#2<アフリカ大陸構造>
鉱物資源の豊富さは、アフリカ大陸の非常に古い岩体に由来する。
超大陸パンゲア時代から、アフリカの大陸構造(剛塊)は既に出来上がっていた。
西アフリカ剛塊、サハラ複合剛塊、アラビア・ヌビア盾状地。
コンゴ剛塊、タンガニイカ&ジンバブエ剛塊、カラハリ剛塊。
これらは、ほぼ40億年という岩齢を持つ超古代岩体である。
地球誕生が45億年前だから、これは途方もない超古代だ。
岩体形成時には、重い鉱物がマントルに沈み込む前に、固まって残っていた。
また32億6千万年前に地球に激突した超巨大隕石。
この大変動がアフリカの運命を永遠に変えた。
少なくともその直径は50kmあった。
激突クレーターは直径約500km。
深さは知られていないが、地殻と上部マントルを吹き飛ばしたろう。
重い物質が地球の核に沈み込んでしまう前に掻き乱したのだ。
その衝撃は地殻変動のきっかけを作った大変動だと言われている。
超巨大隕石激突によって鉱物が地表に飛び散ったアフリカ。
また、古い岩体の鉱物が地表に残ったアフリカ。
この2つの現象がアフリカ大陸を戦略的鉱物資源国家に変えていた。
アラビア・ヌビア盾状地は紀元前よりエジプト、スーダンがあった。
まず古代エジプト人が金鉱床から金を取り出す方法を発見した。
金鉱床を示す古地図が残っている(BC1150)。
ソロモン王の伝説的な金の原産地としても有名である。
銀、銅、亜鉛、スズ、鉛等もアラビアでも採掘されている。
アラビア・ヌビア盾状地
▲は金鉱を示す
次にエジプト人はアスワンで花崗岩を採石した。
これをナイル川を通してカイロに持ち込みピラミッドを建設した。
数世紀後、今度はローマ人がやって来て。資源を持ち帰った。
他の岩体は地表が密林に覆われていた為、たやすく発見はされなかった。
それを探検して捜索したのが「カーリミー」と言われる商人たちであった。
カーリミーはカイロを中心として通商を行うムスリム商人の呼称だ。
ムスリム商人は古代よりサハラ砂漠を越えて、中央・南アフリカと交易してきた。
これはサハラ交易と呼ばれている。
アレクサンドリア→トリポリ→ガート→トンブクトゥはサハラ中央ルートだ。
ガートはサハラ砂漠中央のオアシスである。
実はサハラ砂漠の80%を占めるのは岩石砂漠だった。
岩石砂漠には岩が露出し、礫岩の荒れ野で、アカシアの木陰もある。
カラカラの気候に適したバンチグラスという雑草がまばらに生えている。
裸岩の残丘(インゼルベルク:Inselberg)がいたるところにある。
古代の浸食で横穴がえぐられた場所も多い。
砂漠を横断するキャラバンがキャンプするには、もってこいの場所だ。
砂漠の法面にはナラの実|(原始メロン)が密生している場所もある。
原始スイカもあるが、中身は白い部分と種しかなかった。
砂漠にはオアシスがある。
近くの山脈から地下水脈が伸びていて、盆地に緑地を作っている。
砂漠の民はカナートという水路を山から引いて農業と生活に使った。
こういうピンポイントの飛び地オアシスを経由して砂漠を横断した。
ラクダ300頭はダウ船積載量1隻分に相当した大商隊であった。
まさに「陸の貿易船」といって差し支えない規模だ。
終点のトンブクトゥ(現マリ国)はニジェール川沿いの緑豊かな商業都市だ。
そこは「内陸の黒人」と「ムスリム商人」の出会う、巨大交易地である。
トンブクトゥ以前はイスラム化されていないガーナ王国が存在した。
ガーナ王国には文字がなかった為、以前の歴史は何も分からない。
だが今トンブクトゥには文字があり、数字があり、取引の簿記がある。
ムスリム商人が取引の為に導入したのだった。
鉄・銅・鉛・亜鉛・ニッケル・金・銀・白金・希土類・マンガン・ダイヤ等々。
あらゆる鉱物が、ムスリム商人によって取引され、イスラム世界に持ち込まれた。
鉱山での坑内採掘の技術も人力・畜力・水力とあらゆる力を利用した。
馬の1馬力を利用した畜力エレベーター、水力ふいごによる空調設備。
人力ではあるが、インパクトドリルの初歩的技術もあった。
1ヶ月に20mも掘り進むその速度は、当時世界最速である。
その鉱物を産出する鉱脈も、恐ろしい程に潤沢であった。
最初に述べた岩体に縦横無尽に鉱脈が延びていた。
■中央アフリカ・カッパーベルト。
鉱床規模2000万t級の埋蔵量を誇る巨大網状鉱染鉱脈。
銅、金、モリブデンが含まれる黄銅鉱と黄鉄鉱が分布する。
■グレートダイク(Great Dyke)。
ジンバブエの地表に見えている岩体。
幅12km、全長530kmの1枚板の巨大貫入岩体だ。
金、銀、プラチナ、ニッケル、クロムを含む鉱床がある。
■ブッシュフェルト(Bushveld)
南アフリカの地表に見えている岩体。
東西480kmx南北240kmの超塩基性の複合岩体だ。
全体に白金・クロム鉱床が分布している。
■岩塩ドーム(Solt Dome)
イランのホルムズ海峡にある巨大岩塩ドーム。
岩石の変形や変動の圧力が塩を地表に押し上げたものだ。
石油埋蔵はこれらの側面に沿って形成される事が多い。
巨大岩塩ドームは巨大油田の重要な目印なのだ。




