ダンジョン
第19章 ダンジョン
ダンジョンに潜ると決めたハルとその一行は初級ダンジョンのエルムの小洞窟へと向かっていった。
そこは学園のすぐ近くにある森の中に入口が堂々とあり、その洞窟は小洞窟と呼ばれるには少し大きな入口だった。
そこには下位魔物ゴブリンや、スライム、オークという下位魔物の巣窟だ。
「ここが初級ダンジョンのエルムの小洞窟別名始まりのダンジョンね!」
ミアがわくわくしたような顔で洞窟に向かって言った。
「ここには下位魔物 スライムとかゴブリンしかいないから大けがってことはないだろうけど油断せず頑張ろう」
ハルは皆を鼓舞するようにやる気を出させた。
そして一同は小さくうなずき洞窟へと足を踏み入れた。
ハルたちは洞窟へと入ってすぐに岩陰から半透明の魔物がぬるりと姿を現し、跳ねるように襲いかかってくる。
「くっ...スライムね、喰らいなさい!《ミニフレイム》!」
先陣を切ったミアが放った小さな炎が命中し、スライムはじゅっと音を立てて消え去った。
しかし、その場に残ったのは溶けた跡だけで、アイテムは落ちていない。
「アイテムは落ちていないようね、でもーー」
ミアは自分の手をみてふっと笑った。
「それより無詠唱でちゃんと魔法を打てるようになったわ!」
ハルはミアの成長に小さく頷いていた。
洞窟の奥へ進むにつれ、魔物の気配が不自然なほど薄れていった。
「洞窟の中ってこんなにも静かなの?」
ミアが小声で呟く
「このダンジョン、奥に行くほど魔物が減ってる普通は逆だ。」
ゼオンの言葉に、全員が周囲を警戒する
その時、岩陰からゴブリンが一体飛び出してきた
「ギィィ!」
「来る!」
イリスは一瞬で攻撃態勢に入り、ハルから教わった応用で風魔法を使用した。
(...大丈夫、教わった通りに!)
「《ウィンドウカット》!」
イリスが杖を振ると、鋭い風が一直線に走った。ゴブリンの胴を浅く切り裂き、体勢を崩させる。
「っ、当たった!」
ゴブリンがよろめいたところで追撃の風が切り裂く。
「や、やった!」
ゴブリンはそのまま倒れ霧のように消えていった。
「風上手く使えてるじゃないか!すごいぞイリス!」
ハルの言葉に嬉しさを見せるイリス
「う、うん!前は全然うまくいかなかったのに!」
と、喜んでいるのがすこし恥ずかしかったのか顔を逸らしたイリス
その直後、低く唸る声が洞窟内に響いた
「ウルフだ!!」
灰色の狼が飛び掛かってくる。
「次は俺の番だな!」
ゼオンが前に出てウルフを弾いた。
ゼオンは深く息を吸い、剣に意識を集中させた。剣を掌でなぞった次の瞬間、刀身に淡い雷光が走る。
「いける」
ゼオンは強く地面を踏み込み、剣を振るう。
「はああ!」
雷を纏った刃がウルフを切り裂き、衝撃とともに弾けた。ウルフは悲鳴を上げることなくその場に崩れ落ちる
「おお!!」
ゼオンの攻撃を見いていた、全員が声をあげた。
一息ついたゼオンは自分の剣を見つめる。
「雷属性の付与魔法ちゃんと乗ってるな。」
ハルは感心したように頷いた。
「付与魔法だけでも十分にゼオンの力は発揮できるけど、覚えてほしいのはソードスキルの方なんだよなあ」
「そうだよな、俺の付与魔法にさらに強いソードスキルを組み合わせれば、威力はもっと跳ね上がるはずだな」
ゼオンはゆっくりと自分の剣を見つめながらおろした。
――ハルの視線は、再び洞窟の奥へと向く。
「やっぱりおかしい。」
「ここのダンジョンボス、ハイオークだろ?なのになんでオークの一匹も出てこないんだ?」
ハルのその一言で場はまた緊張の空気に包まれた。するとダンジョンの奥から大量で邪悪な魔力が襲い掛かってきた。
「な、なんだこの魔力量おかしすぎるぞ!」
ゼオンがその膨大な魔力量に取り乱している。
(くっこの魔力量、ミアとイリスは倒れこんでしまうぞ!)
ハルは二人の心配をしながら、この洞窟の謎にたどり着いた。
(何かおかしいと思ったんだ事前にダンジョンについて調べた。
この洞窟は初心冒険者のレベル上げに使われる洞窟で比較的弱い魔物が出る。
だから数も少ないわけじゃない。つまりここに魔物はいられないんだ!この魔力量に魔物は耐えられずに入口付近にいたんだ)
そして「それ」は姿を現す。




