グリフィンの育成
結局グリフィンは私についてきちゃって、お城に戻った私はすぐに父様と母様に謝りにいったんだ。
「グリフィンの子供だぁ!?」
「その話は後……先に言うことがあるでしょ……あなた」
「お、おう、そうだったな。 なんだってグリフィンなんか連れてきたんだ!」
「あなたそれも違うでしょ……
ララ、なんでそんな場所に行ったの?」
父様はなんだかグリフィンに夢中みたいで、代わりに母様が聞いてきたの。
「母様ゴメンなさい。 王宮を探検していたら長くて薄暗い通路を見つけてね、歩いて行ったらお外に出ちゃったの」
「その割に……随分動きやすい格好しているわよね?」
うわ、服装でバレちゃってるみたいだよぉ。
もう隠せそうにないから正直に母様に全部話したんだ。
「外は魔物もいて王都よりも危険なのよ……
もう絶対に行かないって母様に約束できる?」
「うん! 約束するよ母様」
そうしたら母様がニッコリ笑顔で「それじゃあこれでおしまい」って言ってくれたんだ。
「それでララはそいつをどうするつもりなんだ?」
父様がグリフィンの事を聞いてきたから、私が育てるって言ったの。
「よしわかった、その代わり生き物を飼うって事はその命を預かるっていう責任も伴うんだからな。 ララがちゃんとママの代わりになってそいつを育てなきゃダメだぞ」
「うん!」
「もし懐かなかったら……ララを襲うようなことがあったら始末しないといけなくなるんだからな」
「うんっ!」
私はさっそく王宮の書庫に行ってグリフィンの事を調べに行ったよ。
そこでグリフィンに関係する本を探したんだ。
「えっとぉ、好物は馬肉ってあるけど馬肉ってなんだろう? 火蜥蜴わかる?」
“馬肉って言ったら馬の肉だろう?”
「えっ、ええぇぇぇぇぇえっ!? グリフィンはお馬さん食べちゃうの!」
ピピピピーピッ
「グリフィンお腹が空いたの?」
ピー
そうだよね、産まれてからまだ何も食べてないもんね。
書庫を出て厨房に向かったよ。
「これはプリンセス、こんな所にどうしたのですか?」
「えっとね、馬肉が欲しいの」
「馬肉ですか? ありますが一体何に使うんですか?」
「グリフィンのご飯なんだよ」
私の肩にとまっているグリフィンを見てシェフは驚いたけど、すぐに理由をわかってくれたみたいで馬肉の塊を分けてくれたんだよ。
あとは水差しに水を注いでからお部屋に戻って、グリフィンに水と馬肉の塊をあげてみたんだ。
グリフィンは器用に馬肉を美味しそうに食べて、水もいっぱい飲んで満足そうにすると、今度は眠たそうにしているから火蜥蜴とは別にクッションで寝床を作ってあげてそこに降ろすと丸くなってすぐに眠っちゃった。
丸まって眠るグリフィンの姿がとっても可愛いな。
その日から私は午前のアルナイル先生と勉強する時以外、ずっとグリフィンの面倒をつきっきりで観るようになったんだ。
そして私がグリフィンのお世話に夢中になっているころ、マクシミリアン率いるマルボロ軍が、ついに押し寄せてきた野盗が群れて出来た集団を相手に戦いが繰り広げられていたんだ。
父様は冒険者ギルドに要請して、市街地に入り込んだ可能性のある野盗の捜索と討伐を命じて、囮になるように父様も王都を捜索しに毎日出ていたみたい。
そんなこと全く知らない私は、日に日に大きくなって今では大型犬程の大きさになったグリフィンと火蜥蜴の3人で王宮のお庭で遊んでいたんだ。
「それじゃあいくよっ! ……それぇっ!」
木の棒を投げてそれをグリフィンがキャッチする遊びだったんだけど、その日はもう地面に棒が落ちる前にキャッチするぐらいにまで成長していたんだ。
“ララっち、ララっち、俺っちが投げてもいいか?”
「うん、いいよー」
火蜥蜴が木の棒を口でくわえると、鼻歌を歌いながらトカゲにあるまじき勢いで空高く木の棒を投げて、みるみるうちに見えなくなっちゃった。
「わぁ見えなくなっちゃった」
それでグリフィンはどうするのかなぁって思ったら、猫が獲物に襲いかかるようにお尻をフリフリさせながら身構えていて、投げると同時にジャンプしたんだけどもちろん全然届かないの。
そうしたらそのまま翼を羽ばたかせて、同じように空高くに飛んで行っちゃったんだ!
「グリフィン凄い! お空飛んでいった!」
“まぁグリフィンだしな”
「火蜥蜴わざとやったんでしょ?」
“そろそろ空飛べるんじゃないかって思ったからやってみたんよ”
「さすがだね! 火蜥蜴」
グリフィンが戻ってくるのを2人で空を見上げながら待っていたんだ。
王宮に忍び込んだ野盗がゆっくりと近づいていることに気がつかないで。




