うのを嫌っていたけんじさんが自ら戦っているのだ。僕らを守るために。
女性は必死に弾を避けようと、ぐるぐると回転しながらこちらへ向かってくる。……実際にほとんどの弾は避けれていた。
それは、けんじさんの腕の悪さも理由だと思うが…。
しかし、けんじさんの放つ大口径の弾丸、そのうち数発があたり彼女の翼が火を噴く。……バランスを崩した彼女は地へ落下する。
その隙を逃さずに、僕は高速で彼女へ接近し直す。背中の痛みに耐えながら。………ナイスだ、けんじさん!
僕は彼女の背中へ乗り直し、彼女の腹部に脚を巻き付け、首を腕で絞める。
彼女は再び飛び上がると、周りの建物に自分からぶつかりに行く。もちろん、僕を攻撃するためなので背中からだ。
「……ぅぐぁっ…!」
……だが、今回だけは絶対に離さないぞ。あんなに戦うのを嫌っていたけんじさんが発砲したんだ。
それに、単純にこのチャンスを逃すともう勝ち目はなくなるかもしれない。相手もバカじゃないわけだし。
僕は首を絞める力を強め、先から気になっていたことを問うた。
「あなたをそこまで殺人に導くものはなんだ?……何故、執拗に僕を狙う?」
そう、先から彼女は、わかりにくかったものの確実に僕を狙って動いていた。絶対に理由がある。
「うるさいぞ、クソガキ!手を離せ!」
「はあ……まあ、目を覚ましたら話を聞こう。」
僕は彼女の首を軸に腕を絡ませ、背中から腹側へと移動する。睨み合った状況になるわけだ。
「ァッ…!」
僕は彼女のみぞおちに精一杯の蹴りを打ち込んだ。
実はもう7話まで書き終わってます。えじそんです。
一応、投稿より2話分執筆が早く進むように投稿・執筆しているのでこの間のように休止したりはしなくて済むと思います。