遊園地で迷子!? 2
次はジェットコースターに乗ろうとした所、二人の男性客に声をかけられた。まぁ、くっだら無い誘いだとは分かっているんだけどね。
「すいませんが、ジェットコースターってどこですか?」
後、数メートル進めばあるし、レールも見えているのにそれを聞くかな? なんて、思ったらいけないのかな。
「向う側にあるんじゃないですか?」
と、入り口がある方を指をさす。仕方ないから他の乗り物の所に行こう。この近くだったら、何があったかな? メリーゴランド? だったけ。一人で乗るにはちょっとな。少し歩いてみるか。お昼も少し過ぎたしフードコーナーも空いてきたと思うからそっちに行くのもいいかもしれないね。
「そうなんですか? もしよかったら、一緒に回りません?」
なんで、そんな提案するのかな。もしかして、アリス狙いか? コスプレじゃないけど……いや、そういってもコスプレに見えるか。傍から見れば。
「いえ、私は今追いかけっこをしている途中なので」
断り方がおかしい。普通にそう思うな。
「追いかけっこって、それで、誰と追いかけっこしているの」
しつこいな。うーん。なんて言えばいいのだろう。
「ウサギを追いかけているんです」
実際はウサギ側は私なんですけどね。アリス側が彼で。
「ウサギって本物のウサギ?」
「……本物ではないですよ。人間の格好をしているので」
あれ、なんだかおかしい。うーん。何がおかしいのかわからないけどやっぱりなんかおかしいよ。なんで、この人達にこんなこと教えているんだか。
「それって、君……ストーカーなの?」
「そんな訳ありません! 私の彼氏を追いかけているんです! 邪魔しないでください」
本当に邪魔だな。蹴り飛ばしていいですかね。
「え。す、すいませんでした! 呼び止めて悪かったね。彼氏逃げないようにしっかり追いかけなよ」
急に血相を変えて二人はジェットコースターの入口の方に走っていった。
「ああ言う、男はとっとと絞めちゃったほうがいいわよ。滑られて一生付きまとわれるから」
えっと、彼女はお兄ちゃんのいつだったか忘れたけど彼女さんだった人……この人とは結構、長く続いたんだよね。帝さんの邪魔とかなしに。しっかり付き合えた人とも言えるのかな。名前は知らないんだけど……ね。
「光輝くんの妹さんだよね? 私は夏恋。……って言っても知らないか。とりあえず、はじめまして」
夏恋さんって言うのか……。改めて見ると美人さんだな。スタイルいいし、理想的な彼女って言うのかな。
「はじめまして。私は道瑠って言います」
挨拶をするけど、これじゃ変かな? うーん。でも、言うこととか、何て言ったらいいかわからないからな。無難なところを言っておこうかな。
「あの、おにぃ……兄とはどういう、ご関係何ですか?」
「あぁ、元カノだよ。別れて以来は会わないようにしているけど」
ニコニコ笑顔で答えてくれる。あぁ、この人ならお姉ちゃんになってくれたら嬉しいのにな。
「会わないように?」
そういえば、そうだよね。お兄ちゃんの元カノってたまに連絡して会ったりしているけどこの人に限ってはそういうこと、今まで一度もなかったな。
「あ、そうそう、私レディースやってたからね」
それも知っています! とても強いお方でした! それでも綺麗で本当にお兄ちゃんを守ってくれうるから一番、お姉ちゃんになって欲しいなって思う方でした! 馴れ初めは別としてですが。
「じゃない、帝くんから連絡あって、これは面白いことになった、って思ってきたんだけどまだ、帝くんと会っていないよね」
この人、本当に楽しそうに話すな。
「はい。まだ会っていません」
「そうかそうか、やっぱりな。それじゃ、あと、一時間後にフードコーナーに行ったほうがいいよ。今、帝くんその辺り探していると思うから」
うーん。どうしてこの人は私がフードコーナーへ行こうとしたことがわかったんだ? そして、帝さんとはどういう知り合いなんだろう。
「あの、どうしてそんなことを言ううですか? 帝さんに探すように頼まれたんじゃないんですか?」
これほど、親しいのなら探すように頼まれていてもおかしくはない。私は結構鋭いのだ! いや、さすがに夏恋さんのとは程遠いでしょうが、帝さんよりは上だと思います!
「そうだな、私が帝を嫌っているから、かな。そうだな、アレに乗ってから考えようか」
夏恋さんが指を刺したのはジェットコースターだ。うーん。そうですね。私も乗りたかったし行こうかな! 夏恋さんとはもう少し話したいし。
思っているうちに夏恋さんが私のことを引っ張ってジェットコースターの列に並んだ。
「帝くんには悪いんだけど、やっぱり許せないのよね」
突然口を開かれて私は戸惑うことしか出来なかった。
夏恋さんは、何の話をしているのかよく分からないけどとりあえず、聞くことに専念する。
「光輝くんから全てを奪おうとするの」
え? それはどういうことでしょうか。夏恋さんは気付いているんですか? 二ノ宮帝のほんとうに怖いところを。
「だから、私は貴方がどう思っていようがこの恋愛は絶対に成立させる気は無いから。言っておこうと思って。貴方には」
あぁ、本当に兄を慕っているんだ。だったら、私もこの人に言わなくちゃならない。帝さんのことについて、そして、お願いしなくちゃならない。お兄ちゃんのことを。
「夏恋さん、私は二ノ宮帝という男を好きではありません。でも、兄から恋人を奪われないように付き合い始めました」
夏恋さんは驚いているようだけど、優しく笑った。
それと同時にコスターに乗る。しばらくだまり、指導員の支持に従う。
走りだしてからまた、夏恋さんに伝える。
「もし、今でもお兄ちゃんを愛していたのならお――」
次に言う言葉。お姉ちゃんになってください。しかし、それはその他大勢の悲鳴のような叫び声で消し去ったけど。きっと夏恋さんは私の言いたいこと分かってくれたよね。自分勝手だろうけど。これでいいんだ。
ジェットコースターから降りて地上に出る。夏恋さんのほうを振り向いて声をかけた。
「夏恋さん」
夏恋は反応して、不思議そうに首を傾げる。
「一緒に乗っていただいてありがとうございました。でも、これは私と彼の問題ですから。よろしくお願いします」
うん。これでいいんだよ。これは私と彼の追いかけっこだから。だから、これからはちゃんと自分だけで逃げる。
「そう。それじゃ、他の人も引かせちゃうね。帝くん、色々な人にメールしてるから。部外者は無関係のほうがいいものね」
それって、焦っているってこと? 帝さんを焦らせることができたんだ。それならちょっと得したかも。
夏恋さんにお礼を言って笑う。そして、会釈をして別れた。次に行く所はそうだな、コーヒーカップ(ティーカップ)でもあったら乗りたいかも。




