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Hate or Fate?  作者: たきかわ由里
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23-7


 しかし、サラッと言うな。綺麗とか。びっくりするわ。

 そういや、カメラテストの時もサラッと言ってたな、こいつ。「夕は顔が綺麗だから」って。

 インストアイベントの告知が終わり、更に告知が続く。シングルリリース直前の4日間、連続でYouTubeの生放送がある。4日間も何やるんだ?

 でも、俺がファンだったらこういうの嬉しいかもな。

「夕」

「あ?」

 声をかけられて宵闇を見ると、宵闇はニヤッと笑って、俺に布団をがばっと被せてきた。

「おいこらっ」

「あったかいぞ、布団」

 こいつ、完全に修学旅行ノリになってんな。

「宵闇ー!」

 ヤツの両方のほっぺたをつまんで引っ張ってやる。イケメン台無しだぜ。宵闇は楽しそうに笑いながら、俺の頭まで布団を被せてきやがった。

 あ、ぬくいな。

 あったかい布団ってのは、もう罠だよな。リハーサルで疲れてるせいか、ふかふかの布団がかなり魅力的だ。

「ふざけんなよ、もう」

 言いながら、俺も布団に潜り込んでうつ伏せる。

 生放送の件が終わって、レコーディングの裏話に話題は移り変わる。

 キツかった、と全員が口を揃える。綺悧が喉の調子が悪くなった時に、俺の差し入れで助かったってエピソードを披露する。朱雨が俺をちょっと冷やかしてからかう。俺はドヤって感じで適当な返事をしてる。

「ほんと…この時は夕に助けられたよなぁ」

 隣で宵闇がしみじみと言う。

「全力でぶん殴ったけどな」

「あれは痛かった」

 そう言いながらも、宵闇は嬉しそうだ。今まで、こいつにそんなことしたヤツはいなかっただろうからな。

 隣を見ると、宵闇は肘をついてこっちに体を向けてにこにこしてる。

「また何かあったら殴ってくれ」

「今度は両方いくぜ?」

 殴るって話してんのに、お互いに何だかおかしくなって笑う。

 俺が歳の割に古い人間なのかもしれねぇけど、殴って後腐れなく距離が縮まるのはいいもんだなって思う。こいつもそう思ってんのかな。こいつから殴ってくることはなさそうだけど。

 朱雨が、Wheelのギターソロで苦戦した話を少しする。お前、苦戦したのWheelだけじゃねぇだろ。でも、Wheelが一番気に入る出来だったってことかな。

「じゃあ、今月のベルノワールキャストはこの辺で! 次は11月2日、3日、4日、5日のYouTube生放送見て下さいね。次回のキャストは11月20日更新です」の綺悧のシメでラジオは終わった。

「こうやって聞くと結構面白いな」

 30分も聞いてたら、自分の声にも随分慣れた。宵闇を見ると、うんうんと頷く。

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