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「良かった。そんなら、着替えるから待っててくれ」
「おう」
宵闇は俺から離れると、クロゼットを開けて服を選び始める。
ヤツの着替えなんか見てもしょうがないし、俺は俺でスマホをチェックする。
近々ある、声優のアルバムレコーディングの最終確認が来てた。その声優とは直接面識はないけど、楽曲提供してる人が知り合いだから、2度目の参加だ。それは2曲だけ。一日で録る予定。
事前に送ってもらったデモ音源と譜面はチェック済。こういう依頼は、基本的には譜面に沿ってプレイする。
スタジオ入りの時間と内容のリマインドを確認して、了解の旨返信する。
後はそんな重要そうなメールはないな。LINEの方はと…リュウトくんか。開いて中身を見る。
「遅くなったけどツアーおつかれ! 近いうちに呑み行こうよ」
メッセージ来たのは昨夜か。全然スマホ見てなかったから気付かなかった。また連絡するよ、って内容を返信する。
「夕、お待たせ」
顔を上げると、すっかりいつもの宵闇仕様になった宵闇が立ってた。モノトーンの柄シャツに、レザージャケット。ブラックのスキニーデニム。ワンピースのスウェットの緩い雰囲気とは一転、ビシッとカッコいい。
俺は昨夜から着替えてないから、荷物持つだけで出られる。
「よっしゃ、行くか」
俺も立ち上がって荷物を手に取る。





