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転生者と召喚者と天使ⅲ

第29章 転生者と召喚者と天使ⅲ


ハルは最後の本ⅲを開いた。

そこには戦争の後の話が記してあった。


『堕天戦争に勝利し、ガヴァエルが封印されたと知った俺は天使の姿を隠し人間のために戦い各地を転々とした。

俺はそこでこのイグロス王国に足を運んだ』


『当時のイグロス王国は貧相な国だった。食もろくに取れていない、家も服もボロボロ、

本当にこれが王国なのかと目を疑った』


『俺はこの国で召喚者ではなく、転生者と名乗り国のために戦った。隣国の使い龍デルベッダドラゴンをマギアブレードで討伐し、

イグロス王国のために

復興をし、最後の拠点にしようと思い王国を作り上げ、王になるための民を選び

名をイグロス・メルベックと名付けた』


『また、ここの国民にはステータスが見えるようにし、

国のさらなる発展のために職業につかないとステータスが見れないという縛りを課した』


『王族には転生者の詳細をすべて話した。ステータスがMAXなことや、どこから来たのかエクストラスキルの説明など

自分が天使ということ以外、すべて説明した』


『そして俺には子どもがいた。転生する前にいた世界の子ども、そして天使になり、ガヴァエルとの間に授かった子ども』


『俺の元の名前はミカミ・セツナ。ガヴァエルとの間に授かった子供の名前は俺の元の名前を取って、

セツナ・ブランフォードと名付けた』


『人間から天使に進化した俺は元の遺伝子は、人間ベースだった。だからガヴァエルとの子どもは人間の子が生まれた

その子どもには《天使の加護》というイネイト・スキルを授けた。そしてこの血を引く者すべてに、同じ加護が宿るよう、刻み込んだ』


ハルは言葉が出なかった。そこに書いてあったのは600年前の転生者は、なんとハルの先祖だった。


そしてガヴァエルとの間に生まれた子供の末裔はそう、騎士団長のカイゼル・ブランフォード。

ハルとカイゼルは腹違いの兄弟だった。


その壮絶な物語にハルは膝を崩し泣いた。

苦しかったのは自分だけじゃなかった。

600年前にもっと苦しく、辛い思いをしたのが自分の先祖であった。


まだ続きがあった。

ハルは前が涙で見えなくなった目を拭い、続きを読んだ。


『そして俺は、ドラゴンを倒し国を復興させた後はカルミエルの墓に行った。そしてカルミエルをアイテム化し

「カルミエルの血」をもって遠い小さな島国に籠った』


『俺にはまだやることがあった。必ずガヴァエルを元の天使の姿に戻してもらうために、次の転生者には加護を付けようと思った、

その加護の名前は管理者アドミニストレータと名付け、次に異国からの血が入ってきた瞬間にそれが起動する仕組みにした』


『管理者には俺のマギアブレード、様々なエクストラスキルを使えるように、そしてステータスを初期からMAX状態にし、戦闘経験などで所有者のレベルを上げられるようにし上限をなしにして新たなスキルや魔法を覚えるように設計した』


『また、その宿主をサポートし全知全能にしガヴァエルや天使の情報は最小限にした』


『そうしないとガヴァエルは倒せない、ガヴァエルはそれくらい強大な力を持ってしまったからだ』


ハルはすべてを読み切ろうとしていた時。最後のページを開いた。

そこには魔法陣と続きの文が書いてあった。


『これを読んでくれた君は多分転生者だろう。この本に導かれるように目が止まりこの本を

開いているはずだ』


『この魔方陣は俺の力に加え、カルミエルの血とベラエルの涙が入手できるようししてある。

そしてこれを読んでいる転生者がもし俺の名を継ぐ子孫なら、君なら必ずガヴァエルを救ってくれると信じている』


『健闘を祈る、ありがとう』


すべてを読み切ったハルに訪れたのは、感情に浸る隙もない

次なる力への入手だった。


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