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Hate or Fate?  作者: たきかわ由里
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22-1


     ◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇




 翌日のリハーサル初日。16時からのところを、俺だけその前に2時間取ってもらった。

 セットリストの曲は事前にある程度頭に入れたんだけど、ディスコードのライブが終わるまではそっち優先だったから、実際に叩くところまで行けなかった。だから、一通り叩いて、感覚をつかんでおきたい。

 今回は本格的なゲネプロまではしないってことだし、自分のセットはお休みだ。本番でもドラムセットの入れ替えはないから、そのつもりで。こんなのはよくあることだから、慣れてる。

 スネアとツインペダルだけ担いでスタジオに入る。一般的な2タム1バスに対応出来る形だ。現場でタムが3個になろうが、バスが2個になろうが、その辺の融通はきく。多分、セルスクェアのタカミさんのセットを借りる形になるから、2バスは間違いないとは思う。

 組んで置いてあるスタジオ機材のドラムセットに、スネアとツインペダルを突っ込んで、他の太鼓とシンバルは自分好みに調整するだけだから、当然だけど一から組むより断然早い。

 さっさとセッティングを済ませて、すぐにウォーミングアップから始めた。

 少し叩けば、すぐに自分の音になって来る。ここのセットはそんなに悪くない。スタジオによっては、これが話にならねぇようなボロセットってこともあるからな。ヘッドの張り替えから始めたくなるようなとこもある。

 暫く叩いて体があったまったところで、予定曲の練習に入る。

 元から決めていたように、原曲から大きく外れないように、打ち込みに沿って叩く。が、多少のフィルインとかバスドラパターンなんかは好きにさせてもらう。他のメンバーがそっちを変更しなくて済むような範囲で。いずれ時間が取れるようになったら、全部俺の好きなように変えたいけどな。

 その頃にはもう少し全体のスキルも上がってるだろうから、全曲リアレンジしたアルバムとか作ったら面白いかもな。宵闇に提案してみよう。

 そんなことを考えながら、ぶっ通しで3曲目に入る。

 スタジオのドアが開いた。まだ一時間以上早い。

 手を止めずにそっちに目をやると、宵闇だ。にっこり笑って俺に手をあげると、そのままベースアンプの前に行って、担いできたベースを取り出す。エフェクター類も足元に並べて次々と繋いでいく。それから、チューニングを始めた。

 その横顔は結構真剣で、なかなか良い。

 キリのいいところで一旦手を止める。

「おはよ、宵闇」

「おはよう。今日も調子いいみたいだな」

「ああ、好調だよ。昨夜はちゃんと寝たしな」

「呑まずに?」

「いや、呑んだけど」

「やっぱり」

 宵闇はあははと笑い、こっちに来る。

「毎日呑むんだ?」

「大体な」

「呑まない方がぐっすり眠れるらしいけど」

「それ聞いたことあるけどなぁ」

 そうは言っても、なかなか習慣になったものはやめにくい。

「寝落ちしない程度にな」

「それは悪かったわ、気を付ける」

 こいつと知り合ってまだ一ヶ月だっつーのに、もう2回も寝落ちしてるんだよな。一昨日はマジで迷惑かけてるし。ちょっとは反省。

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