一緒にいたいの!
私の彼氏はお兄ちゃんのことが大好き。彼女の私をほっておいてお兄ちゃんと遊ぶな! そこ私と代われよ!
「帝さん、何しているのですか?」
お兄ちゃんにもたれかかっている私の帝さん。私だってたまに膝枕してくれるくらいで昔みたいに抱きついたりすると怒るのに。なんで帝さんならいいんだろう。
「あぁ、デートの誘いに来たんだけど大学院に居るって言うから一緒にゲームしていた」
メールくらいしてくれればいいのに。彼氏に尽くすのも彼女の私の役目でもあるのに。何よそれ……。
私だって大学院の勉強終わったら帝さんなんて放っておいて兄に抱きついて胸板に顔をスリスリさせて甘えたいんだからね。
「それなら電話なりメールなりしてください。今日の朝だってモーニングコール掛けたじゃないですか……」
毎朝七時ぴったりに電話をかけている。その一時間前には起きて一週間に三回、不定期的にお弁当を作っている。彼女というのかどうでも良いけど自分に彼氏ができたら絶対にすることだ。まぁ、兄へのお弁当は自分のと一緒に毎日作っていますがね! ブラコンじゃありませんよ。こんなものあたりまえじゃないですか。お兄ちゃんのためなら。
「道瑠は彼氏思いだな。毎日、メールも電話もしているんだ」
「もう、私たちラブラブなんだから! お兄ちゃんも心配しないで彼女でも見つけちゃってください!」
こんな素敵なお兄ちゃんだものきっと皆好きになる……よね……。
「それより帝さん、兄と何のゲームしていたんですか?」
兄はもともと病気で強い光が苦手である。そのためテレビを見ることも無ければ外に出かけるいや、家の中でさえずっとサングラスをかけている。色は時によって違っている。今日は薄い茶色である。
「しりとり。道瑠ちゃんもする?」
なんというか、子供っぽい遊びというか、帝さんはお兄ちゃんについてよくわかっているなって思う。それもそうなんだよね。今、帝さんが興味が有るのは彼女の私でなく彼女である私が一番、大切だっておもっているものだものね……あれ。なんでこんなこと思うのかな。私は、彼氏のこと……どうしてだろう……。
「道瑠。出かけてきたら。家じゃゆっくり出来ないだろうし」
し? そんな。私はお兄ちゃんと一緒に、じゃ無かった。今は帝さんとの時間を大切にしなきゃならないんだよね。寂しいけど。
それは仕方ないよね。さて帝さんとどこに行こうかな。
この後、デートの話になります。