Sランク悪魔ベルベラ
第20章 Sランク悪魔ベルベラ
邪悪な魔力を放ちながら、ゆっくりと近づいてくる「なにか」それに気づいたハルは皆を後方へと避難させる。
「ミアたちは下がって物陰に隠れてくれ!魔力をできるだけ浴びないように簡易な結界で身を守るんだ!」
「ハルはどうするの!」
ミアが心配そうにハルに叫ぶ
「ダンジョンはボスを倒さないと出られない!こいつは俺がここでやる!!」
「ハルを信じようミア。逃げるぞ」
ゼオンはハルのことを信じてミアとイリスを逃がす。
そして姿を現したのは死神のような特徴をしたものだった。
赤いマントフードを被り、手には歪んだ鎌。骸骨のような顔の奥で、赤く光る眼がこちらを見据えている。
足は地面に触れておらず、
存在そのものが宙に浮かんでいた。
「『アテナ』こいつは何者だ」
『はい。解析の結果。この魔物の正体の名は呼称レッサーデーモン。ギルドモンスターランクSに登録されている悪魔系上位魔物です。』
「上位魔物...なんでそんな奴がここに!?」
その問いに答えるかのように骸骨の口がゆっくりと開いた。
「我が名はベルベラ....人間、我の膨大な魔力量を浴びて意識を保てているとはなかなかやるではないか」
低く鈍い声が耳に響き渡る。
ハルはベルベラという魔物を睨みつけながら言った。
「しゃべれるのか、なぜこの下位魔物しかいない洞窟にお前みたいなやつがいるんだよ」
「我は、激しい戦いを重ねてきた。
そこで刈り取った魂は、次なる進化のために溜め込んである。だが足りなかった、
この洞窟に湧き出る雑魚を狩り我の魂となることで次なる進化を狙っているのだ」
「要は我の餌場と言ったところだな」
ベルベラの身勝手な発言にハルは状況を指摘した。
「お前のせいで生態系のバランスが崩れてんだよ、しかもダンジョンのボスまで上書きしやがって」
「人間よ貴様に我が倒せるなら倒してみるがいい」
ベルベラはハルを煽り勝負に挑んだ。
ハルは戦闘態勢に入り、まずは魔法を打ち込んだ。
「はああ!」
洞窟内が巨大な爆発音とともに大きく揺れた。
上位火属性魔法をベルベラに打ち込んだ。だが、ベルベラはそれを喰らってもなお健全だった。
「やるな人間、上位の火属性魔法。そして無詠唱」
「だが、この程度で我が死ぬと思ったか?」
ベルベラが鎌を持って、ハルに襲い掛かってきた。
「くくく、死ね人間そして私の進化の糧となれ!」
ハルは剣を抜き歯を食いしばりながら、ベルベラの鎌を受け止めた。
その一撃で、腕に鈍いしびれが走る。
「ばかな!攻撃を止めた!?」
ベルベラは距離を置いた。
ハルは、ベルベラを煽り返した。
「あれ、攻撃防がれるの初めて?そんなに距離とっちゃてさ、動かないと君に死ぬよ?」
(なんだこの違和感....)
ハルは思いっきり踏み込み、ベルベラを斬ろうとした。
「ふっ!」
だが、ベルベラに攻撃が当たらなかった。
「な!?」
ベルベラは持っていた鎌の持ち手で、ハルのみぞおちを殴った。
「どうした人間そんなものか?」
ハルはすぐに立ち、剣を構えた。
(なんで剣が通らないんだ、スキルの一種なんだろうけど...)
「『アテナ』何か有効な手はあるか」
『はい、悪魔系魔物に有効なのは光属性魔法です』
「了解..」
ハルは立て続けにベルベラに剣を振っていた。
「我に物理攻撃は効かぬぞ?さっきので分かっただろう」
(なるほどな....)
ハルはさらに速く斬りこんだ。
何度も斬撃をベラエルに打ち込んだがダメージはない。
「愚か!」
ベラエルが鎌を振り上げ切りかかろうとした瞬間ハルは距離を取った。
ハルは黙ってもう一度ベルベラに斬りかかった――素振りをした。
「何度やっても同じことだ、死ね。人間」
振り上げた鎌をハルの首めがけて振り下ろし、ベラエルは勝ったと確信した。
カキン!!!
「なに!?」
ハルは、ベラエルの鎌を剣で受け止めにやりと笑いベラエルの腹を殴った。
「本当にお前は学ばぬな...我に――」
「内側からの攻撃には弱いだろお前」
殴ったハルの手から光が出てくる。
「上位光魔法、フラッシュ・エクスプロディオ」
「な!?」
魔法を発動した瞬間、ダンジョン内には大きな地響きが起き大きく揺れた。
「どういうことだ、光属性魔法....」
ハルは物理攻撃が効かなければ、遠距離からも効かない。
ならば直接近づけて爆発させてしまおうと考えたのだ。
『スキル《悪魔特効攻撃》を獲得』
その声はハルには聞こえてなかった。
「くっ...我を本気にさせたな、人間!喰らうがいい!」
「ソードスキルデスサイス・エクリプス!」
ハルはアテナに一言
「カウンター魔法リバーサル発動」
『リバーサルを発動します』
ハルはベルベラが放ったデスサイズ・エクリプスを剣で跳ね返した。斬撃はベルベラに向かって行った、
ベルベラはそれに対応して弾いたが焦っていた。
「なんなんだ貴様は!なぜそのようなでたらめのような技を使える!」
「くそ最終手段だ、我にここまでさせた人間は初めてだ。光栄に思うがいい!」
「上位魔法結界!」
その瞬間周りが闇に包まれた。天も地も区別がつかないほどに濃密な闇が広がり、魔力が空間そのものを縛り上げる。
「...っ!」
ハルは膝をついた
呼吸が重くなり、全身にまとわりつく闇が意識を奪おうとする。
(くそ、、さすがにきついか?)
(魔力の流れが読めないっ!くっそ息も....)
この結界は、自分以外の物質の存在を拒絶する支配領域
「この結界では我が圧倒的有利、終わったな人間」
ベルベラは一瞬でハルのもとに斬りかかり、今度こそ取ったと。
ハルは下を向いていた。
グシャ!!
斬る音が結界内に響いた。
「ふふふ、我に勝てるものはいないのだ。さらばだ人間」
ベルベラが結界を閉じようとしたその時。
「誰がお前に勝てないって?」
その声は斬ったはずのハルだった。
「ば、バカな!確かに斬ったはずなぜ生きてる!」
「この結界は魔力の流れを読めなくなる、だから俺は無理やり魔力を体外に出した」
「お前が斬ったのは俺が体外に出した魔力塊だ」
「そ、そんなことできるわけが...」
そしてアテナから告げられた。
『解析完了』
ハルは歯を食いしばり、ゆっくりと立ち上がった。
【スキル取得】
《結界耐性》
・高位結界内での行動制限を無効化。
『結界無効化光属性魔法:《ディヴァイン・バースト》を使用できます』
「《ディヴァイン・バースト》」
ハルが手を掲げたその瞬間純白の光が炸裂しベルベラの結界が破壊された。
「な、光属性魔法...そんな魔法はないはず!貴様本当に何者だ!?」
ハルは息を整えながらベルベラに言った。
「ああ、さっきのは危なかった」
『先ほどの《悪魔特効攻撃》で派生した上位ソードスキル エクソシズムを覚えました』
『悪魔特効ソードスキル:エクソシズムを発動させますか?』
(YES)
『悪魔特効ソードスキル:エクソシズムを発動させます。』
ハルの持つ剣が青白いオーラに包まれ、そのオーラはハルの体にも移った。
「ふっ!」
ハルは剣を振りかざしベルベラに一瞬で切り込んだ。ベルベラの胴体が割れ下に崩れた。
ベルベラは最後にハルに言った。
「貴様その力、いつか後悔するぞ...せいぜい自分を殺さないことだな。くくく」
そう言い残し、ベルベラは光に包まれ消滅した
『冒険者の称号を獲得しました。続けて、ベルベラを倒したことによりデーモンハンターの称号を獲得しました。』
「ん?」
突然アテナが言い出したことにハルは困惑した。だが、アテナはそんなことも気にすることなく言い続けた。
『今回の戦いでスキルを獲得しました。獲得したスキルは《結界耐性》《悪魔特効》』
『スキル《結界耐性》により、新たな上位光属性魔法を獲得しました。』
『スキル《悪魔特効》により、新たな上位ソードスキル《エクソシズム》を獲得しました。』
『今回の戦いでスキルが正式に登録されました。
戦闘中は、集中状態による一時的な解放でした』
ハルは戦いに精一杯で覚えたことを勝手に体が動いていたのだ。
いわゆる集中の極限状態に入っていた。
「ああなんかそういえばアテナが戦ってるときに何か言っていたけどこのことだったのか」
「あ、アイテム落ちてる。アテナこれ解析しろ。」
『これは、ベルベラの鎌デスサイスです。そして横にあるアイテムは悪魔の指輪です。
装着したときの闇系魔法の威力が20%上がります。』
ベルベラを撃破した後、ミアたちが駆け寄って来て、ミアはハルに抱き着いた。
「ハル~!心配したんだからね!あんな強そうな魔物一人で倒すなんて...」
ハルはミアとイリスと話したりして女性耐性が付いたと思ったが、抱きつかれたらさすがのハルも顔が赤くなる。
「あ、あのミアさんちょっと離れて..?」
ミアも勢いで抱きついてしまったため、顔が赤くなりすぐに離れた。続いてイリスとゼオンがやってきた。
「ハル!お前大丈夫だったのか?」
ゼオンがハルを心配するがイリスはなぜか自慢げに言った。
「ハルなら大丈夫でしょ、だって最強なんだもん」
「なんでお前が自慢げに言うんだよ....」
張りつめていた空気は、その一瞬で完全に解けた。
こうして、波乱に満ちたダンジョン攻略は、穏やかな笑いとともに幕を閉じた。
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【ステータス】
名前:水上ハル
レベルランク:SSS
異称:転生者
所持金:50,000IG
【称号】
・冒険者
・デーモンハンター
魔力 :MAX
魔力制御 :MAX
魔法属性 :全属性
体力 :MAX
パワー :MAX
反応速度 :MAX
スキルレベル :MAX
知力 :MAX
【所持スキル】
エクストラスキル
ソードスキル
精神攻撃耐性
異常状態耐性
魔力凝視
結界耐性【NEW】
悪魔特効【NEW】
??? :???
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