地獄?犬?二度目?
私が目を覚ますとそこは見覚えがある病院の天井だった。
そうだ、小学三年生の頃にみた景色と同じだ。
ふと、隣を見ると高校生ぐらいの女子が寝ている。たしか、タカシの彼女のナオミさんだったかな。
しかし、なんでこんなところいるんだろと記憶を整理して見る。
「まず、お兄ちゃんの誕生日に料理をしようとナオミさんと商店街に行って」
「帰るときの横断歩道でお兄ちゃんを見かけて」
「すると、トラックがすごいスピードでこっちに向かって来て」
「、、、」
「お兄ちゃん!」
そうだ、あのときお兄ちゃんが私とノゾミさんを突き飛ばしてはず。
私が叫ぶと同じ時にタカシさんがドアを入って来た。
「あ、恵衣ちゃん起きたんだ」
「ね、タカシさん、お兄ちゃんはお兄ちゃんは?」
その時、タカシさんは無言のまま何か伝えたい顔をしていた。
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俺は気づくと変な場所にいた。そこは無限に続いている不思議な道。
「俺、死んだのか?」
これは夢なんだと思ったがその希望は一瞬で崩れてしまった。
「ようこそ、地獄へ」
といきなり声をかけて来るおでこに一本のツノが生えた人間が話しかけて来た。
「おい、お前誰だ?」
「私は皆さんが死んだ時に説明を任されている鬼です」
「鬼?鬼ってもっと怖そうな感じじゃないなのか」
「それは、あなた達の考えでしょ、実際はこんな感じですよ」
「そうなのか、でやっぱ俺死んだのか?」
「死にましたよ」
やっぱ、俺死んだんだ。ん、まてよ。
「ここは天国ではなく地獄なのか?」
「はい、ここは地獄です」
鬼は当たり前のようなことを言ってるつもりだか俺は絶望していた。
「俺、なんの悪いことしてないよ、だから天国に行かしてください」
「まぁまぁ、そんな事言わないで説明を聞いてください」
と言い鬼が説明してくれてた。
「まず、死んだものは必ずここに来ます」
「そして、あちらの道を進むと天国に行くことができるのです」
その説明を聞いてやっと理解出来た。とりあえず、不思議な道を歩こうと鬼が示した方を見て立ち止まる。
「鬼、あの道だよな」
「ええ、その道しかありませんから」
「長すぎじゃないか」
「そうでしょうか?」
「何時間かかるの?」
「それは、人それぞれです」
鬼はこっち向いて笑顔で答えてくれる。その笑顔が俺にとっては恐怖なんですが。
「あぁ、わかったよ。で、あの犬はなんだ」
鬼の足元に一匹の柴犬がいて気になったので聞いてみた。
「あの犬もトラックで死んでしまったんですよ」
かわいそう犬だな、俺もそうだけど。
逆に考えて、一人だと永遠と続きそうな道を歩くのは嫌なので犬と一緒に行かことにしよう。
「ワン、ワン」
犬は元気に吠えている。やる気満々だな。
俺は気持ちを切り替えてこの道を進もう。
「鬼さん、短い時間だったけどありがとう」
「ええ、こちらも五十年ぶりに楽しめました」
は?、五十年ぶりと考えたが忘れよう。
とにかく、今は天国に行く為にこの道を歩いて行くか犬とともに。
〜歩き始めて、十分経過〜
歩き初めて気づいたんだか、かなり早く移動している気がする。
途中で何人も抜かしているので鬼が言ってたように人それぞれなのか。これは、俺の予想だが犯罪など悪いことした人は移動が遅いかもしれない。
〜更に、二時間経過〜
「あー、足痛いよ」
といきなり声をかけられて少し驚いた。
「そこのお兄さん。肩の上に乗せてくれないか」
俺は周りを見るが誰もいない。まさしく、俺に話しかけてくるが俺と犬の二人しかいない。
ん、まてよ、まさか、この犬が喋っているのか?
「ワンチャン、疲れたのかな?」
「ワンチャンではありません、茶々丸です」
「うわー、犬が喋ったー」
俺が叫んだ後に犬じゃなくて茶々丸が
「いつの間にか、喋れるようになったんです」
と言ってくるのでそうなんでしょう。
「一応ね自己紹介するわ、神河狢です。よろしく」
「私は茶々丸です。よろしくお願いします」
犬なのに挨拶が丁寧だったので自分の自己紹介が恥ずかしくなったが茶々丸にバレないように話を変えてみる。
「かわいそうだな。俺と違っていきなりトラックにぶつかって、死んだんだから」
「ええ、ですが主人が大丈夫だったのでよかったです」
「主人は飼い主のことか」
「そうです。私の命を救ってくれた恩人です」
そして茶々丸は恩人についての話をしてくれた。
元々は野良犬のグループのボスだったらしいがとあるグループと生活区域で争ったらしい。
結果、争いに負けてグループは解散したらしい生活区域を追い出され餓死寸前の時に主人であるハグミさんに助けてもらって住んでいたそうだ。
「なので、私はどんな事があっても主人を守るのです。だから、今回の事件については主人が無事でなによりです」
だから、言葉使いが丁寧なんだ。
「だから、私はこの道の先にある天国へ行き、もう一度主人に会えるように頼みます」
「そうか、じゃ頑張ろうな」
俺は茶々丸を肩に乗っけて歩いて行く。
〜そこから更に二時間経過〜
俺と茶々丸はいろんな事や雑談をして進んで行く。
もう、茶々丸とは親友みたいな関係になったので長時間歩いている事に気が付かない俺にようやくゴール地点に来た。
「茶々丸、着いたぞ」
「そのようですね。もう、大丈夫なので降ろしてくれても良いですよ」
俺は茶々丸を肩から地面に移してゴールの大きな門をくぐる。
「よく辿り着いたぞ、まさか四年で着くとはたいしたものだな」
いきなり何者かが低い声で聞いて来たので驚いたが、とりあえず話しかけてみる。
「あのー、四年じゃありませんよね。多分四時間だと思いますが」
そう、まさか四年も休憩なしで歩ける訳ないので四時間の間違いと思ったが
「いいえ、違いますよ。ここでの体感時間は一時間が一年なのであってます」
聞き覚えがあるなと思ったら、最初にあった執事の鬼がいた
「久しぶりですね」
と挨拶して来たので軽く挨拶をする。
そして、低い声のものが話しかけてくる
「お主ら、二度目の人生やってみないか」
俺は、は?と思ったがなんとなく質問してする
「それって、生まれ変わるって事ですよね」
はぁー、また赤ちゃんからやり直すのか、とため息が出る前に
「いや違うぞ。前世の記憶を少し残して生まれ変わるんだ」
「半神半人になって!」
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