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ガヴァエルとの戦い

第36章 ガヴァエルとの戦い


「はぁ、やっぱり意図的なのか?ベラエルの記憶から聞こえてたと思ってた声は、記憶じゃなく君が直接語り掛けてきてたんだろ!」


その紫と漆黒に包まれた魔天使は、微動だにせず、ただハルを見つめていた。

その瞳に、まだ感情はない。だが、確かに何かが揺れた気配があった。


(くそ...ダメか..『アテナ!!』)


『はい。ハル様』


「《熾天創生》!創造、天聖剣ヴァルキリオン!」

「《熾天創生》!創造、マギアブレード!」


『熾天創生の詠唱を確認。エクストラアイテム天聖剣ヴァルキリオンに

エクストラソードスキルマギアブレードを付与』


ハルが詠唱し天聖剣を作り出し、その直後マギアブレードを天聖剣に付与した。その力はガヴァエルに匹敵した。


そして空中で体を反転させ、ガヴァエルに斬りかかった。

ガヴァエルはそれに反応してハルの剣を受けた。


その顔を見たガヴァエルは、何か思うことがあるような顔を見せた。


「あなたは...ベラエルじゃない...」


ベラエルじゃないの一点張り。

ハルは激しく空間が歪むほど猛攻を続けた。

しかも空中で。


「だから!ちがうって、俺はベラエルじゃない!」

「俺はベラエルに君を託された!救ってくれって!」


その言葉に一瞬ガヴァエルの剣が緩んだ。

ハルは地面に足を着けた。


(なんだ、攻撃がまともに入らないけど俺の言葉ひとつひとつに反応してる)


そんなことを考えてるハルにガヴァエルが言った。


「...あなたの《熾天創生》なんで...人間が...ベラエルのスキルを使えるの...?」


ハルは理由を話そうとした瞬間。


「これはっ...」

「!?」


「あなたが....いや...人間が...ベラエルを殺した...」

「許さない!」


ガヴァエルの大きな誤解により、話し合いは不可能となった。

その大きな声といっしょに発せられた強大なオーラは、辺りの草木を腐らせ、信者たちは精力をガヴァエルに吸われ死にゆく。


そして先ほどより空間は歪み、海は大きく波打った。


ガヴァエルは天使なんて呼ぶには程遠く、名の通り魔だった。

だがその可憐な顔は変わらなかった。


ハルはこれ以上の話し合いは不可能と判断し歯を剝き出しにした。


「くっっっ....」

「わかったよ。じゃあ俺も全力で行かせてもらうね」

「力の全開放なんてしたことがないけど、今なら何でもやれる気がする」


『スキル:超集中を獲得しました』


ハルはアテナの声も聞こえないくらいの魔力を開放していた。


小さな島に、紫のオーラと青のオーラがぶつかり合っていた。


「ベラエルを返して!!」

「《天宰創生》!創造、《黒天剣》」


(なるほど、天使によって熾天創生ジェネシスの呼び方は違うのか)

(ガヴァエルの場合は天宰創生か。)



「来いよ、ガヴァエル」


豪速でガヴァエルが来る。ハルはかろうじて受け止めた。

吹き飛んだ。


ハルが転移されたところよりも、さらに奥まで。


ハルはすぐに体制を立て直し、木にぶつかりながら受け身をしすぐにガヴァエルの元まで戻った。


その時間わずか1秒。

ガヴァエルはそれを予測できず、頬を浅く切られた。


「くっ..」


ハルは天使の羽がついてるような動きをした。

ハルがガヴァエルの元に戻っている1秒間の間にスキルを発動し、加速した。


ハルの眼は青く光っていた。


《スキル:天使の翼》


「また...ベラエルの...翼...」


ハルが見つめる先にいるガヴァエルが一瞬で消えた。

その姿が見えているかのように、ハルもそれに対応していた。


速度は互角、人から見たらほぼ何も見えないくらいの速度だ。


剣のぶつかる音だけが島に響く。

双方地面にたたき落され、吹っ飛ばされその繰り替えし。


だが、互角かと思われたぶつかり合い。じわじわとダメージを受けているのはガヴァエルの方だった。


「私のほうが強い。私は魔天使!」

「なぜ人間ごときに...」


上にいたハル、見下ろす先にはガヴァエル。

ハルはその目を見て言った。


「お前が愛した人間を侮辱するのか?」


ガヴァエルのその目は潤んでいた。


「苦しいだろ、魔天使としての存在が。お前心まで魔天使になっちまったのか?」


「お前は人間を愛した。それがベラエルだろ?」

「俺に聞こえた声は記憶から来たのか直接語りかけてきたのかそれは分からない」

「だが、あの声は決して人間を恨んでるような声じゃないだろ」


その言葉にガヴァエルから涙が零れた。


「あなたは...召喚者...?」


その言葉はまるで最初からこうなるとわかっていたかのような言葉だった。


「もしかして....」


「私は....解放されたかった...ベラエルのマギアブレードを奪いそれで自決して、あの人と一緒に眠りたかった....」


ガヴァエルは大粒の涙を流した。

その姿はまるで子供のようで、ずっと抱え込んでいたすべての想いを今、開放するようだった。


「私は...召喚者を封印する前に呼んだ...」


「ベラエルはもう死が...近かった。だから、ベラエルの...血を引く者を召喚した」


「すべては...私の死のために...天宰創生を使い計算した」


ハルをこの世界に呼んだのはガヴァエルだった。

ベラエルの死、ベラエル(水上セツナ)の子孫、ガヴァエルの封印。

それらすべての条件がそろっていたのが、水上ハルだった。


必ずハルがこの世界に来て、アテナ(管理者)が付き、

ベラエルと接触し、力を手に入れガヴァエルを開放することで

すべてに終止符を打つ計算だった。


(さすが創造主と言われる所以だな、この世界の歯車も変えれてしまうのか)



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