花瓶の中の一輪のチューリップ
私を置いてどこに行く?
弱り果てたそのからだで
何を求めていたのだろう
ひと時の美しさ
それも消え
今はもう 哀れな姿だけ
一番近くにいたのに
何もしなかった
儚さも 貴さも
水に浸していれば 分かっていると
私を置いてどこに行く?
行く場所なんてないはずだろう
ここにいればいい ずっと
鮮やかな色も くすんでいる
その肌に触れてみれば
冷たい音が 静かに響く
何もしなかったわたしをゆるさなくとも
もう一度だけ
咲かせて見せて
その儚さの 強い輝きを