前へ目次 次へ 13/34 (二)-10 「あれ、ひょっとして神先生かい。俺、また間違えちゃったのか。こりゃあ失敬失敬」 「びっくりさせないでくれないかね」 「なにかあったんですか」 「今、茶川賞の受賞の電話を待っていたところだったのだよ」 「ええ! 受賞したのですか。それはおめでとうございます」 「いや、まだ電話を待っているところで……」 「そういうことなら、招来軒のオヤジさんにも伝えなきゃ、それじゃ」 その直後、電話が切れた。そのため、神は受話器を電話に置いた。 (続く)