突然の鐘
受付の人に教えてもらった宿屋は個室で2食付きで1日銀貨一枚ぽっきり。
話によると値段のわりにサービスが良く、とても人気らしい。
泊まるためには身分証がいるらしく、今日のうちに発行できてよかったと思わずにはいられない。
俺はとりあえず三日お願いした。
部屋に入りようやく一息ついた。
「で、悪魔様よ俺に何をさせるつもりで異世界に呼んだんだ?」
『言ったであろう、暇つぶしだと。異界のものを観察してみたいという純粋な好奇心じゃ』
「で、俺は帰れるのか?、元の世界に」
『帰るのもなにもおぬしはおぬしじゃ、悪魔が召喚した人間がおぬしじゃからな、帰るもカエルもない』
意味が分からない、やっぱりこいつは俺のことを馬鹿にしているのだろう
いや、やっぱりバ--
「---そういうことか、俺は元の地球の知識だけを持った悪魔によって作られた人間ってことだなだからもとの世界もk」
『お、さすがわしが見込んだ男じゃな、惜しいおぬしは地球にすんどったある人をそのままコピーしてわしごのみに作り替えた存在じゃ。記憶と目しか触っとらん、目こそがおぬしとわしのつながりじゃ』
カーーーン カーーーン
『きよったな、、、ぬしよ、ホントのチュートリアルじゃ、いますぐ行くぞ』
「ど、どこに、」
また、体が勝手に動き出す。
宿を飛び出し、外に駆けて行き、街の城壁の端まで着く。
『さあ、闇の使いどもをここで一掃するぞ。楽しいぞ、楽しむんじゃぞ』
悪魔の笑い声が頭に響く。
『さあ、飛ぶぞ』
嫌な予感がする。
なぜそこで後退するんだ。
まさかあの壁を飛び越えられると思っているのだろうか。
「おい、やめ、やめてくだ、、、、」
空を飛ぶ。アイキャンフライ・・・
そんな優しい物じゃない、体がなにもない空間に投げ出された。
気づいた時には後ろに壁がある。
10メートルはあるのではないかという城壁を飛び越えた。
人外だ。
『ぬしよ、これからが本番じゃ、さあギフターの力を見せてみろ』
あー、もう好きにしてくれ。
目に何かが勢い良く流れてくるのを感じる。
遠くに砂煙が見える。
いや、それだけじゃない。
モンスターだ、遠くにいるはずのモンスターが鮮明に見える。
一体、一体の挙動が鮮明に、はっきりと見える。