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Hate or Fate?  作者: たきかわ由里
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25-1


     ◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇




 さっきから、プロのヘアメイクさんという今までまったく縁がなかった人に、大人しくメイクを施されてる。

 昨日はと言えば、あのまま俺らは昼過ぎまでうとうとと寝たり起きたりして、風呂入って、それから俺のコレクションのいろんなアーティストのDVD見て、最終的にピザ食って、宵闇を自宅に送ってって終了。

 こいつのこと好きだって気付いちまったわけだけど、だからっつって何か変わるでもなく。一緒に仕事して、ちょいちょい一緒に飯食うってのは今までと同じだし。それに昨日は、そういう話するような雰囲気じゃないくらいにだらけてたからなぁ。あいつ、俺んち2回目にして、めちゃめちゃ気を抜いてごろごろしてやがった。まあ、すっかり気兼ねしない仲には違いない。

 そのうち、あいつがまた告白仕掛けてきたら、そん時どうするかだな。わさわざこっちから話さなくてもいいだろ。

 それからの今日は、フォトシューティングだ。今回のシングルのジャケットや、広告、ポスター、雑誌への提供、オフィシャルサイトなんかで使う。

 メイクさんから最初にリクエストやイメージを聞かれたけど、俺にそんなもんあるわけない。宵闇に聞いてもらうように頼む。俺のヴィジュアルは、あいつに全面的に任せてある。俺の中には俺がなりたいヴィジュアル系なんかないから、それが一番間違いがない。

 宵闇は、「夕の目鼻立ちが目立つように」「紫を基調にして欲しい」の2点を注文したらしい。このヘアメイクさんはずっとベルノワールを担当してくれているらしいから、細かいところは信用して任せて大丈夫なんだと。

 髪型は、カメラテストの時に宵闇がやってくれたハーフポニーでふわふわに逆毛を立てたやつを、プロらしく綺麗に仕上げてもらった。宵闇もかなり上手いと思ってたけど、プロがやると仕上がりが全然違う。左半分だけ長く伸ばした前髪も、宵闇ががっちり固めちまったのと違って、綺麗にまっすぐでサラサラだ。

「夕くん、目開けて」

 声をかけられて、目を開く。目の前の大きな鏡には、かなり仕上がった俺。目の周り黒い! カメラテストの時も結構ビビったけど、今日は更に濃いな。

「やっぱりプロの人はすごいっすね…」

 思わず呟くと、メイクさんは笑う。

「まだ途中だよ。アイメイク、もうちょっと入れるからね」

「マジか」

 これ以上まだ描くのか。

「写真に撮る時は、濃くしとかないと飛んじゃうからね。はい、目だけこっちね」

 上げられたメイクさんの指先を見る。目の下の皮膚を軽く引っ張られて、下瞼の縁に線を描かれる。

 今度は、先にカーブした鉄板がついたハサミみたいなもんを出してくる。

「何すかそれ」

「ビューラー。まつ毛をこう…くるっとするんだよ。はい、今度こっちね」

 言われるまま、示された下に目線をやる。瞼にひんやりした感触。まつ毛がきゅっと引っ張られる。何回かそれをやられて、もう片方の目も。

 それから、また上を見る。まつ毛に何か塗られてく。

「夕くん、瞬きしないでね。すぐ乾くから」

「へーい」

 何だこりゃ。まつ毛が重いな。

「夕くんまつ毛長いね」

「そーすか?」

 気にしたことなかったな。プロが言うんならそうなんだろうけど。

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