表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
76/195

ルースミア参上

 生気がなくなりそうになっているフィンとアルバロをどうしたらいいか悩んでいると、ズルズルガサガサと音をさせながら1人の女性が姿を見せて、その異様なほど赤い髪の毛を見てサーラの最後の1人の奥さんだとすぐに気がついたわ。



「コレが愚かにも我に襲いかかってきおったぞ」


 ポイッと……先ほどまで戦っていた男のドラウがボロ雑巾のようにになっていて、まるでゴミか何かのように地面に投げ捨てると、サーラにダッシュで抱きつきに飛び込んでいくの。



「本当にルースミアに襲いかかったのか?」


「うむ! (ぬし)の気配を感じて向かってみれば何者かがいると思って近づいてみたのだが、そうしたらこのドラウが治療をしていてな。 見られたからには死んでもらうと言って有無を言わさず攻撃してきたのだ」


「愚かですね」


 と間髪入れずに【魔法の神エラウェラリエル】が。


「うん、バカよね」


 同じくアリエルも同意してくるの。


 なんなのそれ? この赤い髪の毛の人ってそんなに凄いの? 強いの?



「ねぇサーラ、そちらの人も紹介してよ」


 あれだけサーラに密着していれば嫌でも3人目の奥さんだとわかってはいるけれど、一応確認のためと、知らないフィンたちのために聞いたの。



「ああ、彼女は俺の3人目の妻のルースミア、その名の通り赤帝竜(ルースミア)だ」


 しばしの沈黙の後ーー


「「「ええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえ!!!」」」


 私を含む生気を失っていたフィンとアルバロまでもが一緒になって大きな声を上げたわ。

 奥さんなのはわかっていたけれど、まさか伝説とまで言われている赤帝竜(ルースミア)!?



「いやいやいや、赤帝竜(ルースミア)って言ったらドラゴンですよ! 数多の冒険者が挑んで帰った者はいないと言われる伝説の!」


 サーラと【魔法の神エラウェラリエル】とアリエルの3人はそれを聞いても普通に頷いてくるだけで、当の本人のルースミアは目を細めながらサーラの身体に頬を擦り付けてなんだか嬉しそう……そしてちょっぴり羨ましいな。



「神に代行者にドラゴンって、サーラったら節操ないのね」


 恐れ知らずのクローロテースがそんなことを口走っちゃった。

 旦那であるサーラの悪口を言ったせいかサーラの奥さん方3人から何やら恐ろしいオーラが湧き上がってきてるんですけど……




「和んでいるところ申し訳ないのですが……」


 ナイスなタイミングでルロスが声をかけてきて、倒れているドラウの側で心配そうにドラウを見つめているの。



「おお、それならサハラが喜ぶかもと思って生かしてあるぞ。 我の住処であれば今頃消し炭であったがな」


 サーラから頬ずりするのをやめて腰に手を当ててえっへんとばかりにルロスに答えたわ。



「ねぇルロス、そのドラウの事なんでそんなに心配しているの?」


 どうもただの剣の師というだけの関係に見えなくて聞いてみると、ルロスがズタボロになったドラウを膝枕をして休ませながら、自身の父親である事を明かしたの。



「お父さん!? だってついさっき君の事を殺そうとしたじゃないか!」


「待てアルバロ、このドラウが俺たちと戦うときに言ったセリフを思い出すんだ」


 フィンに言われて必死に思い出そうとするアルバロを見て、私も必死に思い出そうとしてあっと思ったらクローロテースが先に言っちゃった……



「私たちを殺せば考えが変わる。 だったよね? フィン」


「お……そ、そうです」


 フィンも相手によって話し方変えてるから大変ね。



「そうだわ! この(ドラウ)って今思えば一度もルロスの事を武器では攻撃してなかったよね」


 ハッとした顔でルロスが膝枕をしているドラウの顔を覗き込んで見ると、目を開けていてルロスの事を見つめながらか細い声で何かを口にしているわ。



“自分の……子供を殺せる……父親は……いませぬ……ぞ”


 何を言ったか私にはわからなかったけど、ルロスが見つめながら目が少しだけ涙ぐんでいるから嫌な事ではなくて、嬉しい言葉を貰えたんだろうね。



 ルロスの膝枕に横たわるドラウが痛む身体でこの場にいる私たち全員を見回して、サーラと目があうと睨みつけながら何かを口にしているわ。



“殺せ……何を聞かれようが話はしない”


“お前が言わなくてもどうせお前の娘が全て話してくれる”


 ドラウが自身の娘のルロスを見てから目を瞑って黙り込んだわ。



「さて、このドラウは殺せと言ってきたわけですが……ララ、どうするかは貴女が決めなさい」


 サーラが私に委ねてきたんだけど、当然ルロスの父親だなんて聞いたら殺すなんてできないに決まっているじゃない!


 ルロスを見ると表情は変えていないけど、私がどのような判断を下すか見つめてきているわ。



「逃がしてあげましょう。 ルロスの父親なんて聞いて殺せるわけないじゃない」


 ルロスが少しだけ安堵の表情を浮かべたように見えたのだけど、サーラが付け加えるように口を開いたの。



「一応……そのドラウは共通語を理解し話せるので、私たちの今までの会話は理解していますからね」


 私はもちろんルロスも驚いて自身の父親の顔を覗き込んだわ。



名前は伏せていましたが、城塞都市ヴァリュームの回で出ていた赤帝竜です。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ