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貞操の危機

 昨晩は結局サハラは部屋には戻ってこなかった。



「ふぁ〜ぁ……昨日は散々だったなぁ」


 今日は交流を深めて、各国の領主たちは明日には帰路につく。



「交流って一体何をするつもりだろう?」


 ドレスに着替えて朝食をしに向かおうとすると、まるで道を塞ぐように数名のメビウス連邦共和国の領主の子息たちの姿が。



「おはようございます。 みなさんゆっくりお休みいただけましたか?」


 社交辞令的に失礼のない程度に挨拶をして通り抜けようとする私。

 でも道を譲ろうとしないどころか、わざと通れないようにしてくる。



「あの、通りたいので道を開けてもらえませんか?」


「それが人にものを頼む態度か? 頭を下げてお願いするって教わらなかったか?」


 いやらしい笑みを浮かべながら言ってきたのは、昨日の会食の時にも一番私に食ってかかってきた男の人だった。



「これだから片田舎の小国は困る。 もっと大国である我らに敬意を表してほしいものだな!」


 これだけ騒ぎを起こしても誰も来ないのは、この通路はお父様とお母様と私の部屋にだけ繋がる通路で、お父様もお母様も既にダイニングルームに向かっていて、侍女やメイドも準備で忙しいのか、またはわざと遠ざけさせてあるかなんだと思う。



「それは大変失礼をいたしました」


 問題を起こすわけにもいかないから、ここはおとなしく素直に謝って済まそうとしたのだけど……



「わかればいいんだよ」


 そう言いながら近づいてきて私の髪に触れてくる。



「あの?」


「おれの親父はさ、今のメビウス連邦共和国の代表の遺跡の領主だ。 お前、俺のものになれよ、そうしたら俺から親父に口利きをしてこの国を守ってやるからよ」


 はぁ……つまるとこ脅して私と結婚してこの国を牛耳るのが狙いってことなのね。



「そうまでしてこの国が欲しいの?」


 驚いた顔で私を見つめてきたかと思うと笑い出したわ。



「こんな小国になんか興味ないね。 俺が欲しいのはお前だよ」


 ……えーと。



「それはつまり、求婚の申し出のつもり?」


「あ? それ以上言ったらぶっとばすぞ、お前」


 ドスを効かせて私にだけ聞こえるように言ってきたんだけど、その顔は恥ずかしさからか真っ赤になってた。

 遺跡の領主の子息の後ろに立っている他のメビウス連邦共和国の領主の子息たちは、この事がわかっているからなのかニヤニヤしながらことの成り行きを楽しそうに見ているわ。



「こんな脅すようなやり方をする方に好意は持てません。 お断りします」


 トンっと押しのけて素通りして、あっけにとられている他のメビウス連邦共和国の領主の子息たちの間をすり抜けて、サッサと通り過ぎようとしたのだけど……



「お前らそいつを捕まえろ!」


 さっさと行ってしまおうとした私を、我に返った領主の子息たちがすかさず取り囲んで邪魔をしてくる。



「貴方たちいい加減にしてよね! いくらこちらがホスト側だからって限度があるわ……」



 パーーンッ!


 頬を叩かれた……



「お前、さっきからお高くとまってんじゃねぇよ?

たかだか片田舎の小国の姫の分際で大国の代表の子息である、このチェンマイ様が結婚してやろうって言ってんだ! ありがたく思え!」


 突然の事で、驚きと恐怖でこわばる私の手を引っ張って、強引に私の部屋に向かって連れて行きだす。



「おい、お前らちゃんと見張ってろよ」


「さすがにそれはマズイんじゃないか?」


 中にはこれから何をしようとしているか分かって止めようとする人もいるけれど、チェンマイがひとにらみすると逆らえないのか黙り込んだ。



「いいかお前ら、女なんか強引にでも抱いちまえば、みんな従順になるもんだ!」


 そう言って扉を閉めて、私の部屋に入り込んで2人きりになると、ベッドまで引っ張り倒される。


 怯える自分を自制してなんとか抵抗を試みるしかなかった。



「貴方、こんな事をして許されると思っているの!!」


「安心しな! 事が終わった頃には、お前は俺の虜になってるさ!」


 チェンマイが上半身の服を脱ぎ終えて、ベッドに押し倒した私に迫ってくる。

 近寄らせまいと手近にあった枕やクッションなんかを投げつけるけど、そんなもので止められるはずもなく、押さえつけられて必死に暴れて抵抗を試みるけど、女の私の力でどうにかなるものでもなかった。



「おい、いい加減に諦めておとなしくした方がいいぞ。 誰も助けなんざこないし、来たとしても暴れて遅くなればそれこそ真っ最中に入ってこられちまう事になるぞ?」


 やだっ! そんなとこ誰にも見られたくないし、そんなことされるぐらいなら一層の事!



「おおっとぉ、下を噛み切るなんてさせねぇよ」


 口に何かをねじ込まれて、私の最後の抵抗も虚しく失敗に終わる。 悔しくて涙が溢れながら相手を睨みつけるけど、そんなことは御構い無しでドレスを引き裂かれてしまう。



「フーッ!フーッ!フーーッ!!」


 声を出したくても口に詰め物をされて出せないまま、次は私の下着に手をかけてきて剥ぎ取られて……遂には肌を露わにさせられた。



「まだ小ぶりだがまぁいい。 たっぷりと可愛がってやるからな!」


 汚らわしい手が私の身体のあちこちに触れてくる……


 今の私はただこの屈辱と不快な思いにただひたすら耐えるしかできないでいると、チェンマイがそろそろいい頃合いになったかなんて事を口にしてズボンを脱ぎ始める。


 私だってバカじゃない。 これからチェンマイが何をしようとしているかぐらい分かってる。


 足を掴まれて強引に押し開かれてしまう。



「いくぜ?」


「ンーーーーーーーーーッ!!!」




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