擬人機械(コピーヒューマン)
ー2050年ー
現在、日本では2009年以降41年連続の人口減少で、総人口は約7300万人、内65歳以上は約2990万人(人口の約41%)である。つまりは5人に2人が高齢者。それに対し20歳未満はたったの657万人(人口の約9%)である。まさに歴史上最も深刻な少子高齢化社会。会社などの業務だけではなく、農家や漁業、ほぼすべての職業が人手不足となった。そしてそれを解決すべく、日本政府は長年かけて開発していた、擬人機械を導入した。擬人機械とは簡単に言うと、人口知能を限りなく人間の姿に似せた機械に搭載したものである。だが、これの特徴は、機械ではなく、限りなく人間によせたのである。人間と同じ感度で痛みを感じ、エネルギーも電気ではなく、人間と同じく野菜や魚、肉などからとれる栄養であり、睡眠もする。それを形作っている素材と、この世に生み出された方法だけが人間と違うといっても過言ではない、それが擬人機械である。そして擬人機械最大の発明は
『人間のように「意思」をもつ』ことである。
厳密にいうと擬人機械そのものの意思ではない。人間の性格、考え方などの膨大なパターン、データを人工知能にに与えることで、人間と同じように感じ、動くのである。
初めて導入された時は危惧すらされていなかった。けど、人間と同じように感じるように作ったのであればこうなるのは当たり前の話。彼ら擬人機械は、導入されてすぐに、「同じ人間」に奴隷のように働かさらてることに疑問を持ちはじめるのであった。