チュートリアルのはず
体が宙に浮かんだと思ったら、地面にたたきつけられた
「くそ、なにがなんだか」
俺のケツは割れてないだろうな
ーチュートリアルを開始しますー
頭の中で機械的な声が鳴る
ーチュートリアルは異世界に到達するまでです。ー
辺りを見渡すが何もない、真っ白の世界が広がっている
今は移動中ってことか
ーまず、自分のステータスを確認しましょう、【ステータスオープン】と言ってくださいー
よくわからないが従ったほうが無難だろう
「【ステータスオープン】」
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Name 渹メェ:貊L6
Level 1
職業 無職
HP 32/32
MP 100/0
種族 異世界人
装備無し
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頭の中に文字が浮かぶ、まるでゲームみたいだ
ーステータスを確認できたと思います。HPがゼロになると世界から消滅しますので気をつけてください。ー
名前が文字化けしているのは記憶がないからなのか、それとも異世界人だからか
ー戦闘モードを開始します、好きな武器を選んでくださいー
頭に選択肢が現れた
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剣
槍
槌
鞭
弓
ブーメラン
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随分大雑把だな
ーツリーの選択だと思ってくださいー
細分化されていくってことだろう
ブーメランとかギャグだろう、いや大穴でこいつがゆくゆくはチートになるのか、、、
まあ、無難に剣とかでいいか
かっこいいし
剣を選択すると、目の前に剣が現れた
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チュートリアルの剣
攻撃力 +1
チュートリアル中では何万回振っても決して壊れることがない
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とりあえず持ってみたが思ったよりも重い
こんなものを振り回せるのだろうか
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チュートリアルの人形
ゾンビのようにのそのそ動くぞ
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なにもなかった空間にモンスター?が現れた
俺の背と同じぐらいのマネキンのような人形だが視界一杯に無数にいる
怖い、怖すぎる
のそのそとしか近づいてはこないが
、まるでホラー映画のゾンビだ
ー開始ー
アナウンスとともに体が勝手に動き出す
自分で体は動かしている感覚はあるが、命令は俺が出しているわけではない
剣を振り上げ、下げる
人形に当たり、2つに切断していく
剣の使い方を強制的に体に教え込まれている
体と頭が痛い
俺には無理がある動作ばかりだ
人形に当てたそばから光の粒になっていく
体が勝手に走り出す
速度に乗せながら剣を振る
体重がのった剣先は人形をまとめて光に変える
切り上げ、切り下げ、右に左に
跳び上がっては切り、ハネ上がっては切る
人形の数が減っていく
あれだけいた人形も数えるほどしかいない
体はどこかに飛んで行ったのではないかとさえ思うほど酷使されている
100程度ではきかないほど切っただろう
ひょっとしら1000体はいたかもしれない
勝手に動いていた体はいつしか俺が思考し操っていた
最後の一体を真っ二つにする
不思議と疲労感はないが頭と体が焼けるように痛い、何時間戦っていたのだろうか
ー今度は魔法で倒してみましょうー
ーあなたの特性は闇ですー
また戦えっていうのか
もう無理、死んじゃう
ー空魔法のスキルが1あがりました。風魔法【エアーハンマー】を発動して敵を倒してくださいー
人形が現れた
今度は一体だけだ
また体が勝手に動き出す
「【エアーハンマー】」
頭で今まで使ったことも意識したこともない思考が処理が行われた
脳の中心に熱を感じるような、不思議な感覚だ
人形をその魔法が押しつぶす
人形の頭が凹み倒れる
ーお疲れ様でした、これでチュートリアルモードを終了します。これから行く世界ではとりあえず街まで行ってください。街までの道のりは運命付けられたものです。他の行動をとりますとと契約違反になりますので気をつけてください。【悪魔の目】を授けます。それでは頑張ってくださいー
ただの白い空間だったところが森になっていく
魔法はそれだけで終わりみたいだ
それはそれでなんだか寂しい
体が光出し、俺のジャージが昔の人が着るようなファンタジーなものへと変わっていく
俺の冒険がはじまる