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Hate or Fate?  作者: たきかわ由里
35/232

12-3

「夕、アルミホイルは」

「はいよ」

 流し脇にある、もう何年ものだかわからんくらいのアルミホイルを手渡すと、宵闇がパリパリとちぎってトースターのトレイくらいのサイズにする。

 食いたいっつったのは宵闇だし、やらせとこう。

 冷蔵庫からビールを取り出して、呑みながら皿を出す。箸はいらねぇよな。食った後の骨は…コンビニ袋に直で放り込むか。

 宵闇は何回かトースターに手をかざして温度を確かめ、中にホイルを敷く。

「25本は並び切らないな」

「積んじまえよ」

「マジで? 下になったのがあったまらない気がするけど」

「上も下もヒーター付いてんだから、大丈夫だろ」

「確かに」

 宵闇は頷いて、手羽先を積み上げる。それから、もう一度パッケージに目をやる。

「1、2分…これやっぱり重なってるとあったまりきらないだろ」

「ちょっとくらい冷えてても構わねぇだろ」

 割と細かいとこ気にするヤツだな。キンキンに冷えてなきゃ上等だろ、こんなの。

「せっかくお前が買って来てくれたんだから、ちょっとでも美味く食いたいだろ」

「そんじゃ、お前に任せるわ」

 手間かけるのは俺じゃないし、まあいいか。

「何か箸とか貸してくれよ」

「その辺の適当に。皿はこれな」

 洗いカゴに干したままの箸を指で指して、皿は出しておいたのを渡してやる。

「サンキュ」

 宵闇は箸を持って、25本の手羽先を二手に分け始める。

 そういや、俺は途中で寿司食ったからそこまで腹減ってねぇけど、こいつ何も食ってねぇな。足りんのかな。だからって手羽先を全部は譲ってやる気はないけど。半分は俺のもんだ。ここの食ったことねぇし。

 何か出してやれるような食いもんあったかな。流しに置きっぱなしの空き缶に吸殻を捨て、買い置きを置いてある流しの下を開けてみる。

「宵闇、チキンラーメン食うか」

「チキンラーメン?」

 俺がチキンラーメンを差し出すと、心底意外そうな声でチキンラーメンを復唱する。

「お前、今日全然食ってねぇだろ。その手羽先、半分しかやらねぇからな。足りねぇ分はチキンラーメン食っとけ」

「悪いな」

 宵闇はにこっと笑う。にこっと笑うのな、こいつ。ヴィジュアル系のクセに。

「ポットはそこ。ドンブリはそこの洗いカゴの中」

「鍋は」

「贅沢言うな」

 こいつ、チキンラーメンは鍋で煮る派だったか。俺はドンブリで3分派だ。こいつは戦争だな。

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