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田舎デート 一

一つにまとまりきれなかったので複数にわけて投稿します。

 電車に揺られて二時間。特に体系的に問題はないだろうけど、エコノミー症候群にならないように途中途中で立ち上がったり座ったりを繰り返していたので変な人に思われただろうな。

「ところで帝さん。どこに行くつもりなんですか?」

 座ると共に隣に座っている帝さんに聞く。帝さんは答えずにコクコクと首を上下にふるだけだった。

「帝さん!」

 すでに乗っている乗客は少なくこの車両も私たちを除けば四五人しかいない。

「なぁに? みちるちゃん……」

 後一駅で終点です。ちなみに私は目的地は知りません。とりあえず乗っているだけなんですがね。

「なぁに、じゃありません! 一体どこまで乗ればいいんですか?」

 こっちは次で終点なんです。終点まで乗ってどうするんですか!

「もう、終点に着いたの?」

 うわぁ、終点まで行くのですね。とりあえず、ここら辺って牧草地帯ですよね。天皇がたまに休みとかに訪れたりすることがあるところですよね! いや、その近くってだけですけど……とは言ってもすでにお昼過ぎてますし入れる時間って少ないんじゃないですか。

 夜は私、兄と一緒に過ごしたいですからね。最近、デートのために勉強切り詰めていたんですから。

「そろそろ着きますよ……一体どこへ行くんですか?」

「牧草地。俺が引っ越す前にいた所。こっちのほうが詳しくてさ」

 ニッコリと笑う。そういえば、この人、動きやすい格好でとか何にもなかったけど一人だけ汚れてもいい服、着てきたのか……。

 こっちはとびっきり考えて普段は履かないようなヒールの高い靴、それに合わせてニーソにガータベルト、ワンピースだけど超絶ミニのスカート。それに薄手の上着。下着までとか当たり前すぎるな。でもな、何っていうかこの服装はな……。

「道瑠ちゃんの靴。スニーカーとか売っている所無いんだよな……」

 今になって気付いたのか。まぁ、ヒールの靴は歩き慣れているけどちょっと高すぎたかもな。今日は。

「まぁ、気をつけてよ。しっかりエスコートするから」

 エスコートする? もうすでにエスコートしきれていないのですが……。そろそろキレてもいいですかね?

「帝さん、あの……クレームというわけでは無いのですがね。ちょっと言ってもいいでしょうか?」

 まぁ、クレームだけどね。なんでこんなことになっているっていう。

「うーん。ダメかな……」

「それじゃ、言わせてもらいますね。なんで事前にスニーカーはいてきてとか汚れてもいい服で来てって言って欲しいんですけど」

 話を聞いているのかって聞かれたら聞いてないって言っちゃう。文句の一つや二つぐらい言わせてよ! たまにははっきり言わせてもらいたいな。私はノート言える日本人ですから。

「だって、言ったらどこ行くかって分かっちゃうじゃん。

 俺、嫌だよそんなの」

 そんなのとは、なんだ。だいたい、そんな汚れて良い服とかスニーカーとかじゃどこ行くかなんて予想しないわよ。はっきり言いたい。言ってもいいけど、これ以上何か言っても改善しないのはわかっているので。

「はぁ。夜には帰れますよね」

「うーん? 光輝には遅くなるって伝えておいたよ。泊まるとは言っていないから帰るっておもっているじゃないのかな」

 な・ん・で・かっ・て・に、お兄ちゃんに言っているのかな? 私が連絡したいのに! お兄ちゃんに心配かけるようなことになっているのよ!

「だから、終電に間に合うようには帰るよ!」

 あぁ、もうこの人と一緒にいると調子狂うな。この人らしいって言ったら終わりだけどね。

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