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誘われちゃったのよ

 俺は八つ橋と日本茶を交互に飲み食いしながら先生の話しを聞く。あー八つ橋うめぇ。


「実はね知り合いに美術展のチケットを頂いたんだけど二枚あってさ」

「はあ」


 先生は顔をちょっと赤らめながらうつむきがちにそう話す。まだ熱でもあるの?


「僕が二回行くのもいいかなぁって思ったんだけどせっかくだから誰かと一緒に行きたいじゃない?」

「はあ」


 じゃない? って言われてもんなの知らねぇよ。何が言いたいんだ先生は。

 なんかもじもじ話してて気持ち悪いし…

 こうしてちゃんと見るとこの人顔は結構いいんだけどなぁ。体は細いけど。やっぱり中身がナヨナヨしてるしちょっと頼りないんだよな。


「で、でね。良かったらまぁくん一緒に行かない?」

「はあ!?」


 思わず大きな声を出してしまう。だってこいつふざけてるでしょ。そんな寝ぼけたこと言うために俺を呼び出したの? 俺仕事あるんですよ?

 本当に馬鹿作家……もう怒りを通りこして可哀想になってきた。でも誘いは断る。こいつと出かけたら疲れるに決まってる。


「せっかくですけど─」

「美術展の近くにある三ツ星レストランで食事しようよ。奢るよ?」

「ぜひご一緒させていただきます」

「わぁいやった!」


 奢りで旨い飯が食えるならもう喜んで! ちょっとこいつの我が儘我慢すればいいだけだもんね。


「楽しみですね」


 思わず笑顔でそういうと先生が一瞬固まり、次の瞬間ぶわわわっと顔を真っ赤にさせた。


「まだ熱あるんですか?」

「うっ、ううん! な、ななんでもないよ!」


 先生は顔を赤くしたまま手をブンブン振って否定する。

 ならいいんだけどさ。うつさないでね。

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