国内の領主たちの来訪
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そんなこんなで戴冠式が数日後に控えると、次々と各国からお祝いを兼ねて各国から偉い人たちが国に訪れてきだした。
「今日は国内の貴族たちが集まるはずだ。 それに合わせて王宮でヴォーグたちとしっかりと出迎えをするんだぞ」
「うん、緊張するけどがんばる。 サーラもいてくれるんでしょ?」
「いや、付き人はその場には立てないし、少しやる事もある」
サーラはいないみたい。 お迎えはお父様とお母様と私、それとログェヘプレーベだけなんだって。
そんなわけで初日、王宮の入り口で待っていると最初に姿を見せたのはヴォルフの領主とその息子だったわ。
自国の領主だからお迎えって言っても、お父様がよく来てくれたって挨拶だけで客間に通すだけなんだけど、
「ララノアたん久しぶりだね〜、きょ、今日は付き人は、い、いないんだね」
「よ、ようこそ。 そうね、お迎えは私と両親だけだから」
「こ、今夜ゆっくりお話しようね、ララノアたん」
が、我慢我慢。 笑顔でやり過ごせば良いだけ。 って、
「うひぃ!」
手、握ってきたぁ。
「うひぃだなんて、か、可愛いなぁララノアたんは」
引きつらせながら笑顔で誤魔化したけど、あの時のこと私は忘れてないんだけど。
ウインクをバチバチさせながら去っていくヴォルフ領主の息子に嫌悪を感じながら手を振っておいた。
続いて地響きを立てながら現れたのは、雄牛の牛車に乗って姿を見せたノーマのお爺ちゃんと御者をしているスーサイド。
「うおおおお! ララちゃんや。 久しぶりじゃあああ! 爺ちゃんは爺ちゃんはぁぁぁあ!」
「うんうん、ノーマのお爺ちゃん久しぶり。 来てくれてありがとう。 それとスーサイドもね」
「おおおおおお! プリンセスに名前を覚えていただけたなんてなんという幸せ! スーサイド人生最高の思い出にいたします!」
あはは、ノーマのお爺ちゃんのところは勢いが凄い。
「おっと、ヴォーグ王、ベネトナシュ王妃様、この度は招いてくれて感謝申し上げますぞおお!」
「相変わらず元気で何よりだ。 ノーマがいてくれてヴァリュームも安心だぞ」
「わっはっは、王よ、嬉しいことを言ってくれるが、さすがの儂もそこまで長くはないかもしれんのである」
「……お祝いなのに悲しい事は言わないで」
「おおっと! そうであったのである。 行くぞスーサイド、盛大にララちゃんを祝うのであるぞ!」
「ハハッ! スーサイド人生最高の思い出にいたします!」
あはは、スーサイドの人生は一体いくつあるんだろ? それを言ったらきっと死んでお詫びって言われちゃうからやめておこうっと。
次に姿を見せたのがヴェニデ領主代理のジークフリート。
「これは陛下、王妃様、本日はこの様なめでたい席にお招きいただき感謝いたします。 我が父に代わり感謝申し上げます」
「ああ、 エーリヒが来れないのは残念だが、お前の様な奴が子息であいつもさぞや鼻が高いだろう」
「いえ、私など父に比べたらまだまだです。
プリンセスご機嫌麗しゅう。 この度はおめでとうございます」
「ジークフリートも来てくれてありがとう。 それと、その、手紙をいつもありがとう」
「いえ、私の気持ちを送っただけで、読んでもらえただけでも光栄の至りです」
前にアルバロが言ってたけど、本当にジークフリートは完璧な騎士って雰囲気。
ジークフリートは私の手を取って、当たり前のように甲に口づけをしてくると、揃った鎧姿の兵士2人を伴って頭を下げた後王宮へ向かったわ。
最後に姿を見せたのはヴィローム領主夫妻で、お父様とお母様に挨拶をしたあと、私におめでとうございますって挨拶をして、避難所の事を感謝してきたの。 避難所は完成していて、アルバロの言った通りに非常食なんかの用意もして3ヶ月は持ちこたえられるそうで、最近は定期的に避難訓練なんかもしているんだって。
「この度はプリンセス、本当にありがとうございます」
「うううん、国民を守るのは王族として当然のことよ。 それに避難所のアイデアはアルバロだしね」
「そうですが、それもプリンセスの了承あっての事で感謝の言葉もありません。 我らも安心して忠誠を誓えます」
ヴィローム領主夫妻も頭を下げて王宮に向かって行って、これでひと段落って思ったんだけど、その後にアルナイル先生たち評議会の方たちも見えて、今日だけでそれはそれは王宮は凄い賑わいを見せていたわ。
夕食の時もこの日はマルボロ王国中の偉い人が集まって、私も気を抜けなくて疲れちゃう。
食事が終わってさっさと逃げ出そうとしたんだけど、ヴォルフ領主の息子に捕まっちゃった。
「はぁはぁ、ララノアたん、いつ見ても本当に可愛いんだな」
「う、うん、ありがとう。 でもあまりはぁはぁされると嫌悪を感じちゃうよ」
「こ、これは愛情の裏返しなんだよ、ララノアたん。 って言うか、ぼ、僕のことは名前で呼んで欲しいんだな」
な、名前!? なんて言ったっけ。
「これはヴォルフ領主の子息、キュモヲタ殿。 私も一緒させて頂いても構いませんか?」
キュモヲタって言うんだ。 ってジークフリートまで。
すかさずアルバロとルロスが私のそばに来てくれて、キュモヲタから距離というものから守ってくれてる。
ジークフリートとアルバロとルロスが加わったことで、他愛のない話で済んでドッと疲労を感じながらやっと部屋に戻れたのはだいぶ夜も更けっていた頃になっちゃった。
「そういえばサーラは結局帰ってこなかった……明日は同盟国の人たちが来るんだったよね、お風呂入って早く寝よ」
ふとヴォルフ領主でのことを思い出したけど、お風呂に入らないままは嫌だから覚悟して浴場に向かったんだけど、ヴォルフ領主の子息のキュモヲタが信用できないっていって、アルバロは浴場の出入り口を、ルロスは脱衣所で見張ってくれるって率先してくれたおかげで安心して入浴できた。
なんだか悲鳴のような声が聞こえた気もしたけど……気のせいよね。
これから一気にたくさん名前が出てきて、読んでる方たちは訳が分からなくなってくると思いますが、一応後日談的なものを含ませているだけなので、ララノアから読み始めた方は知らないままで問題ありません。
ただもう長い歴史のある物語になってきているので、各人物にも背景があるため、流しきれない部分だけ書いてあるという感じです。




