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Hate or Fate?  作者: たきかわ由里
57/232

19-2


「おう、やって来い! 楽しみにしてるわ」

 がっちり握手を交わす。ほんと、ここはいい先生ばっかりだ。

 長崎さんも名古屋校の卒業生で、ここでギター科の講師をやってるし、同じくマヤバンドのもう一人のギターである山田先生も名古屋校の講師だ。

 缶コーヒーを飲みつつ、今日の学生との面談の内容を伝える。普段から接することの多い高井先生に話しておけば、後から助けになるかもしれない。

 話が一段落ついたところで、何気なくスマホを見る。19時30分か。

 てか、宵闇か。LINEの通知。

 開いてみると、「おつかれ。飯行かないか?」って入ってる。これ何時だ? 一時間前か。

 とりあえず、時間だし退勤しよう。

「じゃ、先生、今日はこの辺で失礼します」

「おつかれ。気を付けて帰れよ」

「はい、ありがとうございました」

 頭を下げ、荷物を持って表に出る。

 飯か、どうしようかな。一時間前じゃ、宵闇も流石にもう食ったかな。

 電話をかけてみる。

 2コール目ですぐに出た。

「おつかれ、夕!」

「おう、おつかれ。今仕事終わったわ」

「そうか。飯は?」

「まだ。お前は」

「まだだよ」

 俺の返事を待ってたのか?  どっちにしろ、こいつも食ってないなら、一緒に飯行ってもいいな。

「じゃ、行くか」

「夕はどこにいるんだ?」

「御茶ノ水。今からそっち帰ると…30分ちょっとか」

「車?」

「いや、今日は電車だよ」

「じゃあ呑めるな」

 何でお前がちょっと嬉しそうなんだ。ほんと訳分からんやつだな。

「お前呑まねぇだろ」

「夕は呑むだろ? 駅で待ってるから、着いたら連絡してくれよ」

「わかった。じゃ、後でな」

 通話を切って、駅に向かって歩き出す。

 そういえば、あいつから最初に用件言ってくるのは珍しいな。珍しいってか、初めてだ。いつも「何してる?」の定型文しか来ないのに。

 って言っても、飯だからな。そりゃそれくらい言うか。

 METALLICAのマスターオブパペッツをBGMに、中央線と京浜東北を乗り継いで最寄り駅で降りる。歩きながらイヤホンを外して、宵闇に電話をかける。

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