強敵!
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翌日、新たにルロスが加わってヴィロームを目指して移動を開始中よ。
「そういえば同族に追われているって言っていたと思うが、今日までで襲われた事はあるのか聞いてもらえるか?」
先頭を歩くフィンが振り返って、すぐ後ろをルロスと歩くアルバロに尋ねるわ。
アルバロが私たちにはわからない言葉で尋ねると、アンダーダーク内では執拗なまでに追われたそうだけど、地上に出てからは1度もないそうよ。
「それならローブで姿も変わっているし、もう大丈夫なんじゃないかな?」
アルバロが通訳しながらルロスに聞くと、ルロスは首を振ってアルバロに何かを伝えているわ。
アルバロだけがわかるその言葉に耳を傾けていると、みるみるうちに顔色が変わっていくのがわかるわ。
「えっと……ドラウは、ドラウには魔法に対する抵抗力などが強いので、たぶん見分けられるだろうって」
「でも地上に出てきたことは無いんだよね? それなら心配無いんじゃ……っは!」
指を立てながらクローロテースが途中まで喋ったところで言葉を飲んで、今まで見せた事が無い警戒した表情を見せたわ。
“まやかしかを使ったところで逃がしはしませんぞ、ルロスィアン様。 アンドゥダグ家は貴女を生死を問わず連れ戻さねばお家取り壊しが決定したのですぞ!”
突然現れて、全くわけのわからない言葉で怒鳴ってきている人物は青白い肌に白い髪の男のドラウで、ルロスに向かって何かを言っているみたい。
“私の事はもう放っておいて、おとなしく巣に戻りなさい”
“そうはいきませぬ。 従っていただけないのであれば力づくでも、殺してでも連れていただかせていただきますぞ!”
何を言ってるのかわからないけど、目の前のドラウはルロスの事を知っているようね。
フィンが剣を抜いて身構えると男のドラウが狂気染みた目になって剣を抜いてきたわ。 それを見たアルバロもすぐに槍を構えるのだけど、少し震えているように見えたわ。
“この人たちは無関係です”
“我らの姿を見たのだから処分する。 それに今我らの事を人種に知られるわけにはいかぬ事ぐらい貴女にもわかっているはずですぞ”
ルロスも両腰に下げている2振りの剣を抜いて、私たちを守るように男のドラウの前に立ち塞がるわ。
『この男は私の……剣の師で、私の氏族の中でも一番の剣の使い手です。 目的は私なので逃げてください!』
アルバロがすぐに今行った事を通訳してきたわ。
「ダメよ! 私は貴女を守る約束をしたんだもの!」
私もノーマに貰ったシャムシールを抜いてルロスの横まで来て身構えるの。
“準備はできたようですな。 ルロスィアン様はこの者たちをいたく信用されているようですから、この者たちを処断すれば考えも変わりましょうぞ”
男のドラウが動いた瞬間、私のところまで一気に迫ってきて、斬りつけてきた剣をシャムシールで受け流して逆に切り返して命中させたと思ったら、男のドラウは距離を置いて少しだけ切れて血が出ているのを確認すると驚いた顔を見せてきたわ。
“面白い。 こんな幼な子がこれほどの反応を見せるとは”
“やめなさい! この人たちに手を出す事は許しません!”
ルロスが何かを言い返し終える前に男のドラウがまた攻撃を仕掛けてきて、私に斬りかかってくる剣を受け流そうとした瞬間、男のドラウの姿が消えたわ。 直後、背後に気配を感じて振り返るといつの間にかそこに男のドラウの姿があって、剣を振り下ろしてきていたわ。
殺される! そう思った瞬間、男のドラウの剣は私の体に届くか届かないかのギリギリのところでルロスが防いで守ってくれたわ。
「ありがとうルロス!」
言葉は通じないけど私が言いたい事がわかったようで、一瞬だけ口元を緩ませると男のドラウにもう一方の手に持った剣を振るうと、男のドラウが飛びのいて躱したわ。
「うおおぉぉぉぉぉ!」
男のドラウが飛びのいた先でフィンが待ち構えていて斬りかかるんだけど、男のドラウはフィンの攻撃も予測していたのか、着地と同時にフィンの剣筋を見る事もなく剣で受け止めてはじき返して、足払いをして転ばされてしまうわ。
“お前は弱いな”
ニヤリと口元を吊り上げて、倒れて隙だらけになったフィンに剣を振り下ろしてフィンの鎧の隙間、腹部を突き刺したの。 フィンの苦痛の叫びが上がって、手が腹部を抑えたところで、トドメとばかりに首を狙って剣を振り下ろそうとしてくるーー
その剣をアルバロが槍で払って止めに入ったのだけど、そのアルバロも呆気なく槍を掴まれて転ばされると無防備になった首目掛けて必殺の剣が振り下ろされる寸前で、ルロスが止めに入って間に合わせたわ。
「フィン! アルバロ!」
そんな状況を見たクローロテースが2人の名前を叫んで、すぐに歌を歌い始めたわ。
〜私たちは負けないどんな困難があろうと、諦めない心を強く立ち向かう
私たちの共通の敵に向かって!〜
クローロテースが歌を歌い出すと、腹部を刺されたフィンが痛みが弱まったのかすぐに立ち上がり出して、アルバロも槍を構え直して男のドラウに突きかかりだすわ。
“バカな!? これは人魚の呪い歌!?”
アルバロにルロス、私とフィンが加わって、更にクローロテースの歌のおかげでなんだか戦う力が湧き上がってるみたい。
男のドラウはクローロテースの歌の力で魔法的な強化を得た私たちに囲まれて、少しは苦戦をしいられるかと思ったのだけど、余裕の表情のままで時折さっき使った瞬間移動のようなものをしながら攻撃をしてくるわ。
「なんて強さだ!」
「5秒だけ耐えてください!」
アルバロが少し離れると、祈りを捧げるような姿勢を取り出すわ。
「【愛と美の神レイチェル】様、我らに仇なす者を束縛したまえ! 対人金縛り(ホールドパーソン)!」
アルバロが男のドラウを指差して睨みつけたのだけど、男のドラウはそれを手で払うような動作をしただけで何も起こらなかったわ。
「なっ! 抵抗の難しいはずの対人金縛り(ホールドパーソン)が!」
その隙をついて脇腹を貫かれて怪我をしているフィンを斬りつけてきたわ。
「フィーンッ!」
もろに攻撃を受けたフィンが大量の血を噴き出させながら倒れて、私が叫ぶのと同時にアルバロがすぐに駆け寄って、治療の魔法を使う為に祈りを捧げるのだけど、そのせいで無防備になったアルバロに男のドラウが瞬間移動して斬りつけてきたわ。
「アルバローッ!」
2人を助けようと駆け寄る私の前に、男のドラウが邪魔するように立ち塞がってくるから仕方がなく応戦すると、ルロスも直ぐに加わってきてくれるのだけど、数の減った私たちはあっという間にに押されていったわ。
「キャアーーーーー!!」
一瞬の隙をついてまた瞬間移動をして、クローロテースも男のドラウの剣によって倒れてしまったわ。
「クローロテース! ……っく!」
このままじゃフィンもアルバロもクローロテースも死んじゃう! なんとか、なんとかしないと……
2人だけになった私たちは逃げれない状況の中、なんとか勝機を見出そうと必死に応戦するのだけど……
“幼な子の割に恐ろしいほどの腕前だ。 その剣もミスリル製か、だが……まだ若すぎる”
ドカッとルロスを蹴り飛ばされて倒れ込んだ隙に、私だけになったところを男のドラウの狂気の刃が私に振り下ろされてきた……
ララノアでは初めてのしっかりとした戦闘になりました。
表現力が下手なので上手く描けていなくて申し訳ない限りです……




