22-2
「それはいいけど、道端で寝たりするとさ」
「…あるな」
「あるのかよ!」
あるわ。何回もやらかしてるわ。家の玄関前で寝てたことすらあるわ。もういい加減に大人なんだから、そういうのはやめたい。
「ほんと心配だなぁ。外で一人で呑む時は呼んでくれよ」
「へーい」
自分は呑まないくせに。でも、こいつ呼んだらほんとに来てくれるんだろうな。
「で、どう? 曲でわかんないとことか、変えたいとことかある?」
「わからんところはない。変えたいとこはちょっと変えた」
「どの辺?」
「他のパートに影響出ない範囲だけどな。フィルインとかの細かいところ」
「俺も合わせた方がいいところは?」
わかってるじゃねぇか。ベースだけはちょっと合わせてもらえたらベターだ。一回やれば、宵闇ならわかってくれると思う。
「Clash Rightのイントロ終わり、ダダダダン、ダダンっての入れるから、それ、合わせてくれ」
「ちょっとやってみてよ」
その箇所の4小節前から叩き始める。宵闇は軽く弾きながら、聴いている。肝心の箇所で、俺は宵闇の目を見て、そのフレーズを叩く。宵闇も俺の目を見つめたままそれを聴いた。
「朱雨のチョーキングがキュイーンって入った後、2拍でダダダダン、だな」
「そうそう」
「朱雨にはきっちりカウント守らせないとな」
カウント守るのは大前提だと思うが、そこが適当なんだろうなぁ。何の為のクリックだ。ライブ映像で、動きと音の長さが合ってねぇなっての、何回も見てる。音だけスタジオ録音のものに差し替えてあるせいだ。
でも、レコーディングの時に、俺の音に合わせてあんだけアレンジ入れて来た宵闇だから、この程度は秒で把握してくれると思ってた。
「俺はそこの2拍、止めない方がいいな…。夕、やってみよう」
言わなくてもその辺ちゃんとわかるな。そうして欲しいと思ってた。
さっきと同じところから合わせてみる。宵闇は自分で言ったように、2拍4分音符を鳴らしてからキメを合わせる。ばっちりだ。そう、これがやりたかった
「OK、流石宵闇」
「お前の相棒として、これくらいは当然だろ」
ヤツはドヤ顔で俺に答える。だから、俺は言ってやる
「16分になるとピッキングのキレが甘いから、そこ治せな。音がボヤけてるぞ」
「了解。後は?」
「目立つ変更はそれくらいだな。細かいところは…ま、お前ならやりながら合わせてくれるんだろ?」
「努力する」
そうでなきゃな。今日一通りやれば、明日にはそれに合わせたプレイを提示してくれるはずだ。
もうちょっと伸びてくれたら、こいつからもアイデアが出て来るようになるだろう。早くそうなって欲しい。そうバカじゃないから、その日は遠くないって気がする。
「あと、全体的なこと言えば、Hateは再現出来りゃ文句なし。Die in BloodとIlluminatiは多少荒くても勢いが大事だから、細かいこと気にしないで思いっきり行くといい」
「最初にそれ言っとくよ。今日はそこをポイントにしてやろう」





