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私は前まで他の投稿サイトで活動をしていました。この作品はそのサイトで投稿していたシリーズもので再編成を加えて投稿しました。今作は異能を持つ者を雇うスパイ組織「NEED」を描きました。どんな異能が登場しどんな依頼をどんな方法で遂行していくのか、どうぞお楽しみください。
「はい、紅葉さん、今回依頼を受けてくれてありがと、じゃ説明していくね」
今、私はある依頼を受けている。マリカウ美術館のレインボーダイヤを盗む。本当にそんなものが実在するのかわからない。だが、これが依頼なら引き受けるしかない。上手くやるだけだ。
「以上が依頼内容よ、OK?」
依頼主は女性6人がリーダーの密売組織。この依頼者はその中でも上位のリーダーだろう。
「了解した」
淡白な返事に淡白な態度。ここに気は払わなくてよい。俺はこの組織を後にし、行きつけの珈琲店へ入った。内装はどこにでも見るようなごく普通な珈琲店。店内には焼いたばかりのトーストとコーヒーのにおいが漂っている。俺はいつも頼んでいるオリジナルコーヒーを頼み窓の外を見る。この依頼、流石に俺一人じゃ厳しそうだな。誰か同行してもらうか。少し悩み、目星をつけた。一人いる。コードネームは「マナブ」。俺と同じ諜報員だ。俺らの所属する諜報組織「NEED」は少し変わっている。それぞれが異能を持っており、その異能を使って依頼をこなしていく。このところ依頼が少なく、ほぼ何でも屋みたいになっている。平和な世の中の為にはスパイなどない方が良いのだ。コーヒーを飲もうとカップを口につけた瞬間、ドアのベルがなった。
「あ!サトリさん!お疲れ様です!」
「お疲れ様!マナブ、思ったより早かったね」
元気そうで、どことなく子供っぽさを持っているマナブが来た。席につくと俺と同じコーヒーを頼み、依頼内容を聞いてきた。向こうの組織にはコードネーム(紅葉)として通している。マナブにもそれなりのコードネームが必要だ。
「今回、マナブには美術館内のセキュリティの突破を手伝ってもらいたい。恐らく館内の警備は厳重。俺一人ではそこまで手が回らない。どうかお願いできるだろうか」
マナブは即答した。
「もちのろん!手伝わせてもらいます!サトリさんと仕事できるなんてめーーっちゃいいじゃないっすか!」
その快活な返答に少し笑ってしまいそうになったが詳しく説明を続けた。
盗みに入る美術館はマリカウ美術館。全3階建てになっており、世界各国の美術品や貴重価値の高い物を展示している。世界で有数の有名美術館だ。NEED専用回線で調べてみたところセキュリティは最新でそれが約1万と備え付けてある。もちろん今回狙うダイヤも厳重に扱われているだろう。説明をしていると携帯が鳴った。
「もしもし、そちら田中さんのお電話でしょうか?」
「はい、ブランコの上に置いておいて下さい。ありがとうございます」
「依頼は順調?」
「順調というか今マナブに話している途中です!忙しいんで切りますよ!」
「油断。油断だけはするなよ」
「はい、十分気を付けます」
俺はそう言い残し電話を切った。相手はNEED本部。油断。それは自分は一番わかっているつもりだ。だが、いつも肝心なところで詰めが甘い。マナブにも危険な目を合わせたくない。マナブにも油断しないことを最後に伝え私達はコーヒー店を後にした。
時刻は午前2時。美術館はすっかり静けさに包まれている。まるで眠れる獅子。静けさの中に私達に対する敵意を孕んでいる。最新技術が組み込まれているとは思えない外装。皮は中世ヨーロッパの邸宅のようである。周りには金色の柵が設けられており、正面口へ続く道も長い。扉の左右には今に模動き出しそうな中世甲冑が2体並んでいる。正面突破は考えたくもない。
「サトリさん!」
いきなりマナブが大きな声で私を呼んだ。
「私、勉強してきました!」
マナブはコードネームにも使われている通りかなりの勉強好きだ。異能もその影響を受けている。
「これ、実はですね、正面!正面が一番安全なんです!」
自信満々に言っているからか緊張感を感じさせない。私は前を向いて歩を進めた。依頼開始だ。
投稿日は未定です。書き終えたその日が投稿日。よろしくお願いします!次回は依頼本番!マリカウ美術館内に潜入です。トラップいっぱいの館内。サトリとマナブは無事依頼遂行となるのか。




