19-6
「秋刀魚の塩焼きもある」
「いいな」
「里芋とツナのサラダ」
「里芋ってサラダになるのか」
「ポテトサラダみたいな感じだろ、多分」
何でもいいや、腹減ったし。
「串とかあるか?」
「串は…この辺か」
メニューをめくって、串のコーナーを見せてくれる。
「んー…じゃ、串盛り」
一つ一つ選ぶのはめんどくさいんだよな。何でもいいし。
「揚げ物は」
宵闇は隣のページの揚げ物を指さす。
「鮪の唐揚げ美味そうだな」
「じゃあそれな」
「とりあえずこんなもんか?」
「だな」
頷くと、宵闇が店員にオーダーを通す。楽だな、このシステム。
俺はタバコに火をつけて、のんびり吸い込む。半日ぶりのタバコがうまいわ。
「お前、今日はゆっくりできたのか?」
「事務所行ってマネージャーと打ち合わせしてたよ」
店員が出て行くと、また元通りに頬杖をつく。ちょっと俺の方見過ぎじゃね? 俺が目のやり場に困る。見つめ合うわけにもいかねぇだろ。仕方ないから、何もない夜景を眺める。しかしつまらん夜景だな。
「そっか。なかなか休めねぇな、リーダーさんは」
「まあな。2days終わったらゆっくりするよ」
「明日のミーティング何時からだっけ」
「13時」
「で、あと何だっけ、ウェブラジオだっけか」
ラジオってことは喋んのか。何していいのかわからん。毎月やってるらしいから、みんな慣れてるだろうし、俺は大人しくしとくか。
「ああ、ミーティング後に収録するから」
「ふーん。どんな感じだ?」
「近況とか告知とか。割と適当な感じだから、気楽に参加してくれよ。先月更新分聞いたか?」
「忘れてた」
そりゃもう完全に。忙しかったしさ。宵闇はくすくす笑う。笑うとこだったか?
「明日収録分は、お前の紹介と、ライブ告知と、リリースの宣伝」
「うわ、そうか。俺か」
これは喋らないわけにはいかねぇな。挨拶とかしないとなぁ。
「ああ。もうお前のツイッターアカウントも結構フォロワーついたし、サイトの動画も見てもらってるから、かなり浸透してるけどな」
「俺のツイッターとか見て面白いんかねぇ」





