表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Hate or Fate?  作者: たきかわ由里
88/232

23-2


「海外進出の件もそうだよ。ああいう駆け引きみたいなのには、俺は鈍いから」

「そうだなぁ」

 そこがこいつの良いところでもあるんだけどな。逆に、俺はそういうとこ深読みしちまうから、宵闇みたいに素直にことに当たれないとこがある。俺は宵闇が羨ましいよ。お互い、ないものねだりなんだろうな。

 そのないものをお互いが持ってるから、俺らは手を組んだんだろ。

「今までサブリーダーもいなかったから、俺だけで全部こなしてたけど、ここからはそうもいかないなって」

 そう思うと、こいつもしんどかったんだろうな。クールな仮面かぶって、誰にも情けない顔見せられなくて。

 そこんとこを俺が助けてやれるなら、助けてやりたい。いや、これは俺にしか出来ないだろ。

「頼りにしてるよ、夕」

「全力でやらせてもらうぜ?」

「ああ」

 また宵闇の声が明るくなる。それにしても、こいつみたいな温厚なヤツが、何でワンマンクールリーダーになったんだ。どこで何を間違えたんだ。

「何でお前、今のリーダーキャラになったんだ?」

 めんどくさいから、こういうことはストレートに聞いちまおう。

「ん? …ああ、カッコいいなと思って」

「は?」

「カリスマっぽく振る舞ったら、ヴィジュアル系バンドのリーダーっぽいかなって…」

 妙に恥ずかしそうに言う。っつーか、恥ずかしいなそれ!

「初めて組んだのが前のバンド…ディエス・イレだったんだけど、始める時にこんな風にキャラ作ったら、見た目と合っちゃったみたいでさ」

「確かに…」

 こいつの笑わない時の顔とリーダーキャラとの違和感のなさは完璧だもんな。もう慣れたけど、中身がこの穏やかな男だとは誰も思わねぇだろ。

「若気の至りっていうか、厨二病ってヤツだよなぁ」

 若干後悔してるっぽいな。面白いヤツ。俺は思わずくすくす笑う。ほんと、可愛いわ。

「ま、そのまま行けよ。お前のそのキャラ便利だからさ」

「便利なら、これで行くしかないか、やっぱり」

「今更、素のお前出したりしたら、周り全員パニックだわ」

 多分、知り合って日が浅い俺だから、こいつの地が出て来たのにも順応出来たけど、長いこと一緒にやってる他の3人がこれ見たら大混乱だ。

「そのまま頑張れ」

「頑張るよ。お前は俺にギャップあっても平気なのか?」

「ああ。俺はお前の素もけっこう好きだぜ?」

「えっ」

 宵闇の返事が止まる。

 俺なんか悪いこと言った…な。ヤバい、こいつに対して「好き」って言葉使っちまった。こいつ、俺のこと好きなんだったわ。

 いや、別に宵闇の素がそれはそれで好ましいってのは間違いじゃないし、言っちゃいけないわけじゃないとは思うんだけど。ここで弁解すんのも何だし。

 ちょっとこの状況どうしようか。

 よし、話題を変えるしかない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろうSNSシェアツール
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ