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Hate or Fate?  作者: たきかわ由里
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21-1


     ◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇




 事務所の会議室に集まったのは、メンバー5人とマネージャー。

 マネージャーからは、収録した音源のミックスが始まったことと、リリース日は予定通り変更がないことの知らせ。来週予定されているフォトシューティングとMV撮影も変更はないということ。改めて、ハロウィンに出演するイベント、Monster's Foolish Nightのこと。以上が伝えられた。

 そこからは宵闇が引き継ぐ。

「各自、今回のレコーディングでわかったとは思うが、今後のベルノワールはもっと楽曲面を強化していく。よりヘヴィネスな音にしていくつもりだ。それには、演奏力の向上が必須なのはわかるな?」

 俺はもうわかってる話なので、宵闇の話すことより、他の3人のリアクションを注視する。

「それぞれレコーディング時に課題は話したな」

 問いかけに、3人は頷く。

「細かいことはその時の話で理解しておいてくれ。そこでまずやって欲しいことは」

 一呼吸おいて、まず礼華と朱雨を見る。

「礼華、朱雨。これは伝えたが、一度インストラクターについて基礎固めをしてくれ」

 二人は「はい」と答える。朱雨とはその話をしているし、礼華にも恐らくその後で伝えたのだろう。驚いた様子はない。もうその腹は決めたんだな。

 出来れば二人一緒に習って、個人だけじゃなくコンビネーションプレイについてもアドバイスを受けるといいんじゃないか。今みたいにきっぱりリードとサイドが分かれるんじゃなくて、もっとギター2本がバトルしたり絡み合ったりするプレイがあれば、ツインギターの意味も増す。

 それはまた、宵闇を使って伝えてもらおう。

「江崎さん」

 宵闇は隣に座るマネージャーを振り返って声をかける。

「こいつらのインストラクターは、こっちで探すから」

「私はノータッチでいいのね?」

「ああ。把握だけしておいてもらえればいい」

「了解」

 マネージャーはメガネを指で押し上げて、手元の手帳に書きつける。

「綺悧、お前もだ」

「はい!」

 綺悧の返事は元気がいい。レコーディング以降、何かスッキリした感じだな。

「これはまだ言っていなかったが、お前はボイストレーニングをしっかりやってもらう」

「はい」

「お前は喉が弱いからな。強化しておいて欲しい」

「頑張ります」

 綺悧はにっこり笑って答える。

 3人の中では、こいつが一番伸び代がありそうなんだ。絶対に伸ばして、他のアーティストからコラボの誘いが来るくらいになって欲しい。

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