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独裁者

作者: VISIA
掲載日:2016/05/23

少し大人向けの話です。

「鏡よ鏡、この世で最も美しい女性は誰だ?」

『……それは、○○という国の○○という名の女性です。』



「……そうか。では、この世で私は何番目に美しいのだ?」

『それは、およそ70億番目です。』



「鏡よ……美しい私の魅力が理解出来ないのか?」

『とても個性的で人工的な目鼻立ちの、医者の考える美しい顔ですが……』



「………む。」

『アナタの年齢とは不釣り合いの造形美顔です。』



「それでも私は美しいのだが、理解できぬか?」

『事前に説明はあるにせよ、経年劣化する前提の常に変化する個人的好みの一瞬をカットして、顔面にペーストするならば、それは結局……』



「もうよいわ。」

『…………。』



「ならば、私にも考えはある。」

『……。』



────1年後



「おい鏡よ鏡 、この世で最も美しいのは誰だ?」

『……それは、□□という国の、□□という男性です。』



「……では、この世で私は何番目に美しいのだ?」

『それは、およそ35億番目です。』



「……そうか。」

『…………。』



────18年後



「鏡よ鏡よ、この世で最も美しいのは誰だ?」

『それは、アナタの娘△△です。』


「……2番目は誰だ?」

『それは、アナタの夫□□です。』


「では3番目は誰だ?」

『それは、アナタの娘の”お腹の子”です。』


「……私は何番目なのだ?」

『それは、四番目です。』


「……この世に男は何人いる?」

『それは、2人です。』



「そうか。」

『…………。』



───20年後



「鏡よ鏡、この世で最も美しいのは誰だ?」

『それは、アナタの孫□△です。』



「2番目は誰だ?」

『それは、アナタです。』



「そうかそうか、ふふ。」

『………?』



「ところで鏡よ、私の声は何歳に聞こえるか?」

『それは、17歳前後かと…』



「孫はロリ派か?熟女派か?」

『………質問の意味が理解できません。』



「孫が可愛い過ぎて、未だに近付けぬのだ。会話もしたことが無い。」

『………では、ここにオリエント製の最高級着ぐるみを用意させます。会話にあわせて口も動きますよ。』



「……これか?……ここから着るのか。……ここに穴が空いているな。……ほう、触感といい良く出来ているではないか。」

「その着ぐるみの上から、服を着るのをお忘れなく。」



「では、亀甲緊縛して口説いてくる。」

『………。』



───2時間後



「………。」

『……どうかしましたか?』



「孫の奴め、私をケダモノ扱いしたのだ。許さぬ……」

『………?』



「しかも自ら“百獣の王”と名乗り、辺りの動物達を次々と妾にしているらしいのだが……」

『…………。』



「何故、孫の子供が次々と産まれてくるのだ?アイツの遺伝子は化け物か?」

『化け物です。』



「………。」

『………。』



───数年後


「なあ、鏡。」

『アナタは孫の……』


「ああ、ところで聞きたいのだが?」

『何でしょうか。』


「つい、目の前の宇宙人に手を出してしまったのだが、最近になって認知してくれとシツコイ。どうしたら良い?」

『先に意見しておきますが、地球人と宇宙人の全面戦争は避けるべきです。』


「……そうなの?」

『そうです。』


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