お誘い!
私はお兄ちゃんが大好き。ただそれだけだったのに。なんで、私は他の人と付き合うきなんて無かった。お兄ちゃんが幸せになるだけのゲーム。いや、違うか。ゲームなんかじゃなかったね。これは、ただの復讐なんだよ。
「ねぇねぇ。道瑠、今度デート行こう、デート」
帝さんが兄から離れたのはいいのだけれど今度は私につきまとうようになるなんて。予想していなかったな。
「デート! デート行こうよ」
しつこいくらいにデートに誘ってくる男、二ノ宮帝。返事をしてもいいがなんていうかこう、近くの公園にでもいこうという軽いノリで話しかけられているのが納得いかないな。
「道瑠、行こうよ」
「しつこいです、帝さん」
うるさいな。これ、了解するまで絶対に言ってきますよね。ふざけるんじゃないよな。
「それじゃ、行こう! そうだな、遊園地行こう、遊園地!」
遊園地って子どもです……子どもだったよね。発想が。まぁ、アミューズメント系には最近行っていなかったし別にいいかなとは思うけど。本当に子供っぽい所に連れて行かれそうで怖いよな。
「遊園地、遊園地!」
駄々っ子か。遊園地って言って他のこと言わなくなっちゃったよ。
「遊びにだったらいいよ」
何て言うか、これじゃ、ツンデレみたいな受け答えじゃない。別にこの人に照れることなんて何もないのに。
まぁ。当の本人ははしゃいでいるからいいか。それよりも、今日は何作ろうかな。帝さんいるから簡単に作れるものにするか。
遊園地なんだしお弁当とかはいらないよね。デートじゃないから彼女っぽいことはなにもしないからさ。




