降臨する魔天使
第35章 降臨する魔天使
「『アテナ』魔力の発生場所に転移することはできるか?」
『多少の誤差はありますができます。実行しますか?』
「ああ」
ハルは一気にガヴァエルの元に行くために転移魔法を強化し、さらに具体的に目標を設定し、そこに転移するように魔法陣の構築をアテナに頼んだ。
『魔力発生地特定。対象物 魔天使ガヴァエル、位置特定。転移を開始します』
青い魔法陣から白い光に包まれハルは転移した。
『転移成功です。対象との距離誤差200mです』
「上出来!」
ハルは駆けだした、200mなんてハルにとったら何も変わらない距離だからだ。
ハルは転移地点から物の数秒でガヴァエルの民の集団を見つけた、
(あれがガヴァエルの民か....)
「『アテナ』ここからの距離は?」
『はいおそよ70mです』
「近づきすぎたか?にしても、あれがガヴァエル...とてつもない迫力だ」
空間そのものを歪めるほどの紫の魔力に包まれ、
片方には漆黒の翼、もう片方には天使の名残を留める白い翼。
左右で形も質感も異なる翼が、ゆっくりと大気を揺らしている。
顔立ちは整っている。
あまりにも、整いすぎている。
だが、その瞳には感情がなかった。
目の前の世界を見ているというより、
世界そのものを測っているような視線。
「すごい迫力だな、もう行くしかない」
ハルは覚悟を決めた。
ガヴァエルに向かって走り出した。
近づいたとき大きく飛びガヴァエルの民の後ろに大きな地響きを鳴らしハルは着地した。
「よおガヴァエル、俺の事わかるか?」
ハルは恐怖より、なぜか楽しさのほうが上回っていた。
(なんだこれ、すげえ楽しいっていうかわくわくする....)
ガヴァエルの民がハルに襲い掛かろうとする。
「なんだ貴様は!われらの神聖な儀式を邪魔するな!」
ハルは襲い掛かって来たガヴァエルの民を斬ろうとした瞬間、ガヴァエルの民が背中から血を吹き出し倒れこんだ。
「は?」
状況が理解できないハル。
ガヴァエルの方へと目を向けるとそこには紫のオーラを纏った剣を持っていた。
ハルは瞬時に理解した、ガヴァエルがやったと。
そしてガヴァエルが言葉を発した。
その声はあの時、転生する前に聞いた声と転生してから聞いた声。
変わらないあの透き通った声だった。
その時ハルには分かったことがあった。
「ベラ...エル?」
「来て...くれた...の?」
その声はどこか淋しそうだった。
ハルは会話を試みた。
「ごめんベラエルじゃないんだ」
「けど、ベラエルの血を引いてる。君のことはベラエルからすべて聞いてる」
それを聞いたガヴァエルは、顔を背けただ一言。
「じゃあ、いらない。死んで」
ガヴァエルは剣を振ってない、なのに斬撃が飛んできた。
ハルは理解するのに時間はかからなかった。
《熾天創生》だ。
(くっ、ガヴァエルは熾天創生で斬撃を繰り出してる)
(しかも、仲間もお構いなしで殺すのかよ..)
ハルはその斬撃をよけるので精いっぱい、避けてる最中にも
ガヴァエルの民が攻撃をお構いなしにしてくるそっちもいなさないといけない。
(くそ!これじゃ埒が明かない!)
ハルは避けながらガヴァエルに叫んだ。
「君は!」
「ずっと待ってたんじゃないのか!俺の頭の中に直接語り掛けてたのは君だろ!?こんなことはしたくないんだろ!」
ガヴァエルがピクっと目を見開いた。
まだ襲い掛かってくるガヴァエルの民に魔法でハルは蹴散らした。
「上位魔法:《終末の黒炎》!」
「無詠唱の闇魔法!?」
「ぐわぁあ!」
残りのガヴァエルの民はハルへの攻撃をやめた。




