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力の宿命  作者: 瞳悟空
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新作です。

更新は不定期でゆっくり書くので更新は遅めです。すいません(_ _)


「はぁ。なんか面白い事ないかな…」


俺こと、白鷺力(しらさぎ りき)はごく普通の高校2年生だ。まあ少々特異体質というか特殊な力を持っているが…細かい事は置いておいておくとしよう。とにかく最近は面白い事が全くと言っていいほど何もない。学校に行き、程々に勉強をして、帰って小説を読んで飯を食べて寝るだけ。そんな何も面白くない生活を送っている。友達と遊ぶ?俺も出来ればそうしたいけど無理だ。何故かって?言わせるなよ恥ずかしい!……いないんだよ。べ、別にクラスで浮いてるとかイジメられてるとかじゃないよ?…嘘です、浮いてます。

ま、まあそこも置いておくとしてだな…とにかく面白い事だよ!何か起きないかね、ほんと。


キーン コーン カーン コーン


そんな事を考えてたら数学の授業が終了しました。真面目に勉強しろって言われそうだな。…既に何回も言われてるけどね!…ゴホン。まあ何はともあれ昼休みだ!今日の昼飯は何にしようかな。食堂に行き、食券売場で考えた結果、今日はうな重だ! は?高校生が昼間っからうな重なんて贅沢すぎるって?仕方ないじゃないか。だってこの学校は金持ちが通う学校なんだから。ちなみに俺の両親も金持ちです。大が付くほどの…。羨ましい? 俺は普通の家庭に生まれたかったね!小さい頃から厳しい教育を受け、一言目には家の名に相応しい人間になれだぞ?ふざけんな!自分の子供を人体実験に使おうとする奴が相応しい人間ってんなら俺は絶対やだね!…落ち着こう。落ち着いて今はうな重を食べようか。


「力くん、お隣よろしいですか?」


「麗華か。…好きにしたらいいさ」


こいつは同じクラスの九曜 麗華(くよう れいか)。俺の親父と麗華の親父は仲が良い。何故か分かるか?俺を仲良く人体実験に使おうとしてるからだよ!…はぁ。そのためか麗華は度々俺に接触してくる。決して友達ではない。親の事さえ無ければ仲良くしたいとは思うけど、何を考えているのか全く分からないから怖い。容姿は凄く良い、全国でもトップクラスと言えるくらいに。スタイルも抜群だし、俺と違って真面目だし、人気者だし…。グスン


「力くんは最近、何をして過ごしているんですか?」


いきなり探りを入れて来たか。どうせ親父達に頼まれたんだろう?ここ最近、親父に会わない様にしてるからな。


「別に。家で小説読んでるだけだよ。」


「この前買ったファンタジー系の小説ですか?面白かったですか?」


「え?なんで知ってんの!?」


思わず声に出ちまったよ。まじかよ。親父達はそこまで俺に監視を付けてたのか!


「ふふ。力くんのことなら何でも知ってますよ!昨日、遅くまで小説を読んで寝不足だってことも…。」


そう言いながらスッと栄養ドリンクを出して俺に手渡してきた。まじ怖いんですけど。え、なに?俺の部屋に盗聴器とかカメラとか仕込まれてんの?一ヶ月前に調べた時は何も無かったはずなんだが…。


「しっかり寝てくださいね。寝不足は体に毒ですから。」


そう言ったっきり喋らず綺麗に食事を済ませ、食堂を出て行った。俺のうな重はまだ半分近く残っている。俺はこの時決めた。一週間に一度は部屋のチェックをしようと。




食事を済ませ教室に戻ってきた。教室では各々でグループを作り、楽しく喋っている。麗華も数人の女子と楽しそうに喋っていた。俺?俺は勿論一人だ。悲しい。


もうすぐ授業が始まる時間になって、喋っていた者達が自分の席に戻り始める。そろそろ教師がやってくるかな、と思った時に俺はふと違和感を感じた。何だ?何かおかしい。そう思った瞬間に床が輝き、ヤバイと思った時にはどうやら遅かったようだ。見渡すと大理石で出来た祭壇のような場所にいた。


「何?ここどこだ?何が起きたんだ!?」


「え?え?……え?」


「何だよ、何なんだよこれ!」


みんなパニック状態だ。俺も吃驚した。まあ吃驚しただけなんだけど。クラスのみんなを見渡すと麗華も吃驚してるようだった。口を少し開けてポカーンとしている。ちょっとかわいい。…ゴホン。どうやら俺も吃驚して、冷静になれてなかったようだ。取り敢えず現状把握だ。もう一度辺りを見渡すと、どうやら体育館ぐらいの広さで、神殿みたいな建物の中にある祭壇に立っているようだ。正面の階段を降りた先に両開きの大きな扉が特徴的だ。


「…転移した?」


「どういうことだ?」


俺の小さな独り言が聞こえたようだ。俺の前に立っている男、楢崎 勇司(ならさき ゆうじ)が喋りかけてきた。こいつはクラス…いや学校内で一番人気の男だ。真面目で優しく容姿も抜群だ。成績も優秀で、剣道の全国大会で優勝する程の運動神経をしている。所謂、完璧超人というやつだ。ちなみに親は政治家らしい。


「漫画や小説じゃあよくあるだろ?異世界転移ってやつ」


「これは現実だ!現実にそんな事が起こるはずがないだろ!」


…いや、それ以外にこの状況をどう説明しろと?誰にも気付かれずに、瞬く間にみんなをこんなとこに誘拐したとでも?それを現代科学で実現させたとでも言うのか?それこそ非現実的だ。


「じゃあこの状況をどう説明するんだ?」


「今、世界情勢は不安定だ。どこかの国が僕達を攫って、政治の道具にしようとしてるんだ!」


この子も落ち着いているように見えて、案外頭の中は混乱してるんだろう。そんな君にはこの言葉をプレゼントしよう。


「現実を見ろ」


「なっ!僕はしっかりと現実を…!」


楢崎の言葉は途中で遮られた。大きな両開きの扉が開く音によって。


「皆様、色々と困惑されているかもしれませんが、どうかお聞きください。私はこの国、オファール王国の第一王女をしていますミラシール・ファン・オファールと申します。ミラとお呼び下さい。」


「「「「…」」」」


開かれた扉から豪華なドレスを着た美女と意匠を凝らした服を着た男達が現れた。全身鎧を纏い、槍を持った者達を30名程後ろに引き連れて…。



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