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最強の付き人

 殺される! そう思って目を閉じてしまったのだけど、痛みはいつまでたってもこないで、代わりに聞き覚えのある声が聞こえてくるの。



「ギリギリ間に合ったか」


 そんな声が聞こえて、目をゆっくり開けるとそこにはサーラがいて、私に向けられていた攻撃から守ってくれたの。

 男のドラウはサーラの一撃で弾き飛ばされて、なんとか倒れずに着地したけれど、驚いた表情を見せていたわ。



“バカな! 視界内には誰もいなかったはずだ!”


“視界外から飛んできたんだよ。 ドラウ、よくもやってくれたな”


“貴女はドラウの言葉が話せるのですか!”


 驚いたことにサーラはドラウの言葉を話して、ルロスも驚いた顔でサーラに声をかけているわ。



「ララ、フィンとアルバロとクローロテースを頼みます。 この場は私に任せてください」


「わかったわ! それとサーラ、ゴメンなさい……私また勝手に突っ走っちゃった」


「珍しく素直ですね」


 優しく笑顔を見せてくるの。

 男のドラウが剣を構えて後から姿を見せたサーラを警戒しながら対峙するわ。



“何者だ……”


“何……ただの付き人だよ”


 サーラと男のドラウが戦い始めるのだけど、手を抜いているんじゃないかというほどサーラが圧倒していて、ただの棒のような杖で男のドラウの剣をいなしたと思えば驚く速度で振り下ろしていたわ。 攻撃しかけても直ぐにサーラの握り返しによる振りかぶる動作のない杖の攻撃に男のドラウは防戦一方になったの。



“バカな! ありえん!”


 ルロスもサーラの強さに驚いていて、動きが止まったままだったわ。



“やはり地上を征服しに動いたか? オーク共はどうした”


“フンッ! 征服はまだ先だ! そこにいる同族を連れ戻しに来ただけよ”


 サーラはやっと気がついたようにルロスの姿に驚いてアルバロを見るけど、意識を失っているためルロスに声をかけるわ。



“ドラウなのか? いや……”


 ルロスの事を目を細めてサーラが見つめて……



『君は、転生者か』


 ルロスは驚いた表情をした後に首を振ったわ。



『君は助けて欲しいのか? 助けを望むのか? 正直に答えてほしい』


『助けて、欲しい……もうあんな巣には戻りたくない!』


『そうか、なら助けよう』


 優しく微笑んでサーラが男のドラウに目を戻すとそこには既に姿はなくて、サーラの背後から斬りかかってきていたの。


 危ない! そう叫ぼうとした時、既に男のドラウの剣は振り下ろされていたんだけど、今度はサーラの姿がそこにはなくて消えていて、男のドラウのさらに後ろに姿を現して杖を振り下ろしていたわ。



“なん……だと!?”


 男のドラウが腕でなんとか杖を防いで、威力を殺すように飛びのいた……のだけど、その飛びのいた先に既にサーラの姿があって、男のドラウは飛びのいて地面に着地すらしていない状態で、サーラの杖で殴り飛ばされて地面に転がって倒れて動かなくなったわ。




「3人は無事ですか?」


 何事もなかったようにサーラが私の元まで来てフィンたちを覗き込んでくると、フィンもアルバロもクローロテースも息こそしているけど、息も絶え絶えの状況で生命の危険にさらされているのは一目でわかる状態で、私は涙目になりながら無理なのがわかっているのにサーラに助けてって叫んだの。

 サーラも3人の状態にすぐに詠唱のような言葉を言い出したわ。



「精霊よ、古の契約に基づき我に力を貸し与えよ……集団致命傷治療(マス・キュア・クリティカル・ウーンズ)


 いつも身につけているピアスが微かに白銀に輝いて、サーラが言い終えるとフィンたちがたちまち意識を取り戻していくの。 何事もなかったように体を起こして傷口を確かめたり既に塞がって傷一つ残らずに治っていることに驚いた顔をしているわ。



「これでもう大丈夫……さて、どういう事か説明してもらいますよ、ララ。 だが、その前に……」


 サーラが倒れている男のドラウの方に向き直って近づくと、男のドラウは苦痛で顔を歪めながらもフラつきながら立ち上がって、1度サーラを睨みつけた後姿を眩ませたわ。



「あの状態から逃げられるのか……厄介だな」


 相変わらずこういう時のサーラは男みたいな口調で喋ることがあって……そうじゃないわ!



「サーラ! 貴女は一体何者なの! 強いのは知っていたけど、さっきのは……」


「助かったのだから、私の事は別にいいでしょう?」


 答えようとしないサーラに食ってかかろうとした私をアルバロが止めてくるの。



「サーラさんにも何か秘密にしておきたいことがあるんじゃないですか? ですよね?」


 サーラはアルバロの言葉に何も答えないで何か迷っているように見えたの。




「や……やっと追いついたぁぁ……」


 そんな声が聞こえて、顔をそちらに抜けると【自然均衡の神スネイヴィルス】の代行者のアリエルが息を切らせて走ってきたわ。



「あー……代行者なのにみっともない姿見せちゃったわね」


 アリエルが照れ笑いを浮かべながら答えたあと、真面目な顔になってサーラの方を向くの。



「もういい加減あきらめたら? 戴冠式まで秘密にしたかったのはわかるけど、さすがにこれ以上秘密にしていたら不信感持たれたままになるわよ?」


 って言いながらアリエルがサーラの腕に身体を絡みつけ出すのだけど、サーラは仲のいい友達だからなのか嫌がるそぶりを見せないわ。



 そっかわかった、サーラは何らかの方法でアリエルの代行者の力を借りているから強いんだわ! それならドラウの言葉を話すのも、アルバロの前世の言葉を話すのも納得いくわ! あの部屋にあった絵を見てもとても仲よさそうだったものね!


 私が名推理しているとサーラが仕方がなさそうに話そうとしてきたの。



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