【1】4月9日
【はじめに】
このお話は『あいつとわたし』の続きです。
今回は、千星を中心に展開します。
【登場人物】
穂高千星2年1組 面倒見の良いお姉さんタイプ
姫野真実1年4組
匂坂五十鈴2年3組 自覚無しの天然少女
麻生つかさ2年1組 外見超美少女、内面小悪魔
穂高光星2年2組 千星の双子の弟
白澤 透2年3組 五十鈴の幼馴染み兼彼氏
姫野大河50才 真実の父
姫野真理26才 真実の兄 社会人
姫野真智22才 真実の兄 大学生
穂高晶子 穂高姉弟の母
随時、変更追加あり
始業式も終わり、生徒達は早々に下校して行く。
私は、人気の無くなった3階の教室の窓際に立ち、桜の花びらが舞う校庭をぼんやりと眺めている。
今日から、2年生。
クラスは1組。ちなみに桜の木の下でじゃれあい中の二人は揃って3組。
「お待たせ、千星さん。帰りましょう」
「………」
聞こえてない訳じゃないけど、何処か心だけが遠くへ飛んで行ってる様な感覚に堕ちている。
私の隣には今年も同じクラスになった女の子が、窓の外に視線を移す。
「あら、あんな所に五十鈴さんと白澤くん。相変わらずね~、手なんか繋いだりして」
「――帰ろう、つかさ」
鞄を手に教室を出る。
つかさと並んで階段を降りて行く。
あと、残り数段で踊り場という所で、背後から声が掛けられる。
「穂高千星さん!」
「!?」
振り返って見上げてみる、声が男のもの。
その姿は窓からの春の暖かな日の光が差し込んでいて、逆光で眩しくて見えない。
影が、影だけが揺らめいている。
「貴女が、好きです!」
それは――まるで、メテオストリーム。
無数の流星が降り注いでいるような…。
そんな、光の中の告白だった。