入学式での悲劇
主人公の旅川凪は高校に入学することになりクラスメイトの赤木さんと親しくなった。
更に目的人物である神河恵井が同じクラスにいると知った。
すると教室に文句を言ってくる人物が来た、、、。
いきなり土下座しろと命令して来たのは大きな体でいかにもスポーツやってる感がある男子だった。
「こいつ誰だ?」
俺が小声で隣に聞くと
「知らないのか。あいつはCランクの中で一番の筋力も持っている。呼び名は『剛力の徳川』
変なあだ名だなと思っていると赤木さんが前に出て行き。
「どうしたんですか、徳川さん?」
「あのな、俺の机に傷があったんだよ。誰だ俺らのクラスの担当していた奴は!」
えーー、それだけでクレームするかの普通。
すると、一人が手を挙げた。
「あのー、私がそこの担当です」
そう言っているのは俺の目的人物の神河 恵衣だ。
「そうか。ちょっとこっち来い」
俺は何をするのかじっと見る。
そして神河さんは徳川の前にいくと徳川は鈍い音を立ててビンタをした。
神河さんは何も言わずに床に倒れた。
「次に全員土下座しろ!それともこいつのようになりたいか?」
みんなは少し考えたが床に倒れている神河さんを見て土下座するしかないと思っている。
ふと、教室のドアの方を見ると笑っている生徒が何人かいる。
こんな酷いことされている人がいるのになぜ笑う?
「ふざけんなよ」
俺は小声で言った。
「はっ、誰が喋ったか?」
徳川はこっちを見て聞いてくる
「そんな小さな事で怒るなよ!なんで俺らが謝るんだよ」
俺は徳川を睨んで言った。
そうだ、たかが机に傷があっただけなのに。
「こいつ大丈夫か?考えてみれば分かるだろ。俺はお前らよりランクは上だぜ。そんなこともわからないのか」
「そのぐらいは分かるよ。けどな、ランクごときでこれから生きてけるのか?」
「こいつ、何言ってんだ?」
あいつは筋肉馬鹿だな。じゃ、そのことを思い知らしてやる。
「ならば俺と勝負しようぜ。俺が勝ったら神河さんに謝ってもらうぞ」
仕方ない実力の差を見せつけてやる。
すると、徳川が鼻で笑い
「そんな勝負やる意味ねーよ。だってよ俺が勝った場合はどうなるんだ?」
「そうだな。お前が勝ったら俺がお前の奴隷になってやる」
奴隷。
それはランク制度がある中どのランクにも入ってない人のこと。一応Dランクの人でも強制的に奴隷に出来ない。そしてどのように奴隷なるかは知らないがネットの情報にはあった。
それに奴隷も持つ人はSとAランクの人にいるかいないかだ。だから相手にとっちゃ勝てば天国、負ければ謝るだけである。
「へー、なかなかの事言うな。その勝負やろうじゃないか」
相手はやる気満々だな。勝つのは俺だけど。
「旅河君、何言ってるだ?奴隷の意味を知っているのか。それに相手は『剛力の徳川』なんだよ」
赤木さんは必死で止めてくる。
「大丈夫だよ。こんな所で負けたらやり直した意味がないよ」
俺は笑顔で赤木さんに伝えたが赤木さんは意味が通じてないみたい。
「徳川、勝負は腕相撲一発勝負だ」
相手は剛力なんだろう、その実力見てみたい。そして自分の本気はどこまでか知りたい。
一つの席に二つの膝が乗っている、俺と徳川だ。審判は赤木さんで周りのギャラリーはDランクのみんなと勝負の話を聞いた他のランクの奴らである。
まぁ、ほとんどの人が俺が負けると思ってるが赤木さんは俺が勝てると信じているみたいだ。
「おい、負けたらお前は俺様の奴隷だからな」
「分かってるよ。そんなことよりさっさと始めようぜ。負けないけど」
何故そんなに自信があるって?
人間には筋力には限界がある。しかし、今の俺にはスキル『無限スタミナ』のおかげで筋力の限界がどこまであるのか分からない。実際軽く片手で林檎は割れたし。
「Dランクの雑魚なんか三秒で終わらしてやる」
「じゃ、俺は一秒で決着つけようかな」
同じクラスのみんなは心配そうに見て来て廊下の連中はどっちが勝つか賭けをしている。
そして、赤木さんが始まりの合図をする。
「始めるよ。レディー、、、ゴー」
「ドンッ」
勝負は一瞬でついた、勝ったのは俺である。
「よし、俺の勝ちだな」
やはり、相手は本気できたが俺には通用しなかった。
「待て!そんな訳がない。さっきのは手加減しようとしただけだ」
「そうか。でも一発勝負だったし」
どうしようかなと思ったがふと喉が渇いていたので
「仕方ないなもう一度だぞ。しかし、次も俺が勝ったらDランクのみんなにジュースな」
なんだその条件はと思う人が何人かいるが徳川はその条件を飲んだ。
その後、Dランクのみんなは一人一人の好みのジュースを飲んでいる。
結果として、俺の圧勝だ。相手は剛力と呼ばれているのが俺にとっては雑魚であった。
「いやいや、旅河君。君はとっても怪力なんだね」
と赤木さんがお礼を言ってくるがその金は徳川のです。
「そんことないよ。ちょっとだけ本気でやっただけだから」
そう言うと周りがジョークだと思って笑い出すので俺もなんとなく笑っていると
「あ、あの」
と声をかけてきたのは神河さんである。
「助けて頂いてありがとうございます」
「別にいいよ、神河さん」
助けたのはいいけど徳川は謝らず帰ったな。
〜そして、放課後〜
俺は校門を出て左方面で帰るのだがクラスのほとんどが右方面である。
「じゃ、俺こっち方面だからバイバイ」
と別れを言う。左側には俺を含めて三人いる。
それは、俺と赤木さんと神河さんであった。
「旅河くんもこちらの方面なんだね」
「そうですね。一人暮らしのアパートなので」
「同じだね。僕と神河さんも一人暮らしをしてるんだな」
へー。神河さんは一人暮らしなのは今日聞いたけど赤木さんも一人暮らしとは。
「、、、」
しかし、神河さんは何も喋ろうとしない。
「神河さん、大丈夫?体調が悪いのか」
「違います。私、旅河さんにとっても迷惑をかけてしまったので」
「いいよ別に。二回とも神河さんは被害者だったんだし」
神河さんは下を向いて無言になってしまった。
「おっと、僕と神河さんはここのアパートなもんで、ここで別れだね」
と赤木さんが言い別れを告げようとするが
「いや、俺もここのアパートなんだけど」
うん。見覚えのあるアパートだ。
「奇遇だね旅河君」
奇遇なのか?と思ったがアパートは広いし赤木はさんは一階の部屋だった。
「みんな一人暮らしなんだし今日は一緒に食べないか」
一緒に、か。まぁ、食材は赤木さんが持ってきて来ると言ってるので一人よりはマシか。
「俺はいいけど、神河さんは?」
「私もいいよ」
「ならば決定だね。場所は神河の部屋でいいかな?」
と集合場所を決めると赤木さんは部屋の中に入ってしまった。
「じゃ、俺も一旦は自分の部屋に戻るよ」
と俺は神河さんに告げると二階に上がり自分の部屋の鍵を開けようとすると
「あのー、私の部屋は旅河さんの隣なんですけど」
なにっ!さっきまでは奇跡だと合理化したけど今回は神様のイタズラでは済まないだろ。
「そんなんだ。よろしく」
俺は棒読みで返事をして部屋の中へ隠れるように入った。
「はぁ〜、今日は散々だった」
《おつかれ様です》
カブさんの声を聞こえるのと同時に床に寝転がる。
《マスター、まだ寝てはいけませんよ。これから、食事なんでしょ》
「分かってるよ。今日色々あったから頭が追いついてないんだよ」
《しかし、渡辺さんからの忠告をもう忘れてしまったんですか?》
「えーと、なんの約束だったけ?忘れたちゃった」
《マスターは半神半人なんですよ。あまりでしゃばり過ぎると疑われますよ》
「あっ!思い出した」
二度目の人生初日の出来事を思い出す。
《また同じことしようとしたら止めますからね》
「すいませーん」
でも、よく考えてみたら二回とも神河さんだったことになるな。
偶然が重なりまくってる。
と俺が考え事しようとした時、インターフォンの音がして
「旅河君、準備が出来たよ」
と赤木さんが呼びに来てくれた。
「カブさん、なんとなく頑張ってみるよ」
俺はそう伝えると玄関を出る。
いざ、晩御飯へ!
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