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Hate or Fate?  作者: たきかわ由里
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24-2


 俺は、それにどこまでも協力してやる。お前の思い描いてるカリスマ的な存在を、俺が守ってやる。その始まりが若気の至りでも、お前が本気でそれを続ける限り、味方でいる。

だから、俺の前では、安心して須藤くんに戻ればいい。それでお前のカリスマ性が保たれるなら、俺は受け止めるよ。

 なぁ、お互い、いい相方に巡り会えたんじゃねぇか?

 俺は信じたものを貫く、迷いのないリーダーに会えたんだし、お前はとにかくこの俺に会えたんだから。

 これも、運命ってヤツか。

 プレイヤーって人種は、場がないと立ち行かない。お互い、その場を与え合えるわけだからさ。

 長い付き合いになりそうだ。きっと、俺の相方として認められるのは、この先も宵闇だけって気がする。

 バンドだけじゃねぇんだよ。一緒にいて、同じことで笑えるってのが安心出来るし、信用出来る。長く付き合うには、そんなオフのことも大事だって気がする。

 早く、俺のレベルまでこいつの演奏力が上がんねぇかな。俺は俺で実力上げてくから、簡単には追いつかせねぇけどよ。

 こいつならやってくれる。センスはあるんだ。大丈夫。

 宵闇の手が、もぞもぞと動く。何かを探してるみたいに、のそのそとあちこちを触る。

 その指先に触れてみると、動きが止まった。唇の端がほんの少し上がる。

「……あ」

 小さい声が、俺の口から漏れる。

 何か、ふわっとした気持ちが心の中に広がったのがわかった。

 触れたままの指先が、やけにあったかい。

 気持ちが穏やかになる。

 ずっとあれこれ考えてたのが、急にすっとおさまって、頭の中がクリアになる。

 ああ俺、こいつのこと、好きだわ。

 それだけが、頭の中に残った。それにビックリしてる自分と、安心してる自分がいる。めちゃめちゃ単純な言葉だけど、これは重大だ。

 だけど、納得しちまった。ここまでの出来事と、これからのベルノワールの行方。そんな頭の中を占めてたあらゆることの隙間に、その言葉が流れ込んで綺麗に収まった。こんなの、納得するしかねぇじゃん。

 ガタついてたうるさい気持ちが、すっかり安定した。

 今、こいつの手が探してたのは俺なんだ。その手に触れたってことは、俺もその手を取ってやりたいって思ったってことだ。

 起こさないように、そっと手を握ってやる。そうあるべきだったみたいに、しっくり来る。

 ああ、しゃあないな。これも、同時に来ちまった俺の運命ってことだな。出会っちまったもんは出会っちまった。

 いいよ、これで。なるようになれ。

 とりあえず、もう一回寝よう。

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