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Speed to Misfortune  作者: エジソン/ezison
一章
15/16

15~そして~

この後すぐ投稿する(と思われる)お知らせ読んでくださいね!!

無理矢理終わらせた感じになっちゃってすまない!!

 頭上の飛行船からはロボットポリスが何機も降下してきていた。

 ラぺリング降下とか、ヘイロー降下とかではなく、直接降ってきたのだ。


 降ったロボットポリスの大群は、アンドリューから隠れる僕らの背後で重い音を鳴らして着地した。


 ………絶望は増すばかりで、希望など、一筋の光など得られることはなかった。


 ロボットポリスは一斉にこちらに銃口を向ける。

 「俺はある」

「は?」

カヲルの言葉に生意気な声を漏らす。

「ウルフが言ったろ、いい案があるのかって。俺はある。」

内容の説明はなかった。……ただ、説明があってもよく分からない作戦なのは確かだった。


 僕なりの言葉で表せば、目の前でガン〇ムになったのだ。カヲルが。

 彼の特性、液体金属は体外の金属を食すことで、自分の身体を自在に変形できるというものだ。

 その応用……なのだろうか…。

 カヲルは大きなロボットへとその姿を変えた。ガン〇ムというよりは某FPSゲーム…落ちる巨人(タイタンフォール)?…のようなロボットで、人間らしいようなそうでもないような形である。


 僕達みんなを肩に乗せると。鉄と金属が擦れる不快音を響かせ、その巨体は立ち上がる。

 サユちゃんは無事だったようで、テツヤが背負ってきてくれたが、ナツミは死んでしまったらしい。

 名誉の戦死、にはならないのだから可哀想である。いやそもそも、望んで戦場には来ていないから名誉もくそもない。

 僕らは彼女の姿を忘れてはいけない。そしてそれは無論、その前に死んでしまったサトルも同様である。

 出会ってあまり時間も経っておらず、関係は深いとは言えなかったが。



 ともあれ、カヲルのロボット化は絶望に飲まれた僕らに一筋どころではない希望を与えた。

 先まで僕らに恐怖すら与えていたアンドリューとロボットポリス達を、今度は逆に圧倒していた。



 カヲルはゆっくりと、その足を進めた。


 機械の巨神はそのゆったりとした歩みで、周りにその力を誇示する。


 さながら百獣の王、ライオンがまさに獣どもの作った砂漠のカーペットを進むようだ。



 ロボットポリスに感情はない、というわけではない。

 人外であり、人間と同じ言語で話す、人間並みの感情を持つ“生き物”なのだ。

 ………ロボットポリスは道を開け、カヲルはそのままゆっくりとアンドリューの元へ進む。攻撃する者はいない。


 カヲルは手を伸ばす。

 アンドリューは先と同じサイコキネシスでカヲルの動きを止めようとする。

 カヲルは歩みを止める。……しかし、アンドリューに止められたのではない。自分から意識的に立ち止まったのだ。

 ………右腕を構える。アンドリューは両手を構えてその動きを止めようとするが……。


 降りぬかれた腕は、アンドリューの目前で動きをピタリと止める。

 今度は、カヲルの意思とは関係なく、アンドリューが受け止めた。


 「う、ぐっ、ぅうあああああああああああああああぁぁぁああっっッ!」


アンドリューが怒号を上げる。

「なっ…」

突如、地が揺れ、カヲルの肩に乗った僕らのバランスを崩す。

見れば。

雪の積もった道路に亀裂が入り、建物にも亀裂が入り。街並みは崩れ、謎の浮力によって宙に浮く。

 「奴の力が強すぎるのか…?」

ウルフが呟く。

多分、力が強すぎて対象以外のものにすら干渉してしまってる、そうゆうことなのだろう。


 錆びた鉄同士が擦れ合うような、そんな不快音が重なる。

「ミノル」

機械の巨神からは、加工されたようなカヲルの声が発せられる。

「ここは俺達でどうにかするから、ウルフとシンディを連れて飛行船まで行け。」


 「は?」

理解はできなかった。まるで、僕以外の全員を見捨てろと言われるような指示を。

周りを見れば、準備万端のウルフとシンディ、怪我をしたらしいサユちゃんを庇うテツヤ。そして、ジョリー。

 ウルフとシンディの睨む先には、宙に浮く瓦礫の先に浮く………“飛行船”


 不意に、ジョリーに服の首元を掴まれる。

 「テツヤ君とサユさんは任せろ」

 ジョリーは空中へと浮く。

 「は?……は、い、いや……は?お、おいっ!」

そのまま素早く機械翼を起動し、瓦礫の合間を、その空中駆けるジョリーに僕は怒鳴る。

「なんでおいてくんだよっ!」

ジョリーは無言だった。顔は前髪で隠れて、表情は分からない。

 「なん、で…」

ジョリーは前髪で表情を隠したまま瓦礫の間を避けながら進んでいく。

 ………その表情は、寂しいのか、悲しいのか、怒っているのか、はたまた当初の目的を思い出し喜びに満ちているのか。……できれば最前者を願うが。


 ほどなく、僕は飛行船の上へ降ろされる。

ジョリーはその時初めてその表情を見せた。………表しようもない表情だった。情を表せていないんだから、表情と言っていいのか。ともかく、悲しいような、寂しいような、そんな表情だ。

 ジョリーは踵を返すと、再び機械翼を起動し、すぐにウルフとシンディを連れてきた。



 気づけば、飛行船内の廊下を走っていた。

 この廊下はどこに向かっているのか、そんなことすら思い出せない。


 僕の心は“無”だった。


 左右にはウルフとシンディが、それぞれウルフはSCAR、シンディは漆黒の大剣を構えて同じく走っていた。


 「……ミノル!ここは俺たちに任せて、お前はレイチェルを()れ!」

気付けば立ち止まっていた。背後からのウルフの声に振り向くと、ウルフとシンディが迫りくる大量のロボットポリスと戦闘を繰り広げていた。

 シンディはその華奢な身体からも、大剣の見た目から推測する重さからも想像できない身軽で素早い動きで、ロボットポリスの大群の中を縦横無尽に駆け回り。

 ウルフはシンディには当たらないよう、完璧なエイムでロボットポリス達の頭をさばいていた。



 頭の整理は追い付かず、意識ははっきりしない。何も思い出せない。

 僕は走る。

 力はなく、同年齢の男子よりも遅いが、それでも必死に走った。


 廊下はどこに向かっていたのか。

 そんなことすら覚えられない。


 覚えているのは。



 「よお、ミノル。………はじめまして、かな?……“いま”は。」

「は、はあ?」

レイチェルはその部屋で…その部屋がどこなのかは覚えていないが…高そうな椅子に座って脚を組んでいた。

 黒いスーツで身を包み、緑色の髪をオールバックにして、白く染まった顔を歪ませて不気味に笑っていた。

 「俺たち実は未来から来てんだけど……ってそんな話はまあいいさ」

ケタケタと高笑い。

「親友との再会なんだ………楽しもうゼェ、ミノルぅ」

「はあ?何言ってるんだ?さっきから」

「いや、いいさ。気にすんなって。………おいおい、もう時間切れかよ?」

「はあ?何言ってるの、さっきから?」

同じ質問を繰り返す。

 「くくっ、なあ殺しに来たんだろ?殺せよ、早く。ははははははッ!」

僕はその言葉に導かれるようにM9を彼の頭に突きつけた。

 何も理解はできず、理解しようとしなかった。

 何も考えず、考えることはできず、考えようともしなかった。









 …………そして、死んだ。








 目を覚ませば、ずいぶんと久しいビデオゲーム高校のあの部屋だ。

 何も考えずに、周りを見回す。


 いるのは、僕。テツヤ。サユちゃん。

 他は死んだかな。


 その後は警察が来て色々聞かれ、また呼ぶこともあると言われ、家に帰された。




 ………ただいま、日常。



 ………ただいま、平和。



 ………ただいま、退屈。







『あはははははッ!ははははははははッ、ひゃはははははははははははッッ!』


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